クッキーの成長記録


NHK BSプレミアムの毎週火曜の夜の番組、ヒューマニエンスで最近「言葉」と「文字」という興味深いテーマを連続で取り上げていた。要は「言葉が人間の思考を育み、文字が人間の文明を育んで人間と動物の違いを生み出し、現在の繁栄をもららした」というのである。ホモサピエンスが発生して20万年、言葉により、人間の思考が大いに発達し、道具を作り、効率の良い狩猟や耕作を行って、地球を征服した。一方、文字は、ピラミッドの時代から5千年程度の時間しか経っていないのだが、その間に人類はそれまでとは比べられない速度で高度な文明を築き上げた。 言葉は十数万年の時を経ているためか、子供は2~3歳でかなり流ちょうに話すことが出来るようになる。そして言葉を覚えて、思考力がついて、人間として成長してくのだ。一方、文字については、幼稚園ないし小学校で、子供たちは「いろは」ないし「ABC」を徹底的に叩き込まないと覚えることができない。これは文字を覚えるというDNAがないので、脳に無理やり押し込まないとだめで言葉の様に自然に覚えるというわけにはいかないのだ。 文字が生まれて5千年というが、庶民にまで文字が普及したのは、ここ数百年にすぎない。要は、人間は文字などなくても立派に生きていくことが出来たのだ。文字はつい最近まで権力者に独占され、庶民は読み書きができなかった。言葉と文字の違いは、言葉は、その人が死ねば、すべて消えてしまうが、文字は時空を超えて、広範囲にそして長期間、情報を伝達することが出来る外部記憶装置として、積み重ねが可能で、文明を構築する重要なツールとなった。 ヒューマニエンスで次に取り上げてもらいたいのが、「数字」だ。子供たちにとって、数字は、多分文字よりも難解で、たったの0から9しかないのに、小学校、中学、そして高校と延々と学ばなけれならず、誰しも途中で投げ出してしまう。日本の大学受験でも、数学ある場合は、志望校/学科から真っ先に外してしまう人が多い。フィリピンにおいては、小学校低学年でギブアップして長い生涯を数字から逃げ回って暮らす人が大半だろう。しかし、この数字こそが、現在の超文明ともいえるコンピューターの世界での要なのだ。ちなみにコンピューターは0と1しか扱っていないのだが、その威力は誰しもスマホで思い知っており、スマホ無しでは一時も過ごすことが出来なくなっている。 この言語、そして文字、さらに数字まつわる人類史を目の当たりにさせてくれるのが子供達だ。我が家の女戦士クッキーは最近6歳になって、小学一年生で、オンライン授業を受けているのだが、3歳のころから母親、顔負けの言い争いができる子で、我が家のボスに上り詰めるのも時間の問題と思われた。しかし、パンデミックで幼稚園が閉鎖されてり、オンラインの家庭教師を雇っていたものの、文字の学習が滞っていた。しかも、クッキーは小学校に入学してから、6歳の誕生日を迎えたので、多分、一年、早く入学したらしい。しかもろくすっぽ幼稚園の授業を受けていないから、算数の授業に全くついていけない。優秀で飛び級というならまだしも、年齢をごまかして、一年、早く入学するなんてことは百害あって一利なしだ。 さらに数字となると、ちんぷんかんぷんで私に白羽の矢が飛んできた。しかし、数えることさえらくすっぽできない子供に、1たす1は2といくら唱えてもらちがあかない。まして、引き算や二けたの数字なんて夢のまた夢だ。