闘鶏入門 2009年1月5日


 退職者の二人を案内して闘鶏見物にでかけた。年末ということで普段にも増して人が集まり、闘鶏場はほぼ満員、駐車場には入りきれないくらいのオートバイが並んでいた。ここタバコでも庶民の足としてのバイクが定着している証拠だ。CIMG8650s-4CIMG8636s-4

 闘鶏場の控え所には多くの人々が自慢の闘鶏を胸に抱いて出番を待っている。悲しいながら、このうちの半分は1時間もしないうちに生涯を終えることになるのだ。CIMG8639s-4 CIMG0159s-4    

  戦う2羽の闘鶏が出てくるとまず、闘志を掻き立てるために別の闘鶏とにらみ合ったりかみ合ったりさせる。さらに戦う2羽を対面させるあたりから賭けが始まる。まるでせりのような掛け声で場内は騒然となるが、手振り身振りで賭け金と賭ける闘鶏のコーナーを示す。賭けの相手を見つけて金額が折り合うと賭けが成立する。青コーナーはメロン(有る)、赤コーナーはワラ(無い)と呼び、かけ方はいたって単純だ。胴元はいなくてあくまでも客同士11の勝負だ。戦いが始まると賭けは終了。あとは勝敗を見守る。勝負がつくと、負けたほうが賭けの相手にお金を渡しておしまいだ。賭け金は1階席が500ペソ以上、2階席が 100ペソ以上だ。なお、掛け金の10%はコミッションとして闘鶏場に支払わなければならない。CIMG0192s-4CIMG0186s-4CIMG0174s-4

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1回の勝負で数千ペソのお金のやり取りが行われるからフィリピンでは大変な金額だ。この間、われわれには誰と誰がいくらで賭けが成立したのか皆目見当がつかない。しかし、彼らは試合が終わるとちゃんとお金を渡しあい、何のトラブルも発生していない。コンピューターも使わないで短時間のうちに闘鶏の死を賭したゲームが進行していく様は驚異に値する。もし自分も賭けに参加したいと思ったら隣で大声をあげている人に頼めばよい。メロンに500ペソ、などとだけ告げて、結果を見守る。負けたら500ペソを支払い、勝ったらコミッションを除いた450ペソを回収して渡してくれる。ただしその場合、チップを10%程度渡すことをお忘れなく。 

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闘鶏はそもそも闘争本能が旺盛でオス同士が出会うとあっという間に喧嘩が始まる。だから2匹のオスは決して一緒にできない。喧嘩の方法は親指にあたる突起で相手を攻撃するものだが、闘鶏ではそこに鋭い刃物を取り付けて戦わせる。だから、出会い頭の一発のけりで勝負が決まってしまうことが多い。負けたほうはもちろんオーナーあるいは負けた相手のオーナーの胃袋に納まってしまう運命だ。

CIMG8653s-4  勝ったほうでも傷だらけになることが多いが、その場合は場外の獣医に傷口を縫って治してもらえる。たまには相打ちで引き分けということも有る。また、決定打が出ないままずるずると戦いが続いて双方が疲れてしまい、どうしようもなくなることも有る。その場合は10分の制限時間があり、タイムオーバーの引き分けとなる。

CIMG8671s-4ちなみに場内にはほとんど女性はいない。いてもスナックの売り子ぐらいのものだ。大金を儲けたり、すったりする博打は女性の敵なのだ。一方、バードウオッチングが趣味の退職者は闘鶏を初体験して大変満足した様子だったが、これもバードウオッチングの内なのかと首をかしげていた。

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