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6月1日からマニラ首都圏はGCQに移行して、封鎖が緩和され、社会経済活動が50%ほど復活した。一方、感染者は毎日数百人、一時は1000人を越えるなど収束というよりも拡大傾向にある。これは、PCR検査を増やしたためともいわれるが、日本と比べたら桁違いの感染者数だ。 ホットスポット化したスコーターエリア(スラム)に感染者が集中しているとはいえ、この時点で封鎖緩和どころではないはずだ。しかし、このまま封鎖を続けていたのでは庶民ばかりではなく国家の財政も破綻してしまうという危機意識から国民の経済と人の命のバランスをとろうと緩和に踏み切ったのだ。これはフィリピンばかりではなくて、世界全般の傾向でもあるが、我々の命は自分で守れということだ。 そんな状況を踏まえて、比較的経済的に余裕のある中間層以上が住むコンドミニアムやビレッジでは封鎖緩和前と同様の措置をとるのが一般的傾向だ。すなわち、自主的隔離、食料医薬品の買出し目的以外の外出禁止などを継続しているところが多い。特にコンドミニアムではそこから二人の感染者が出ると、局所的に厳しい封鎖措置が取られるので、住民にとっては大迷惑となってしまうためでもある。 来週月曜(6月8日)から業務を再開するPRAからニューノーマルと称する業務手順がようやく発行された、それによると、オンラインを主体として、支払は銀行振り込み、書類の提出はドロップボックスないし郵送、面会は、最小限にするためにあらかじめアポが必要で毎日限られた数の訪問者しか受け付けないという、これで業務が果たしてこなせるのかと疑いたくなるルールだ。採算など気にもしなくても良い役所だからこそ出来る芸当だろうが、我々代行業者泣かせの面倒なルールといえる。オンラインに慣れれば、かえって出かけて行く必要がなくなって楽になるかもしれないが、当面まごつくことは請け合いだ。しかし、感染防止と銘打てばなんでも通用する時代ではあるので従うしかない。 60歳以上は公的にも外出禁止の身の私としては、相変わらず家に閉じこもっての暮らしだが、人知れずに戦っていることがある。その敵は自分のウンチだ。私とウンチとの格闘は2017年の名古屋旅行、飛騨高山の宿ではじまった。詳細は下記のブログを参照願いたいが、その後、自己流精進料理、特に豆乳で克服して、さらに豆乳ヨーグルトに進化して、勝利を不動のものとした、はずだったが、コロナで行方がわからなくなった。 参照ブログ「硬いウンチで便器が詰まってしまった 2017年6月11日」「自己流精進料理(朝食)の紹介 2018年9月2日」「 豆乳で自家製ヨーグルトに再度挑戦 2019年8月21日」 それが、今回のコロナ封鎖で、豆乳が手に入らなくなってしまって、作戦が狂ってしまった。1リットル入り豆乳パック4箱、3週間くらいのストックはあったのだが、それが切れて、摂取できなくなった。