私は幼児に数の概念を教え込むというノウハウは持ち合わせていないが、このままでは、文字はなんとか覚えたとしても数字に関してはご多分にもれず、九九もろくすっぽできない普通のフィリピン人ンなってしまいそうだ。 いくら教科書の一桁足し算や引き算を繰り返しても数の概念が無いのだから、馬の耳に念仏だ。そこで、たまたま置いてあったFireman Ladder(すごろくの一種)という遊びに目をつけた。サイコロを二つ使って出た目だけ進む。階段のところで止まると、上にあがれて、棒に止まると滑る落ちてしまう。これを大いに気にいったクッキーは、毎日やりたいやりたいとねだる。数百回も繰り返しただろうか、数というものがなんなのか、そして1から6の足し算はすらすらできるようになった。子供が知識を蓄えるには遊びが一番で、楽しいから覚える、いやいや、やらされたのでは、何の足しにもならないどころか逆効果だ。 しかし、オンラインスクールの方は、二けたの足し算や引き算に進んでいて、すごろくでは12までの数字しか出てこないから、クッキーは相変わらずちんぷんかんぷんだ。そして、コインを使って、買い物ゲームをすることにしたが、一ペソが10個で10ペソ、10ペソコインが5個で50ペソ、10個で100ペソ、さらに10ペソコインが5個と1ペソコインが3個で、53ペソとなるというようなことがクッキーには、どうしても理解できない。このままでは将来、お金が数えられない大人に育ってしまうと危惧される。 オンラインスクールといえば、二桁の足し算にバンバンと先へ進んでいるようだが、ママ・ジェーンはオンラインに後れを取らないように強制的に答えさせようとする。クッキーとしては、いくら怒鳴られてもわからないものはわからないから、対応のしようもない。挙句の果てには、ひっぱだいたりしていたが、まさに愚の骨頂で、クッキーは数字がトラウマになって、算数というだけで、逃げ回るようになるのは必定だ。その結果、自ら算数を教えることをギブアップしたようで、それ以来、口をはさむのやめて、兄のキアンに任せてしまった。 文字の方はどうなんだとキアンに聞くと、数字に比べてはましで、そこそこ上達はしているらしいが、ちょっと長い単語は読ませると、口でもごもご言ってごまかしているらしい。あれだけ流ちょうにしゃべれるのにと、変に感心するが、言葉の十数万年の歴史と文字の数百年の歴史の差なのだろう。一方、数字に至っては、フィリピンではまだまだ庶民レベルでは使いこなしているとはいいがたい気がする。しかし、今では計算機というものがあるから、なんとか辻褄を合わせることが出来ているようだ。キアンに至っては、幼稚園からの公文から始まって、パンデミックの3年間私がじっくり仕込んだので、なんとか追っついているようだが、クッキーについては、なるようにしかならないのだろう。 2019年11月生まれで、パンデミックの最中に育ったココは、つい最近まで、外出ということを知らず、家に閉じ込められていた。今日、3歳の誕生日を迎えるココ(Bernard 3rd、因みにキアンはBernard Jr.で実に親子3人が同じ名前なのだ)は、いまだに言葉を使ってしゃべるというには、ほど遠い。ようやく、周囲の人間をダダとかヤヤとか呼べるようになったところで、半年くらい前から、異常ではないかと、幼児の会話教室に週2回通わせられている。そのおかげで「what […]

