最近、街を歩いていて目立つのがおでぶちゃんが急増していることだ。「3人寄れば二人はデブ」というのが、知り合いの建築家の女性の言葉で、細身の女子大生を探すのが容易でないぐらいだ。「太っていることは豊かな証拠で、美人の条件」というのがアラブ、そして南太平洋のサモアあたりでもも太目がもてはやされていたと思う。しかし、フィリピンは。そんなはずはなくて、セクシーが良いとされている。ちなみに、最近を話題をさらった、ミスワールドやインターナショナルもセクシーなスリム・ボディだ。いち早く20歳をこえて大人になったデバイン(右から2番目)は見る間に巨漢となってしまった。周囲のいとこ連中は当時まだ、15-6歳なのでセクシーなスリムなボディをしているが、数年もするとデバインの後を追うのだろうか
足がすらっとしてお尻の上がったフィリピーナの後姿はとても魅力的だ。それが最近は、そんな女性を見かけることが少なくなってきたのだ。最近、お世話になっているPRA指定クリニックの担当看護婦がPRAに出入りしているのだが、目も顔も体もまん丸の愛想のいい子だ。PRAから紹介を受けるときに、「あの太目の子?」と聞いたら、「太目ではないチャビー」だという。チャビーとは太くもやせてもいない、その中間という意味らしい。
KIANの出産後、60kgをこえっるまで太ってしまい、出産後、太目が解消するために毎日数時間ジムに通っているジェーンは、世間的には、もはや、やせの領域にはいるらしい。女性の視点では太目にたいしてとても寛容だが、明日はわが身ということなのだろうか。しかし、男性の目としては、依然、ウエストとヒップの比率は7:10の理想を譲るわけには行かない(たとえば、スリーサイズが10:7:10すなわち85cm、60cm、85cmなど)。それが10:10:10(90cm、90cm、90cm)というのでは、ちょっといただけない。ジェーンの同窓生が農場に集まってダンスを披露してくれたが、30代半ばになると、チャビーとは言いがたい女性が大半となる。右のオカマはスリムボディなのだが
そもそもフィリピン人は野菜が嫌いで鶏のから揚げや脂身たっぷりのポーク・アドボ(豚肉のしょうゆ煮)、クリスピーパタ(豚足の油揚げ)などが大好きで、朝昼晩と大量の米を食する。さらに午前と午後のミリエンダ(おやつ)にスパゲッティやピザあるいはポテトチップなどのジャンク・フードをのべつ幕なしに食べる。それにコーラなどのソフ・トドリンクがことのほか大好きだ。ジョルビーやマクドナルドを上回る勢いのファースト・フード・チェーンのイナサールの売りは、鶏のバーベキューにお代わり無料のライスだ。
彼らは、おかずのソースをご飯にかけて食べる。そうすれば少ない具でもたくさんで食事ができる。おかずがなければしょうゆをかけて食べることもある。これが少ないコストで最大のエネルギー得て、大家族が生き延びるすべなのだろう。 ジェーンもデバインも女性の視点の標準ではチャビーということになるのであろうが、男性の求める標準では間違いなくオーバーウエイトだ
こんな食生活が常識で身についている彼らは、貧しくて、3度の食事もまともにありつけない状況にあってはちょうど良い。しかし、経済の発展に伴う中間層の勃興により、多くの人々が食に不自由しない生活を始めている現在、このような食生活を根本的に変えないかぎり、街がおでぶちゃんだらけになるのは必然だ。
メディアは、相変わらずジャンク・フードやインスタント食品の宣伝に明け暮れ、コンビニの売れ筋もジャンク・フードとソフト・ドリンクが本命だ。国をあげて、早く食の改善に取り組まないと、国を滅ぼすことになりかねない。メタボ予備軍のKIANの食生活も周囲の意識の不足のためか、ジャンク・フードに席巻されつつあることに危機感を抱いている今日この頃だ。 ポッコリとしたおなかを誇らしげに見せるKIAN