そうすると、一週間くらいで、それまで、ストンと出てきたものが、かなり気張らないと出なくなってしまったのだ。案の定、かなり立派な一物が便器の底に横たわっている。水を流してもしっかりと便器の底にへばりついてびくともしない。 我が家の駐車場にあるゲスト用トイレで用足しをすると、多少の大物もすっと流れてくれるので、これはあきらかに私のトイレの便器の欠陥で、何も私が異常に硬くて大きなウンチを出しているわけではない、はずだ。しかし、これをほっておくとメイドの噂になって、前出のブログのようにママ・ジェーンからきつい小言が出るはめになる。ウンチを柔らかく、小さめにといわれても、これだけは、おのれの意志に従ってくれないのでどうしようもないのだが。 そこでトイレに備えてある。如意棒(写真参照)というか、先端にゴムのお椀をひっくり返しにつけた棒を駆使して、便器内の溜まった水に圧力をかけて一緒にウンチを流すように心がけた。これは案外有効で何度か繰り返すと、流れてくれる。 一方、ウンチの改良計画は、豆乳が無いなら牛乳を使うことを思いついた。よく考えてみたら牛乳を使うのが普通のヨーグルトだ。日本食材店ハッチンで明治ブルガリアヨーグルトを2パック買ってきて、残ったヨーグルトを使って普通の牛乳で試したら、ものの見事にヨーグルトが出来た。しかし、1~2週間たってもウンチの様子に変化はなく、相変わらず豪快なウンチが出てくる。 そうなると如意棒は必須なのだが、ある日、如意棒が消えていた。これは一大事で、きっと誰かが持って行って返さないのだろうと、ママ・ジェーンに聞いてみると、ここでまた、大騒ぎになってしまった。 ジェーン曰く、如意棒の先端の部分にウンチがこびりついていて、床にウンチがついていて、極めて不潔である、したがって捨ててしまった。今後、一切、如意棒を使用しないこと、そして、トイレを清潔に使用することなど、えらい剣幕で告げられた。メイドの目を気にして、ウンチを流しておこうという気遣いが裏目にでたようだ。そうなると、流れない場合は、逆にそのままにして、いずれ流れるときを待つという作戦に出ることで合意した。 しかし、長いこと便器に茶色い水が溜まっているのは気分が悪い。そこで考えあぐねた末に編み出したのが、流す前にウンチを数センチ程度にぶつ切りにすることだ。歯ブラシの柄でも使ってやれば簡単に切れる。これで一発で流れた時は大いに達成感を味わえる。それでもたまには詰まるが、液体石鹸を入れて、2~3回流せば、なんとか流れてくれる。詰まっている時は便器にあふれるくらいに水が溜まってそろりそろりと流れるのだが、詰まっているウンチが流れるたあとは、ざぁーっと水が渦を巻いて流れて実に爽快な気分になる。いずれ便器を交換してこんな手間暇からおさらばしたいところだが、格闘はしばらく続きそうだ。 コロナで世間は大騒ぎだが、私は人知れず、トイレでウンチとの格闘に明け暮れている。これもコロナとの戦いの一部でもあるのだが。