言葉、文字、数字、そしてクッキーとココの苦行 2022年11月9日


10月1日からさらに一ヶ月間の首都圏の封鎖(GCQ)の延長が決定した。3月15日以来、ついに7ヶ月目に突入したわけだ。高齢者と子供の外出禁止も継続していて、私と子供達は自宅軟禁ノイローゼにかかりはじめている。一方、外国人の入国は、日本と同様、若干緩和の方向にあるようで、全容は不明だが、SRRV保持者については、至急に入国の必要性があり、かつDFA(外務省)の推薦があれば、入国可能という通知がPRAから発行された。添付PRA通知参照。PRAに申し込めばDOT(観光省)経由でDFA(外務省)に申し入れてくれるそうだ。この措置は、特にSRRVに限ったことはないようで、緊急な入国のニーズをDFA(外務省)がOKすれば、手持ちのビザないし新規に短期ビザが発行されるようだ。添付比大使館情報参照。 この長期自宅軟禁でもっとも被害を受けているのがクッキーだ。3歳になってやんちゃ盛りになったとたんに外界との接触を絶たれ、幼稚園で友達と遊ぶことも先生からお勉強を教わるなど、社会教育の第一歩を踏み出すことが出来ないでいる。そのため、持ち前のやんちゃのみが先行して、周囲に喧騒と苛立ちの公害を撒き散らしている。その被害をまともに食らっているのがキアン、そして私だ。 キアンのオンラインスクールが始まっのでクッキーの唯一の遊び相手が、平日の午前中はいなくなってしまった。学校なんだから邪魔しちゃ行けないよと言い聞かせても、ママ・ジェーンは、いつもオフィスにいるわけではないし、ヤヤ達もクッキーのお守りをしているわけにはいかない。結局、クッキーは事務所を遊び場にするしかない。私にとっても午前中は書類やブログ作成の大事な仕事時間だ。そうなるとクッキーは三輪車やスクーターで事務所内を走り回ってうるさいことこの上ない。さらに大声で歌を唄ったり、キアンも私も気が狂いそうになる。 おとなしいのはアイ・パッドを使っているときだけなのだが、ママジェーンのしつけの観点から、過度の使用を制限して、しょっちゅう電池が空で使えないように仕組んでいる。充電器を買ってやろうとしても、ママ・ジェーンは自分のアイフォンと共通にして、あえて不自由にしているので、不要だと断られた。口で言ってもきかないので、物理的にコントロールしようという魂胆だ。 三輪車やスクーターは本来、外で使うもののはずなのだが、そとは暑いからと室内で使うよう指導しているらしい。アイ・パッドもスクーターも、我々の騒音被害には目もくれないルールだ。かと言ってクッキーの入室を禁止したりクッキーを叱りつけても、ますます反抗してうるさくなるだけなので、強攻策を取ることもできない。そもそもコロナの外出禁止で一番可哀想なのはクッキーなのだ。そのために編み出したのが、耳栓だ。これさえあれば騒音に耳をふさいで自分の世界にとじこむことが出来る。 午後からは、キアンの算数レッスン、レゴの組み立てなどの時間だ。算数の時間は私が先生で、レゴの時間はキアンが先生だ。クッキーに取っては、私とキアンが親しげにしているので自分も仲間に入りたいので、色々ちょっかいを出してくる。この時は騒音だけではなくて、当方にとっては物理的な邪魔立てになる。いくら注意しても、やることはないから執拗に繰り返して、叱りつけることになるのだが、やはり効果はない。 さらに、キアンの宝物のポケモン・トレッタを買ってやったら、クッキーはわけもわからず、それを欲しがる。キアンが拒否すると目一杯の泣き声で、大騒ぎになって、もはや事務所にいることは不可能になる。一方、クッキーに買い与えられた三輪車やスクーターをキアンが使うと、大声で非難する。仕方なく、キアンに譲るように説得するのだが、キアンとしては、クッキーが憎らしくてしかたがない。しかし、そんな態度をママ・ジェーンの前で見せると、ママ・ジェーンの罵声がキアンに浴びせられ、事務所は騒然となって、私は自分の部屋に逃げ込むしかなくなる。 模造品のレゴにはキアンが目もくれないので、耳栓で周囲を遮断して一人でレゴの組み立てに熱中をしていると、クッキーがちょっかいを出してくる。ほとんど聞こえないので、知らん顔をしていると、スタンドの電気を消したり、テーブルを足で蹴ったり、いかに邪魔をしたら効果的か、良くわかっている。丁度、模造品のレゴが最終段階で組み終わった途端にあちこち壊れて、苛立ちの頂点にあったときで、爆発寸前だった。こうなると私が事務所でレゴをすることは、かえって脳を痛めかねないので、自分の部屋を模様替えして、小さなレゴ専用作業スペースを作ることにした。 しかし、そこで作業を始めると、早速クッキーが目を輝かせて入ってきて、同じことになってしまった。キアンの後をついて回るしかやることがないクッキーだから当然のことではある。ここにはドアがあるので鍵をかければ入ってこれないのだが、まだ3歳のクッキーの立場に立ってみると、それはあまりにも残酷だという気がして実行できない。ママ・ジェーンもそれは止めてくれと言う。子供の頃、近所の家でそれをやられて大いに傷ついたことがあるそうだ。原因は、その家の子もいつも張り倒していたためだそうで、クッキーは自分と瓜二つだから、可哀想だと、勝手なことを言っている。 結局、舞台は事務所から私の部屋に移っただけになってしまった。それで、キアンにレゴを任せて、耳栓をしながらテレビで字幕映画を見ていると、クッキーが耳元で大声で怒鳴った。これにはたまらず堪忍袋の緒が切れて、クッキーの手を引いて、階下のママ・ジェーンの部屋に連れて行った。こんなとき、クッキーは素直についてくるので、確信犯でないのかという気がする。 クッキーの公害は、ますます度を増すばかりだが、クッキー語録ともいえる名言に一同が盛り上がっている。曰く、ヤヤに対して「私のことを愛している?愛しているなら、私をおんぶして、階段を10回上り下りして証明して頂戴」。3歳児の発想というより、思春期の性悪女の言い草だ。さらに「ダダ(私のこと)はBack pain(腰痛)とUTI(Urinal Tracking Infection、尿道炎)だから、家から追い出して介護施設へ送り込んだほうがいいんじゃないの」。人を馬鹿にするのも甚だしいが、因みにUTIは最近自分が患った病気だ。最近、私が煙たがって相手にしないことを大分恨みにに思っているようだ。

