前回の更新から、10年の歳月が流れ、パスポート更新の時がやってきた。7月15日なので、まだまだ、時間はあるとたかをくくっていたのだが、急遽、更新を進めなければならないことになった。それが思わぬ幸いだった。

SRRVの更新が3月15日なので、まずは、少々余裕を持って、2月末に更新することにした。昨年末のルール変更による、指紋を採取を行って、さらに6か月以内に撮影した写真の提出が必要だ。近所に写真屋さんも見当たらないので、キアンに携帯で撮影してもらったが、なんとも納得のいくものではなかった。どうにも自分とは思えない出来栄えだ。ID更新そのものはやりなれているので、あっさり終わったが、どうにも他人のような品の無い私の写真が気に入らない。

しばらく時間をおいて、パスポートを更新するつもりだったが、急遽、パパ・ジェネラルが、アメリカに出張する話が持ち上がり、しかも、家族帯同が許されるとか、さらに私も家族として行くことになるかもしれないとか、思わぬ情報がもたらされた。いまさら、アメリカもないもんだと思ったが、キアンに是非一緒に行って欲しいと懇願されて、まあ、子供たちの世話役に同行する気になった。ただし、経費は負担しないでもいいという条件付きだ。

そうなると、パスポートの更新のみならず、SRRVスタンプの貼替も必須だ。最近、PRAは「パスポートを更新したら、スタンプの貼替を」と、とやかましい。入管はとなると、古いパスポートにSRRVスタンプが押されていたとしても、新旧両方のパスポートを保持していれば、フィリピンに入国にあたって、何のお咎めも無いというのが、最近、入国された方の情報だ。しかし、入管やPRAは、突如としてルールを変更する常習犯だから、ここはPRAの言う通りスタンプの貼替をしておいた方が無難だ。そうなると張り替えに1~2ヶ月かかるので、早急にアクションしないと、アメリカ行きが現実となったらやばいことになる。

日本人はアメリカ入国に当たってビザはいらないが、ジェーン一家、フィリピン人はそうはいかない。USビザ取得は、そう簡単ではないので、ママ・ジェーンは早速、準備を始めた。それで、私に下った命令は子供たちを連れて、WaltermartでUSビザ申請用の写真を撮って来いというものだ。行ってみると、いつも行っているはずのWaltermartの5階に写真屋さんがあったのだ。毎日のように行っているWaltermartに写真屋があるなんて、目から鱗のような気分におそわれた。

そこで思いついたのが、私のパスポートの更新のための写真をここで撮ろうということだ。料金は180ペソで何の負担にもならない。ココとクッキーの写真の出来栄えもなかなかのものだ。数日後、恐る恐る行ってみると、手際よく撮影してくれて、10分くらいで写真を手にしたが、さすがプロ、これが私だと納得に行くものだった。古いパスポートと比べてみると、それなりに年は取っているものの、SRRV IDの写真は20年ほど前にSRRVを取得した時から変わっていないので、確かに別人で、PRAが6か月以内と強調するのもむりはない。

大使館のホームページを開いてみると、申請用紙をオンラインで記入して、それをダウンロードして署名して、大使館に提出すればよいとのこと。前回の様に、大使館で記入して、さらに署名が枠からはみ出して、何度もやり直して、用紙をもらうたびににらまれて冷や汗をかく必要もなさそうだ。申請は代行が可能とのことだが、受領は本人に限るということだが、今のところ私にとっては何の問題もない。

オンラインと言うの大の苦手なのだが、私の年にとなれば、仕方のないところで、いつもどこかで暗礁にのりあげる。今回も、全部入力して、「PDFの発行」というボタンを押してもウンともスンともいわないので、「次へ」というボタンをおしたら、振り出しに戻ってしまい癇癪を起してしまった。

気を取り直して続けてみると、さっき入力した情報は消えていないで、そのまま残っている。それで最後までたどりついて、「PDF」のボタンを押したら、やっぱり、ウンともスンともない。しかし、よくよく画面を見ると、右上にファイル名が出てきており、それを押すと記入済みのPDFが現れて大成功。こんな手順を踏まないで、PDFのボタンを押したらさっさとPDFを表示してくれれば良いと思うのだが、知らぬ間にOSが変更されて、使い方が変わるので、迷惑千万な話だ。

大使館で申請は、5分ほどで終了、さらに3日後に新しい、パスポートを入手することができた。多分がこれが最後のパスポートの更新になるだろうなどと感慨に耽った。早速、PRAには2冊のパスポートを携えて、PRAにSRRVスタンプの貼替に出向いた。SRRVのIDも記載されているパスポート番号が変わるので、10ドル払ってIDも更新しなければならないので、この際、写真もプロが撮ってものに変更した。因みにパスポート原本は、いつ必要になるかわからないので、入管の決定書(ORDER)が出たら、提出することにして私が所持し続けることにした。

これで後はリスタンプを待つばかりとなったのだが、最近、大使館から、重大な通知がきた。3月24日からその日以降に申請されたパスポートの発行がすべて日本になり、3週間ほどかかるので、その前に急いで申請するようにとのこと。何やらプラスティック製の偽造されにくいものになるそうで、発行手数料も値上げされるらしい。


もたもたしていたら、パスポートの発行も遅れ、さらにリスタンプも遅れて、危うく、アメリカ行きに間に合わなくなる羽目にもなるところだった。やれることは先行して実行して、後に回さないという私のモットーが正解だとしみじみ思った。だから、私は、フィリピンの人に何か頼むと、即、「ママヤー後で」と答えることが大嫌いなのだ。