コロナ戦争番外編(ウンチとの格闘)2020年6月6日


封鎖開始から2ヶ月、在宅隔離も我慢の限界が近くなってきている。そんな矢先、13日、再び、31日まで封鎖継続のニュースが流れた。MECQ(修正強化地域防疫)と称しており、工場や事務所の限定的再開などの緩和措置があるようだ。庶民の生活としては食料品の他に日常品の販売が解禁になる。ただし、外出禁止は継続しており、公共交通機関も動いていないので、庶民に取ってはジョギングなどが許されたことくらいが大きな違いだろうか。私としても二ヶ月間一歩も外に出ておらず、外の空気に触れるのは一日一回、新聞を取りに玄関に出る時だけで、いい加減飽き飽きしているのだが、60歳以上は外出厳禁なので、全く変らない生活が続くことになる。 フィリピンの封鎖解除の順番は、現状の最高度の(1)ECQ (Enhanced Community Quarantine、強化地域防疫)の次が今回の (2)MECQ (Modified Enhanced Community Quarantine修正強化地域防疫) で、マニラ首都圏以外の(3)GCQ (General Community Quarantine一般地域防疫)、最後は(4)MGCQ (Modified […]

クッキー(3歳半)の反逆 2020年5月15日、5月17日、18日追記



今日の朝、マニラ封鎖が5月15日まで延長されることが発令された。これで、都合、2ヶ月間の封鎖となる。日本でも緊急事態宣言が発令されてから2週間たって、果たしてその効果はと、周囲はかしましいが、フィリピンはもっと厳しい封鎖(移動禁止、外出禁止、娯楽施設の閉鎖、公共交通、官庁、銀行等の機能停止、モールを始め 食品と医薬品販売以外のほとんどの商店の閉鎖)を3月15日と早々に開始して徹底されているにも関わらず、その成果らしきものは見えず、2度目の延長となった。韓国、中国、台湾などは、終息といえる状況になっていることが、唯一の救いだ。しかし、欧米は終息の兆しが見えるというものの、いわば、高止まりであって、終息とはいいがたい状況で、きっと為政者の得点稼ぎに違いない。 最近のカリフォルニア等での抗体検査によると、抗体をもっている人の数が感染者の十数倍いるとの調査結果が出ているそうだ。ということは、抗体を獲得した多数の無症状感染者がウイルスをばら撒いていたわけで、その結果、抗体を獲得した人が大多数となると、感染が終息を迎えるというわけだ。スウェーデンではあえて封鎖や外出禁止などの規制をしないで、感染後抗体を獲得した人が自然に増えて、ウイルスが封じ込まれることを期待しているそうだ。 それが真実だとしたら、要は、ウイルスに感染して抗体を獲得しなさい、ウイルスに負けたら、運が悪かったですね、となってしまう、いわゆる歩留まりというやつだ。そうなると、感染者が減って封鎖が解除されたからといって、無症状の感染者はいくらでも巷をうろついているわけで、2ヶ月もの間、自宅に謹慎していた持病持ちで抗体を持たない私をはじめとする無垢の高齢者が、のこのこと街に出て行くことは 極めて感染リスクが高いといわざるを得ない。おまけに、感染して入院したら、重症化しやすいし、退院してもしなくても(死んでしまっても)百万ペソ単位の治療費の請求がくるらしい。私は、一切の保険というものは加入しておらず、日本の住民票を抜いているので健康保険に加入できないので、自分が死ぬだけならまだしも残された家族に大いなる負の遺産を残すことになり、空恐ろしく思う。 こうなると自分の身を守るために、封鎖解除後においても当面の間、自主的に自分自身を隔離して感染防止に努めざるをえない。業務は自宅にこもってインターネットと郵送で、顧客とは面会すること無しに遂行する、いわゆる在宅勤務だ。 もっともコロナ大戦後も海外から客が継続してやってくるかどうかも定かではないのだが、そんな在宅勤務がが可能かどうかPRA等の役所の対応次第だ。それが、だめだとしたら、廃業ということも視野にいれなければならないと危惧し始めている。 ところで、海外から顧客が入国できないし面会もできないという状況で、我がビジネスはご多分にもれず、すでに休眠状態なのだが、そこで目をつけたのが、同じく休校で、自宅にこもりっきりのキアン(10歳小4)の家庭教師に再就職することだ。キアンは、3人兄弟となって、それなりに楽しんではいるものの、学校が休みで、ピアノやテコンドウにも通えず、さらに、3ヶ月の夏休みが継続するとなると、半年近いブレークとなる。これは小学校高学年を目前にしたキアンにとって学業そして成長の遅れは取り返しのつかないものになる恐れがある。 封鎖の初期、学校の宿題を手伝っていたとき、キアンが九九が怪しげであることに気がついた。小学校へ入る前に公文に通わせて、算数を徹底的に仕込もうと思っていたのだが、挫折した。 「 キアン、ついに公文をギブアップ 2017年10月13日 」参照。 その後、しばらく私が教えたのだが、やはり餅屋は餅屋にということで、ドンボスコの先生を家庭教師に雇って、2年が経過した。その時、九九の7x、8x、9xをやり残して、家庭教師に任せたのだが、あれから2年、相変わらずそこでつまずくのだ。この2年間全く成長していないのかと唖然とした。 そこで、2年前を思い出して、4年生の教科書の復習から始めようということになった。そこで、教科書も持ってくるようにというと、学校においてあって、ないと言う。しかし、封鎖中で、学校に取りに行くわけにもいかない。そうしたら、しばらく前にBeast Academyという、まさにうってつけのWebsiteのアプリを購入していて、毎日、2時間、その問題集をやることにした。 […]