クッキーはコロナ公害なのか 2020年10月5日



クッキーが小型の I Padを落として壊してしまって、パパ・カーネルが大きめの I Padを持って帰って、修理の間ということで、貸し与えた、らしい。翌日、外出中のママ・ジェーンから、このI Padを私が預かっておいて欲しいとのメッセージが入った。カバーがないので、クッキーが落として壊してしまうことを恐れたのだ。そのとき、クッキーはオンライレッスン中だったので、I Padを彼らの部屋から持ち出して、私の部屋においておいた。 レッスンを終えたクッキーはI Padを探して、私の部屋にあるのを見つけて、返せと要求したが、私は、断固として求めの応じなかった。過去、キアンのソニータブレットを投げつけて修理不能とし、最近は、自分のI padも壊した前科があるので、パパ・カーネルのカバー無しのI Padもみじめな運命をたどるのは、目に見えている。しかし、ママ・ジェーンも出かけて相手にするものがいないクッキーにとってI padだけが友であり、執拗にI Padを返せと私を責める。 面倒くさいので、戻ってきたママ・ジェーンにI Padを渡そうとしたら、クッキーの怒りは頂点に達していて、すでにパパ・カーネルに告訴していたのだ。そして私がお世辞に顔を近づけるとすかさず張り手が飛んできて、危うくパンチを食らうところだった。顔つきも真剣で、冗談で手を出しているとは思えない。 […]

クッキーが怒った 2020年9月16日


7月16日政府通達で「長期ビザ保有者のフィリピン入国を許可する」というニュースが流れ、多くのメディア、ユーチューブ等がこぞってとりあげた。私もローカル新聞の報道を目にして「遂にやった」と思ったが、正式な通達を目にするまで、ニュースを広げることを控えていた。そして通達を手して良く見ると「長期ビザとは移民ビザの13ビザ」と記載されていた。13ビザとはクオータビザや13a婚姻ビザをさすもので、9gワーキングビザ、SRRVなどの一般的な長期ビザを含まず、ごく限定されたビザをさす。そもそもこれらを長期ビザといっぱひとからげに呼ぶことは間違いであり、通達を読んだ人々が全ての長期ビザと解釈することは容易に想像できる。メディアやユーチューブの発行者もそう思ったに違いない。 その後、大使館からも報道されたが通達を翻訳しただけで、具体的にどのビザが含まれているのか、解説がない。その他の雑誌の記事を見ても大使館の情報の再掲載に留まる。要は一般の人がわかるように解説してあるのは、私のホームページ以外にみあたらないのだ。さらに入国に当たっては隔離施設とPCR検査の予約を独力で行なうこととあり、一体どうしたらいいのやら一般人には皆目見当がつかない。そのため、通達の真意を確かめるために多くの人から質問が私にもあったが、旅行社やフィリピン大使館はこの通達の要求にどうしたら良いのか説明するためにてんやわんやで、混乱のまま8月1日を迎えるのではないだろうか。 先日、歯医者に行くために久しぶりに外出したが、それから数日して、倦怠感に襲われ、半日も机に向うとげんなりしてしまった。しかし、熱は36度台の微熱程度で咳も全くない。ひょっとしてコロナとも思ったが、その後も熱も咳もなくてコロナと迷っているうちに、一週間程度で倦怠感がなくなった。ひょっとすると、これは無症状のコロナで、あっという間に直ってしまったのかという気もしている。そうであるとするとこれで抗体を獲得してもはやコロナに罹患しない天然のワクチン接種ということになったのかもしれない。こんな形で、抗体獲得者が増えて、コロナが自然消滅するのが理想的と淡い期待をいだきたくもなる。 キアンの大好きなキッザニアが閉鎖されるというニュースが流れたが、果たしてドリームプレイはどうなるのだろう。このままコロナ封鎖がさまざまなレベルで継続すると、経済・社会活動が停止して、世の中真っ暗になって、まさに「End of the World」がやってきて、コロナ怖さに為政者が国を滅ぼしてしまうという結果になるかもしれない。ブラジルの大統領がコロナなんぞはインフルエンザのようなものだと言ったそうだが、もしかしてそれが正解かもしれない。日本の為政者も緊急事態宣言の発令を躊躇しているがそんなジレンマがあるのだろう。 ところで、キアンのオンライン授業がやっとはじまった。ドテルテ大統領の話によると、ワクチンが出来るまで、対面授業は来年あたりになるだろうということなので、あと半年も自宅待機では学業への影響は計り知れない。学校としても授業料を取ることが出来ず、私立校は倒産の憂き目にあってしまうから、先生方もいつまでものんびりしているわけにはいかない。そのためキアンは朝の7時から11時半までラップトップにかじりついており、やっとニューノーマルの体制になったわけだ。 一方、クッキーも3歳と9ヶ月、本来ならば幼稚園に通っているところだ。そのため、ここ2ヶ月間、私にお鉢が回ってきて、ABCマウスというオンライン教材で、毎日レッスンをしている。しかし、お絵合わせ(ジグソーパズル)やお絵書きに歌など、遊び相手で退屈で仕方がない。しかもクッキーは強情で自分の思い通りに行かないと私からマウスをとりあげて勝手にクリックして、気に入ったところでブレーキしていつまでも遊んでいるので、私の手におえない。しかも私のパソコンを占領しているので、机の前でぼんやりしているしかない。 そこでママ・ジェーンが白羽の矢を立てたのがメイ先生だ。キアンの通っていた幼稚園の先生でキアンの家庭教師でもあり、キアンの英語の恩師といえる存在だ。しかし、メイ先生は現在スペイン在住で、本来ならばありえない話だが、クッキーのレッスンをオンラインで引き受けることになった。まさにニューノーマルで地球の裏側のスペインからレッスンを受けるということが現実になっていているのだ。 コロナ封鎖前、キアンの家庭教師をしていたドンボスコの先生ラニョラ女史にクッキーも一緒に面倒を見てもらうべくレッスンを開始したのだが、数回にしてクッキーのヤンチャぶりにギブアップした経緯がある。メイ先生は幼児教育のベテランなのでやり遂げるに違いないと期待しているのだが、ちなみにママ・ジェーンは、はなからギブアップしている。

