運転免許証でシニア・シチズンシップを享受 2015年1月25日 2


昨年、初頭、退職ビザを取得され、後半にフィリピン在住を開始した退職者と食事をする機会があった。用事を終えて、時間が余ったので、ホテルのコーヒーショップで、夕食までの時間調整をした。そこで、コーヒーの支払いに、運転免許証を見せて、シニア・シチズンしての割引を受けたのだ。てっきり、そのホテルは、その方の定宿だったので、特別サービスかと思ったが、その人曰く、どこのレストランでも可能だという。

その証拠に、そのあと、夕食をとったリトル東京のきくふじでも割引を受けることができた。12%程度の割引だったので、多分、VAT(12%)が、免除されたのだと思う。もちろん、彼は、シニア・シチズンシップは持っていない。ちなみに私のSRRVカードを見せたら受け付けてもらえなかった。

ご承知の通り、シニア・シチズンシップという制度は60歳以上の高齢者が、レストラン、薬局、スーパー、映画館、などなど、ほとんどの場所で、5~20%程度の割引を受けることができる制度で、フィリピーノ高齢者の福音となっている。外国人は、原則としてこの恩恵を受けることができないが、市あるいはバランガイで、その判断が違い、居住している場所によっては、SRRVなどの永住ビザを持っている場合に限り、その恩恵にあずかることができる。マカティ市の場合、PRAが間に入って、その取得に動いたが、時のビナイ市長(現副大統領)により、拒否された。

PRAを通じて、なんとか発行してもらえたのが、ブルーカードというナンバー・コーディング(曜日毎に一定の末尾番号の車は、公道を走ることができない制度)の免除だ。これだけでも、仕事上、毎日出かける私には大きい。しかし、運転免許証さえ持っていれば、このシニア・シチズンシップの恩恵に預かれるというのはとても大きい。

しかし、残念なことには、私は、5~6年前にすりに財布をすられて、その際、なくなった運転免許証をほったらかしにしてあって、無免許であることだ。運転は、もうしないと決めていたが、この際、取り直そうかとも思う。

さらに、翌日、別の日本人と食事を取ったら、シニア・シチズンシップ・カードを忘れたと、残念がっていた。その方によると、シニア・シチズンシップは誰でも取れると豪語する。バランガイに申し入れて粘れば、何とかなるという。私の居住するバランガイ・サン・アントニオは、ビナイ一家(副大統領とその息子)が住んでいるので、どうなるかは、わからない。ちなみに、この方はビナイ副大統領と懇意にしているというので、なんとかして欲しいとお願いしたが、たかが、外国人のシニア・シチズンシップの発行に、副大統領が、動くわけにも行かないだろう。

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 フィリピンの免許証と、話題には関係ないが、街で見かけたど派手のタクシー

話し変わって、運転免許証の効用を発見した方の住居は、郊外なので、車が必須だ。そこで、トヨタの新車も買い求めたのだが、最近のガソリンの値下がりには、メリットを満喫しているという。ちなみ、かつては、ガソリンが50ペソ+、ディーゼルが40ペソ+だった、それが、1月11日にはそれぞれ40ペソ、30ペソを割り込んでおり、さらに、22日には、それぞれ20ペソ、30ペソ台、半ばまで下がった。

原油の価格は、40ドルくらいになっているはずだが、20ドル台になるという話もあるので、それぞれ、20ぺソ、30ペソを割り込むのも時間の問題だろう。こうなると、ガソリン、ディーゼル価格が、昨年の半分以下になるので、当方としてもうれしい悲鳴だ。

この原油価格の下落は、OPECにより、仕掛けられたもので、アメリカのシェールガスの生産を叩き潰す狙いだという。シェールガスの採算ラインは60~70ドルというが、OPECでの原油コストは10ドル台で、まだまだ、余裕があるそうだ。一方、ロシアやベネズエラは経済危機に陥っているという。それにしても、10ドル台の原価のものを100ドル以上で売っていたなんて、なんとも馬鹿にした話だ。いすれにせよ、この世界経済戦争が、どう決着するのか、見ものだ。