封鎖中はキアンの家庭教師に再就職 2020年4月25日


新型コロナ感染防止策として、3月15日から実施されているマニラそしてフィリピン(正確にはルソン島を中心とした地域)の封鎖から、すでに2週間経過した現在、ようやくPRAからSRRV保有の退職者にPRAの状況を知らせる通知が届いた。封鎖直前、当方はSRRV申請者を抱えて、PRAの対応がどうなるのか、退職者の扱いはどうなるのか、外国人のフィリピン入出国はどうなるのか、PRAからの情報が混乱しており、右往左往させられた。それがやっと落ち着いた頃になって、PRAからの正式な通知が配布されたのだ。当方としてはすでに周知の事項の羅列だが、退職者の方には始めて届く情報なので、ここに再掲して、要訳を付け加えた。 Mar 26 2020 To all SRRV holders and accredited Marketers; SRRV保持者とマーケッターへ Please be informed that […]

マニラ封鎖に伴うPRAの通知 2020年4月2日



首都圏、そしてフィリピンの封鎖に伴いSRRVを保持してフィリピンに在住している方から、問い合わせが相次いだ。当方にとりわけ情報が入ってくるわけではないのだが、日本大使館とPRAからの情報を注視して私の見解を織り交ぜて役に立つ回答となるように心がけている。そのいくつかは、フィリピン在住SRRV保持者にとって共通な疑問だと思うので、紹介したい。 1.フィリピン在住者の国外退去は必要なのか? 3月20日に発令された PRA通達 によると、外国人の入国制限は日本を含む全ての外国人を対象としたもので、これから入国を計画している場合はまだしも、すべてのビザを取り消すという文言に、フィリピン在住の自分も国外退去になるのかと戦慄が走った。これを聞いたキアンはダダも日本へ帰るのかと涙ぐんでしまったくらいだ。 3月20日午後2時受信:志賀さん、こんにちは。ご無沙汰しております。今回のCOVID-19、コロナウイルス感染防止対策の一環で、昨日に新規ビザ発給停止、発給済みビザ一部が無効になったニュースを読みました。 質問させていただきたいのですが、SRRVは無効措置の対象外という理解でよろしいでしょうか?また、9aを延長している私の後輩は、現在フィリピンに滞在中ですが、今回の措置で延長手続きができなくなったと思います。このまま措置が終わるまでフィリピンに滞在してもいいのか、日本に帰国しなければならないのか、判断に困っております。 3月20日午後3時回答:特に根拠はないのですが、SRRVは対象外だと思っています。PRAの職員に聞いてみますが、返事をもらえるかどうかわかりません。9aについては、この状況から、延長はできないと思います。そうなると出国しなければならないことになりますが、飛行機が飛ぶかどうか、チケット取れるかどうか、空港にに行けるかどうか、確信はないですよね。仮に出国が困難で、そのままフィリピンに滞在したとして、後日処罰されるということがあるとは思えません。動けば動くほど感染のリスクは高くなるので、この際、じっとしているのが一番ではないでしょうか。ルソン島の封鎖は人が動くのを防止するのが趣旨だと思うのでジタバタしないほうが良いと思います。 3月20日午後7時回答:大使館情報を入手したので転送しました。SRRVも9aもこのままフィリピンに滞在可能です。ただし、SRRVを含むいかなるビザを保持していようともフィリピン人の配偶者と政府筋の外国人以外は入国できないようです。理にかなった処置だと思いますが、さらにDFA(外務省)発行の大元の入管通達を入手したので送付します。 2.SRRVは将来とも有効なのか? 3月19日発行された入管通達(SRRVも含めてすべてのビザを取り消すという処置)は、現状が回復した後も有効なのか、それがYESだとしたら、SRRVも政府の意向でいつでも取り消すことができるわけで、無期限有効・出入国無制限というのは謳い文句でしかありえず、SRRVの信用は失墜して存在価値を失ってしまう。 3月27日受信:志賀様 その節は、SRRV取得の為に親子で大変お世話になりました。いかがお過ごしですか?お伺いしたい事があり、ご連絡させて頂きました。私共は、コロナウィルスの影響を懸念して、3月19日より日本に一時帰国をしておりまして、その後、全てのVISAの無効を知りました。SRRVも再度取得し直す必要があるのでしょうか?もしくは、一時停止が解除されれば有効になるのでしょうか?お忙しい所、恐縮ですがご回答よろしくお願い致します。 3月27日回答:ご無沙汰しています。PRAは、3月19日「コロナ感染防止策の一環として、すべてのビザを無効とし、外国人(フィリピン人の配偶者と政府関係の外国人を除く)の入国を禁止する」という入管の通達に対して、PRAとしてSRRVの有効性を再確認するためのPRA通達を発効しました。一体何が言いたいのかわかり難いのですが、要約すると「SRRVは引き続き有効であるものの、現状の封鎖状態が解除されるまで、例えSRRVを保持している外国人でもフィリピンへの入国は出来ない」と言う事です。 3.SRRVは永住ビザ(Permanent Resident […]