キアンのオンライン授業とクッキーのオンライン家庭教師が始まった2020年7月26日



封鎖開始から2ヶ月、在宅隔離も我慢の限界が近くなってきている。そんな矢先、13日、再び、31日まで封鎖継続のニュースが流れた。MECQ(修正強化地域防疫)と称しており、工場や事務所の限定的再開などの緩和措置があるようだ。庶民の生活としては食料品の他に日常品の販売が解禁になる。ただし、外出禁止は継続しており、公共交通機関も動いていないので、庶民に取ってはジョギングなどが許されたことくらいが大きな違いだろうか。私としても二ヶ月間一歩も外に出ておらず、外の空気に触れるのは一日一回、新聞を取りに玄関に出る時だけで、いい加減飽き飽きしているのだが、60歳以上は外出厳禁なので、全く変らない生活が続くことになる。 フィリピンの封鎖解除の順番は、現状の最高度の(1)ECQ (Enhanced Community Quarantine、強化地域防疫)の次が今回の (2)MECQ (Modified Enhanced Community Quarantine修正強化地域防疫) で、マニラ首都圏以外の(3)GCQ (General Community Quarantine一般地域防疫)、最後は(4)MGCQ (Modified […]

クッキー(3歳半)の反逆 2020年5月15日、5月17日、18日追記


ママ・ジェーンが外出していると、もっぱら私の部屋で時間を過ごすキアンだが、最近テレビでアニメをやっているのをみていて、一つ目のキャラが出ていた。しばらく、見つめているうちに疑問がわいてきた。「なぜ人間はあるいは動物は目が二つあるのか、何故一つや三つではいけないのか」しばらく考えて一つではだめで二つなければならないのかわかった。三つではいけないのかは答えがでなかったが、早速キアンに同じ質問をしてみた。 久しぶりに一家で外出してご機嫌のクッキー、カメラを向けるとお決まりのすまし顔をして首を傾げる、ママ・ジェーンと一緒の髪飾りがユニークだ キアンは、なるほどという顔をして、早速回答して来た。「一つだと、それがだめになると目が見えなくなるが、二つあればもう一つの目で見ることができる」まあまあの回答だが正解ではない。しかし、質問の意図を解釈してそれなりの回答を出したことについて評価できる。これはきっと幼稚園のときに大量に買い与えた百科事典を日ごろ読んでいるせいに違いない。 大きく口を開けるのもクッキーの決まり顔だ それで片目をつぶらして、私の指を顔の前に立てて、つかんでみろと指示をした。キアンはつかむことができない。今度は、両目を開けてつかんでみろといったら、こともなくつかむことができた。要は目が二つあることで物体の距離ないし位置を把握できる、すなわち立体視ができるのだ。それだけでは一つ目小僧がいない説明にはならない。立体視が出来ないと何故この世に存在できないのか。答えは簡単で獲物を捕まえることができなくて飢えて死んでしまうので、目が二つある動物だけが生き延びているのだ。だから魚から昆虫まで世の中の動物といえるものはすべからく二つ目なのだ。 指付がかわいらしいが、なにか指すときに人差し指を使うのは本能のようだ しかし、ここで収穫だったのはキアンはもはや幼児ではなくて立派な少年に成長していることだった。先日、ヤヤが血相を変えて、タガログ語で私とキアンに何か訴えていた。誰か外にいて車がどうのこうのと言っているので来て欲しいという。