原油安が原因かどうかわからないが、フィリピンの株式市場は好調で、23日には、史上初の75000ペソを超えたという。一方、1ドル=45ペソに近づいて、ペソ安傾向が続いていたが、一転して、44ペソに近辺に反転してペソ高傾向になっている。退職者にとっては、円安とペソ高のダブルパンチだ。

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       1月22日の石油価格               1月11日の石油価格

最後に、この方が、嘆いていたのが、円安だ。年金で暮らす退職者にとって、この円安は、致命的だ。昨年の半ばごろまで、ここ数年、1万円が5200~300ペソを推移していた。しかし、1ドル=120円という水準にいたって、1万円が3700~800ペソになってしまったのだ。なんと一万円につき、1500ペソの目減りで、収入が3分の2くらいになってしまった。

以前、女子大生の卒論のお手伝いで、退職者の聞き取り調査をしたとき、皆さんの生活費は一ヶ月に10万円と口をそろえていた。ペソに換算する52000~3000ペソとなる。これは、フィリピン人なら部長級の給与だから、十分生活できる。しかし、この生活レベルを維持しようとすると、現在のレートで14万円が必要になる勘定だ。

この方にしてみれば、貯金には手をつけないで、年金だけで普通の生活と週一回くらいのカラオケで息抜きができると思っていたものが、4万円がどこかへ行ってしまったことになる。そのため、このカラオケの資金が円安で消えてしまい、夢も希望もないというわけだ。これだけは、神に祈るしかないと悲痛な顔をしていた。

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マニラ新聞の交換比率とBank of Commerceの交換比率

マニラ新聞によると、22日のペソ対ドルの交換比率が1ドル=44.320、=117.90円だった。それに対して、ドルをペソに両替商で交換した場合1ドル=44.60ペソ、円は、1万円=3775ペソになる。公定レートに対して、1ドル=0.28ペソほど高く交換できることになる。

右の写真は、同日のBank of Commerceでも交換比率だが、ドルをペソに交換した場合、Buying Rateで1ドル=44.15ペソとなっている。両替商に比べて、0.45ペソ安い。一方、Selling Rate、すなわち、ペソをドルに交換する場合、44.55ペソで1ドルが買える。要は公定レートをBuying RateとSelling Rateのほぼ平均値となっているのだ。

一方、両替商では、この日、1ドル=45ペソで交換していたから、銀行のほうが0.45ペソ、安くドルが買えることになる。要は、銀行は両替商に比べて、0.45ペソ(10%)、ドルの価値が低いことになる。したがって、ドルをペソに変える時は両替商で行って、ペソをドルに替える時は銀行が良いことになる。しかし、銀行は、海外旅行に行くとなどの理由を除いて、ドルを売ってくれないから、別の目的の場合は、両替商に行くしかない。

円の銀行レートは定かでないが、似たような違いがあるものと推定される。要は、銀行で両替した場合、両替商に比べて10%程度のの目減りがあるのだ。ただし、マニラ新聞のレートは、マニラで一番レートの高い両替商のもので、マカティではサンリーズなどがそれに当たるので要注意だ。つまらぬことだが、銀行でドルを44.55で買って、それを両替商で44.60えで売ったら、1ドルにつき0.05ペソの儲けとなる勘定になるが、1万ドル取引して、500ペソの儲けでは足代にもならない。


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2 thoughts on “運転免許証でシニア・シチズンシップを享受 2015年1月25日

  • YUJI HAJI

    なんとも素敵な情報をありがとうございます。
    次回食堂で免許証を出して聞いてみます。こういうシステムが使えるならば外食やグローサリーが便利に感じますね。
    レストラン、薬局、スーパー、映画館、など使える場所情報が共有できるようになれば退職者には便利ですね。
    シニアシチズンといえば、ローカルの店でも使えるのでしょうかね。

  • YUJI HAJI

    日系のレストランで使ってみました。ニューワールドホテル近くの○○亭、確かに十%強のお勉強でした。リトルTのグローサリーでは5%と言われましたが、たしかに免許証で割引があるようです。