フィリピン封鎖に伴うSRRVの扱いに関するFAQ 2020年4月1日


マニラ封鎖が始まって2週間、自宅にこもって、ひたすらテレビとインターネットで新型コロナのニュースを追っている毎日だ。封鎖といっても 食べるものさえあって、 風邪でも引いて寝込んでいるのだと思えば、 さほどなことでもない。テレビやインターネットのニュースで世界中が同様な状況にあると知れば、じたばたしても始まらないし、焦ることもない。イランや北朝鮮の経済封鎖といっても、そこに住んでいるものにとっては、きっと単なる日常にすぎないのだろう。 テレビやインターネット、そして新聞も毎日来て、情報があるということが大きな救いになっている。SNSでメディア以外の情報もはいるということも、物理的に分断・隔離されているとはいえ、平静を保っていられる要因の一つだろう。第2次世界大戦のころのように情報はラジオと新聞だけで、それも政府に捻じ曲げられているものばかりでは、耐え難いものがあったろうと想像される。 封鎖中にもかかわらず、フィリピンもじわじわと感染が広がって、キアンの主治医が感染したとか、賃貸の世話をしている高級コンドミニアムから感染者が出たとか、身近なところで感染者が出はじめている。日本でも志村とか藤浪とか、有名人が感染したとニュースが流れているが、こんな私的なことまでニュースになるのは有名人の辛いところだろう。 東京も封鎖が近いとか噂が流れているが、すでにマニラがそうであるように、封鎖されると人々は家に閉じこもり、食べることと医療以外、すべての社会・経済活動を禁止される。そうなると、航空、宿泊、飲食、交通、娯楽等のサービス業界は売り上げがなくなり、日銭で生活している人々は収入の糧を失い、食うこともかなわなくなる。 マニラも1ヶ月ということで封鎖が開始されたが、世界的に感染のピークはまだまだで、あと2週間で解除されるとは考え難い。この状況が長く続くと、経済的打撃は計り知れないものになるだろう。そのため、世界各国の首脳は、庶民の危惧を払拭しようとポスト・新型コロナの経済政策の発表に余念がない。逆に言えば、彼らはポスト・新型コロナの世界経済を非常に悲観的に見ているのだ。 1900年代初頭に世界を飲み込んだスペイン風邪では 数億人が罹患し4000万人が亡くなくなったといわれるが、その対策は、水際対策、飛沫予防そして隔離が主なものだった。そして、多数の人が罹患して、免疫を獲得してようやく収束に向ったそうだが、未知の自然相手では、人間が生物として備えている免疫というシステムに頼るしかないのだ。 現在、人類はワクチンという近代兵器を獲得してウイルスとの戦いに勝利してきた。しかし有効なワクチンがない新型コロナの対策はスペイン風邪と代わりがなく、現代医学もたちうちできない。ワクチンの開発には少なくとも一年は必要だそうで、1ヶ月やそこいらで今の状況を抜け出せるとは思えない。したがって、各国の首脳が描いている経済対策が必須のものとなるのだろう。 新型コロナ戦争が人為的なものなのか、事故なのか、あるいは自然災害なのか諸説あるが、無差別的に世界中を巻き込んで人類を分断・隔離している状況は神がかり的であり、過去人類が繰り返し経験してきた人類存続の危機であるとさえ言える。地球温暖化が地球の危機として取り沙汰され続けてきたが、とんだ伏兵が出てきたもので、中近東の局地戦などは人類のままごとにさえ映る。 いずれ新型コロナも克服されるときが来るだろうが、そのとき、戦後経済はどうなるのだろう。人と人との交流・接触による社会・経済活動に懲りた人類は、実体経済を捨てて、現在、社会・経済活動の主流になりつつあるサイバー空間での活動に傾注するだろう。すなわちGAFA(Google, Apple, Face Book, […]