そこで二人で降りていったらセキュリティガードがタガログ語で黄色いFJクルーザーが違法に駐車してどうのこうのと言っている。するとキアンが英語で、「その車のプレート番号は何だ」、ガードが番号を答えると、「それは車の前後についているのか、この家のFJクルーザーはまだプレート番号がないからそれは違う、誰か他所のものだ」と、堂々とよどみなく対応した。ヤヤと私は顔を見合わせて感心した。まさに大人顔負けの少年だ。この話をママ・ジェーンに話をしたら喜んで飛び上がらんばかりで、キアンも得意満面でその場の会話を早口で繰り返していた。 泣いたり笑ったりする表情は万国共通だがこれも本能なのだろう、しかし動物は何故泣き笑いしないのだろうか そして数日後、車の中で現在私のドライバーをやっているアランおじさんに同じ質問をした。しかし、彼からは何の答えも返ってこなかった。それでさらに矢継ぎ早に質問をしてみた。動物は何故耳が二つあるのか、何故水面は水平なのか、何故海には満潮と干潮があるのか、何故海には波があるのか、などなど、全く答えは返ってこなかった。ハイスクールで教わらなかったのかと問い詰めたが、学校では先生の話は全くうわの空で聞いていなかったというのが答えだった。フィリピーノは計算に弱いのは定評があるが、理科や社会も弱いようだ。しかし、子作りだけは上手で3人の妻との間で6人の子供をもうけているのがしゃくにさわる。キアンは子作りはそこそこでも算数や理科に強い大人に育って欲しいと願う。ところで三つ目人間が存在しないのは未来が見えるので、皆失望して自殺してしまったのではないだろうか。 昨日、NHKの「ダーウィンが来た」という番組で六つの目をもつ世界一美しい蜘蛛(孔雀蜘蛛)が登場していた。この六つ目のおかげで視界が360度あるというのだが、六つの目で360度の物体の形や遠近を把握するという、脳の機能はいかほどのものなのか想像がつかない。しかもからだそのものの大きさが4mm程度というのだから脳の分子数は知れたものだろう。二つの目でさえややこしいのに世の中には想像を絶する世界があるものだ。ちなみにこの蜘蛛の美しさはメスを獲得するためのもので、求愛に失敗するとメスに食われてしまうのだそうだ。

動物は何故目が二つあるのか 2018年8月5日



クッキーが歩き始めて以来、つたい歩きも含めて、家の中を縦横に歩き回っており、外では、得意のダンスを披露してご近所の注目を集めている。そんなクッキーの洗礼式の時がやってきた。予算の都合で、大分遅めの洗礼式(Baptismal)となったが、2月10日、午後3時半、場所は、キアンの時と同じSacred Heart 教会、両親の結婚式もここで行った馴染みの教会だ。場所は、パソンタモ通り(Chino Roces Av.)からカマゴン通り(Kamagong)を東に向かって二つ目の角、Sacred Heart St.の 交差点にある。 キアンのバブティスマル 2010年10月15日 いよいよクッキーもクリスチャンとして社会にデビューする記念すべき日となるが、披露宴はデュシットホテル(Dusit Thani Hotel)一階の右奥、The Pantryに100人ほどのゲストを招いて行うという豪勢なものだ。また、パパ・カーネルの昇進祝い(Senior Superintendent)も兼ねるそうなので、滅多にない機会なので、是非多くの方の出席を期待したい。出し物としては、キアンのピアノ演奏とダンス、さらにはクッキーの腰振りダンスを披露する予定だ。 […]