新型コロナは新型世界大戦なのか2020年3月29日



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本日、2020年3月15日、コロナウイルスの感染防止策として、マニラ首都圏の封鎖(Lock Down)がスタートする。このようなことは前代未聞の出来事で、世界中がパニックに陥っており、聖域だと思っていた南国ーフィリピンも例外ではなかった。マニラ首都圏への空路、陸路、海路による出入の禁止、学級閉鎖はもとより行政機関の機能停止、イベント等の禁止、夜間外出禁止など、徹底したもので、4月13日の解除までの一ヶ月間、庶民はひたすら耐えるしかないようだ。さらに感染国(日本を含むかどうかは現時点では未確定)からの入国についても制限するというものでフィリピンそのものの封鎖とも言える。 外国人の退職ビザのお手伝いをするという商売柄、外国人の入国制限、マニラ首都圏の封鎖、行政機関の機能停止という状況は、私にとって、まさに死活問題である。当面、全ての活動が凍結されることになってしまったわけだが、今日に至る経緯を振り返ってみた。 年末年始の馬鹿騒ぎが終わると、すぐに私の誕生日(1月11日)がやってくる。73歳になってしまって、引退を強く意識せざるをえないが、後継者がいないので、何とかしないといけないと悩む今日この頃だ。そして、2年間の長きわたって決着のつかなかったタガイタイの住宅の販売支援で、ついに契約の詰めに到り、翌12日、タガイタイに赴いた。その帰り、危うく巻き込まれるところだったのがタアル火山の噴火だ。それから、月末まで、新聞は連日噴火の記事でにぎわった。 タアル火山の記事が下火になってコロナ・ウイルスの記事が一面をにぎわせはじめた矢先のことだ。2月3日、日本人の退職ビザの申請をしている最中にPRAスタッフがざわついて、「PRAトップからの指示で、すべての申請者はクワランティン(検疫)からコロナウイルス感染が陰性であるという証明書をもらってこなければ申請を受け付けない」というのだ。PRA通達(1)参照 そして、翌日、さらに別のアメリカ人申請者とともにクワランティンに向おうとしている矢先、PRAのスタッフから電話があって、新たに通達が出て、「中国、香港、マカオ経由でフィリピンに来た申請者のみ、申請拒否の対象とする」、と訂正されたと告げられた。これで一安心と、ほっと胸をなでおろした。PRA通達(2)参照。まさに朝令暮改も甚だしいところだが、国家の中枢がどう対処していいのかわからず混乱しているためであろうということで仕方が無いことであろう。 中国、香港、マカオ経由での入国は制限され、さらに台湾が含まれるとか含まれないとか、当方としては中国からの申請者が激減して、返ってスムーズに手続きが進んでありがたい、などと気楽に構えていた。 日本ではクルーズ船がどうとか、北海道で感染者が急増とか、話題になっていたが、フィリピンでは帰国者の数人に感染者が出たくらいで、所詮インフルエンザと同類の新型コロナ肺炎も南国では自然消滅するものとたかを括っていた。しかし、韓国、イタリア、イランなどの国で感染者が急増しているという状況で、世界的に警戒心が強まって、3月になって、当方の業務にも多大なる影響を及ぼすことになった。 3月9日の週から事態があわただしく展開していった。10日(火)から週末まで、学級閉鎖で、キアンが学校に行かない。つい先日、日本でも全国的に学級閉鎖となっていたが、何でマニラでと違和感を覚えた。 子供達がモールなどを訪れてはいけないというお達しがでているというので11日(水)のピアノ教室も欠席、さらに、この週末にはマニラ首都圏が封鎖されるかもしれないという噂を耳にして、息子の恵之一家は嫁の実家(マニラ北方100km)に避難した。一方、ママ・ジェーンは水と食料の買い出しに走った。2月初めに申請した件の日本人とアメリカ人のビザは12日(木)までになんとか発行にこぎつけて難を逃れた。 そして12日(木)未明の大統領の「マニラ首都圏封鎖」の発令にいたった。これを知ったのは翌朝のフィリピン大使館からの情報( 緊急大使館情報その11(3.13) )で、すべての行政機関は機能停止するというただならぬ情報だった。 13日(金)早朝、まさに申請を直前に控えていた退職者の一家と一緒にPRAに赴いた。前日の通達によると申請は郵送で受け付けるというものだったが(PRA通達(3))参照)「これは12日未明の大統領の発令前にはっこうされたもので、変更される と思うが、どう変更されるかわからない」というので、当方としてもどうしたものか思案のしようもない。 […]

コロナウイルスでマニラ首都圏が封鎖(Lock Down)2020年3月15日、17日、21日追記


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お知らせ 2023年9月2日追記  9月1日、ようやく待ちに待った日本大使館からのコロナ関連の連絡が送られてきた。以下全文を掲載するが、これで、3年半にわたるコロナ禍がようやく名実ともに明けたと言える。したがって、このお知らせも最終回になります。  【領事班からのお知らせ】フィリピンにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対応について(その222:公衆衛生上の緊急事態宣言解除に伴う出入国ガイドラインの変更について) ●マルコス・フィリピン大統領は、7月21日付でフィリピン全土の公衆衛生上の緊急事態宣言を解除しました。これを受けて、今般、フィリピン保健省および入国管理局は、これまでの制限を緩和する最新の出入国ガイドラインを発表しました。●制限は緩和されましたが、引き続き、多くの方々に対し、フィリピン入国の際にeTravelへの登録が求められています。同eTravelは、フィリピンに到着する72時間前から登録が可能です。 1 マルコス・フィリピン大統領は、7月21日付で大統領宣言第297号を発出し、2020年3月8日に発出された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるフィリピン全土の公衆衛生上の緊急事態宣言を解除しました。○大統領宣言第297号(2023年):https://www.officialgazette.gov.ph/2023/07/21/proclamation-no-297-s-2023/ 2 これを受けて、フィリピン保健省(DOH)および入国管理局(BI)は、それぞれ次のとおり、最新の出入国ガイドラインを発表しました。 (1)フィリピン保健省(DOH)保健省(DOH)は検疫局(BOQ)を通じて、ワクチン証明書に関する以下の最新のガイドラインを発表した。 ア 海外から到着する旅行者については、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種状況およびワクチン接種証明書の提示は必要ありません。ワクチン接種の有無にかかわらず、到着するすべての旅行者を受け入れます。 イ 海外へ出国する旅行者は、目的地の国によって必要な予防接種が異なります。渡航される方は、渡航される国の要件を確認されることを強くお勧めします。 ウ 国外で働くフィリピン人労働者及び船員については、黄熱病予防ワクチン及びその他の予防接種のための国際予防接種証明書の発行は、所属する機関・企業の要件によって異なります。 (2)フィリピン入国管理局(BI)フィリピンに入国および出国する旅行者の皆様におかれては、以下の最新の出入国ガイドラインにご注意ください。 ア 外国人観光客/短期滞在者の要件(ア)入国時に少なくとも6か月の有効期限があるパスポート。ただし、各国との相互主義や協定に準拠する。(イ)フィリピンへのビザ免除が適用されない方、および移民または非移民の在留資格を持つ方は、有効なビザ。(ウ)許可された滞在期間に対応する出発地または次の寄港地への有効な乗り継ぎ/復路の航空券。ただし、(a)フィリピン国籍者が同伴する外国人配偶者および/または子供、(b)フィリピン共和国法第9174号に基づきバリクバヤンの特権を有する元フィリピン国籍者(その配偶者および/または子供を含む)を除く。 イ 観光客を除く外国人移民/非移民ACR I-カード(外国人登録証)所持者(短期渡滞在者向け9(a)ビザ所持者を除く)については、有効なビザ、ACR I-カードまたはACR […]