クッキーの洗礼式のお知らせ 2018年1月21日


クッキーが1歳と二ヶ月になって、つたい歩きは盛んにするものの、歩くには今一歩という状態が続いていた。周囲は、いずれは歩くと、特に心配はしていなかったものの、今朝、ヤヤと散歩中のクッキーに出くわしたら、ヤヤが歩かせて見せてくれた。二足歩行といえば、人間が人間であるゆえんのようなもので、いよいよクッキーも人間の仲間入りをしたといえる。早速、記念に動画をとらしてもらった。DSCN2532 ちなみにクッキーは歩く前から音楽がなると腰をくねくねしてダンスをしている。常識的に考えれば、歩けもしないでダンスもなかろうと思うのだが、クッキーにダンスの天賦の才があるのではと伺わせる。クッキーのダンスの動画、DSCN2058 をみてほしい。キアンも幼児の頃はダンスが大好きで皆をわかせたが、先日のPRAのパーティでも披露した様にキアンのダンスには一味違うものがある。キアンが2歳のころ、他人の誕生日で見せたダンスの動画を見て欲しい。CIMG2453 乳児から幼児の雰囲気を持ち始めたクッキー 一方、息子の息子のリオ君は、4ヶ月目に入って、いよいよ赤ん坊らしくなってきた。毎朝、おぶ紐を使って、息子に散歩させてもらうのが日課で、この日は日曜なので散歩中に、クッキーの歩き初めにでくわした。クッキーはライバルを興味深げにみつめていたが、やがて息子に手をつながれて安心したようだ。息子の悩みといえば、子守役で同居している嫁の姉さんがリオを溺愛していて、家ではなかなかリオに触れさせてもらえないことだ。幼児期はバンバンと日本語をぶつけて、日本語ネイティブに育てたいのだが、姉さんがタガログ語でバンバン話しかけているので、気が気ではない。日本人として育つか、フィリピン人として育つかの分かれ目だが、バイリンガルという言葉もあるので、目指すのは英語も含めてマルチ・リンガルといったところだろうか。 フィリピンにいる間はリオ君のお散歩が息子の仕事 昨年末以来、どこにでもクッキーを連れ歩くようになったので、クッキーもかなりの刺激を受けたせいがあるのだろう。やることなすことが赤ん坊の域を脱して、幼児になってきている。私が部屋に入っていくと、おいでおいでをして私を呼ぶ。私が、手に何か持っていると、よこせと要求して、興味深げにいじくり回す。取り上げると泣くので代わりを渡すとすぐに機嫌をなおす。何も持っていないと両手をあげて抱っこのおねだりだ。しばらくあやして部屋を出ようとすると、やはり泣き叫ぶ。また、自分で歩くことに喜びを感じたのか、ベッドの上では、介助無しに歩き回って、すっころんでは歓声をあげている。成長することの喜びを身にしみて、噛みしめているようだ。 リオ君を執拗に見つめるクッキー 両親の悩みは、クッキーが非常に乱暴なことだ。キアンがあやそうと近づくと張り手を食らわし、髪をつかんで離さない。教会に連れて行くと、近くにいる同年代の子供に近づいて張ったおす。子供の親がびっくりしてクッキーをにらみ返すと、天使の微笑を返すので、親も思わず微笑んで、一件落着だ。ママ・ジェーンはそんな様子を、はらはらしながら見つめている。キアンが一歳の頃は、ひたすら笑顔でやさしかったのに、顔はそっくりだが、性格はかなり違って気の強い女の子だ。フィリピンでは男は優しくて(マバエット)で、女の子が気が強い(マタパン)のが一般的なのだ。 クッキーも、早々とお姉さん(アテ)になった  