お知らせ 2023.09.02



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先週の日曜日、タガイタイに住宅の販売の契約(退職者の代理として)に出向いて、マニラ帰還直後に噴火が発生し、帰宅難民になるのを免れた。そして、新聞には、大被害の様相が連日一面をにぎわせた。そこで気になったのが、件の住宅の被害状況、そしてタガイタイというリゾートが消滅してしまうのではないかという危惧、そうなるとこの住宅が無価値になってしまうのではないかということだ。 一週間後の今日、その住宅の様子とタガイタイそのものがはたして今後、リゾートとして機能していけるのかなどをこの目で確かめるために、息子のユーチューブの取材を兼ねて決死の覚悟で出かけて行った。新聞には再び、立ち入り禁止になったとも報道しており、行き着けるかどうかも確信はなかった。以下、百聞は一件にしかずのことわざにしたがって写真に語ってもらおう。 タガイタイ並びに住宅の復旧は急ピッチで進められており、2~3ヶ月もすれば、噴火の形跡はあとかたもなくなるだろう。しかし、ここには噴火というリスクをかかえた地域であることを忘れてはならないようだ。

タガイタイリゾートは不滅、そこには日常があった。2020年1月19日


明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 ところで、新年早々の話題がタガイタイのタアル火山の噴火という物騒なものになってしまった。写真中央の小さな島がタアル火山で、過去記録に残るだけでも30回以上の噴火を繰り返し、1911年そして1965年に大爆発を起こしたが、ここしばらくはなりを潜めていて、今回は何の警報もなかった。 噴火は1月12日(日)の夕方に始まったのだが、この日、私は、息子一家を連れて、タガイタイの遊園地(スカイランチ、孫のリオの要望)訪問、先月ママ・ジェーンが購入契約をした住宅の引渡しの打合わせ、退職者から売却を依頼されている住居の契約の打ち合わせ、私の誕生2次会ランチ(誕生日は11日でジェーン夫妻が欠席しため別途に企画したものだが、急遽パパ・カーネルに呼び出しがあって、マホガニーマーケットでの安ランチに変更)と盛りだくさんの予定だった。そのため早朝7時に出発して、日曜の午後の渋滞を避けるために、昼食後早めに帰宅して、4時ごろマカティの自宅に到着した。 そして、帰宅の途端にテレビではタアル火山の噴火を報じていたのだ。幸い早めに帰還したので難を逃れることができたが、もたもたしていたら、帰宅難民になるところだった。報道によると、噴煙は1千メートルにも到達して、タガイタイを中心に広範囲に灰が降りそそいだそうだ。しかし、これは噴火の前兆であり、本格的な噴火はこれからだというのだ。 一番の心配は、ジェーンが購入した住宅と庭の樹木が灰で煤だらけになってしまったこと(オーナーからの連絡)、売却予定の退職者の住宅が、やはり台無しで売り物にならなくなってしまったのではないかということだが、当面、様子を見に行くこともできない。現地は水も電気もない状態で、家屋の倒壊はないもののまさに被災地の様相を呈しているそうだ。以下オーナーの方からいただいた写真を掲載する。

タガイタイのタアル火山が噴火 2020年1月14日