クッキーが遂に歩いた 2018年1月7日



年末は、何のかんのと忙しかったが、一転して正月は、年末の出来事をブログに載せるくらいしかやることがなかった。2日の夕方、ブログを書いていると、突如として、ママ・ジェーンから、クッキーの洗礼式の披露宴を予定しているMAKATI PLACEのCITY CLUBを視察して夕食をとる、との号令がかかって出かけることになった。 MAKTI PLACEは中堅デベロッパーのALPH LANDにより開発された大型のショッピングモールとコンドミニアムの複合施設で、アヤラ・アベニューのはずれブエンディア通りとの交差点近くにある。付近にはRCBCプラザ、The COLUMNなどのコンドミニアムがあり、Makati Fire Station(消防署)の対面だ。そこのThe City Clubという会員制のスポーツクラブのレストランでクッキーの洗礼披露宴を催すという魂胆らしい。 The City Clubのレセプション。周囲に人影はまばらだ 初めての訪問なので、あちらこちら聞きまわって、ようやくたどりついたが、広々としたゴージャスな空間だが、ほとんど人はいない。会員権が本当かどうか知らないが20Mペソ(2千万ペソ)だというから無理もない。数件のレストランが開業していたが、これでは成り立つはずもなかろう。ちなみにジェーンのフィットネス・クラブ(近くのRCBCプラザ内にあって、ジェーンはセクシーな体を取り戻そうと日参している)の友人の紹介だそうだ。その友人は某タバコ会社の社長夫人で大金持ちだそうで、こんな馬鹿高い会員権を買える身分なのだろう。目当てのレストラン(BALESIN)をようやく探し当てたが、客は一人も入っていない。ゆったりとしたレイアウトで、いかにも高級レストランにふさわしい雰囲気をかもし出してはいる。 […]

マニラの正月、クッキーの洗礼式の会場を視察 2018年1月6日


今年は、クリスマスと新年の休みがすべからく土日と重なって、理論的に最も休日の少ないクリスマス・正月になった。そこで、年末も押しせまって、12月26日(火)と1月2日(火)の両方を特別休日とするという大統領令が発行され、それぞれ4連休となった。しかし、これは官庁と学校だけであり、民間企業は、それぞれの会社の判断にゆだねられるとされた。 12月23日(土)通常の休日 12月24日(日)クリスマスイブ(祝日) 12月25日(月)クリスマス(祝日) 12月26日(火)特別休日 12月30日(土)リザールディ(祝日) 12月31日(日)おおみそか(祝日) 1月1日(月)正月(祝日) 1月2日(火)特別休日 例年、クリスマス・正月はビコールの農場に帰るのが慣習となっており、マニラを2週間くらい留守にすることが多かった。キアンも昨年のホリーウイーク以来の農場行きを楽しみにしていた。しかしながら、ママ・ジェーンは、今年はマニラでおとなしくしている、と宣言した。原因は、田舎に帰ると、姻戚一同に大盤振る舞いをしてやる必要があり、昨今の業績不振でその原資がないということらしい。私としては、たまには農場を視察しなければならないと思うのだが、一人で農場ですごすのも辛いものがあり従うしかない。せめてキアンと二人で行きたいとも主張したが相手にされなかった。 マニラにいたらいたで、クリスマス4連休のあと、27、28、29日の平日は、お二人のビザの発行、SRRV申請者の準備、不動産の移転登記依頼、BOCの再認定に関わる準備、銀行ATM交換など、意外と多忙だった。そして、年末年始の4連休は、一転して暇でブログに専念することになった。 我が家の大晦日のご馳走は鉄板焼肉、材料費は500ペソ程度だそうだ、とにかく料理をしなくて良いので手間がかからない 一旦、夕食を終え、夜の12時、再度年越しの食事をとるというのだが、もし私が寝ていたら起こさないでくれと言って部屋にこもった。テレビでは時差のため、ちょっと早めの紅白をやっていた。もともと紅白には興味はないのだが、NHKしか映らないから、選択の余地はない。それよりも、「朝青龍を押し出したら1000万円」に興味があった。スマホで見ようと思ったが有料サイトなのでかなわなかった。朝青龍は日馬富士の暴力問題で最近再び脚光を浴びているが、あの強い横綱の土俵をまた見たいと思う人は多いと思う。朝青龍にせよ日馬富士にせよ、格闘家が暴力問題で追放されるなんて、なんとも解せないところがある。格闘家の頂点に立つものであれば並みの上品な性格を持ち合わせているはずがあるまいと思うのだが。 正月の飾り物は丸い果物と現金、中国風だ 一方、この夜、私が集中していたのが、YAHOOメールのパスワードの回復だ。とにかく、これがわからないと、スマホでYAHOOメールにアクセスすることができない。先日、ためしに入力した連絡用メールアドレス、japandesk@pra.gov.phがOKであったので、ハッキングではなくて、単に私がパスワードを忘れた、という確信があった。それで、思いあたるペットの好物やパスワードを繰り返し入力した。そして、私の新生銀行のインターネット・バンキングで使っているパスワードをいれたら、いつもの「入力したパスワードが違っています」が表示されず、次に進むことができたのだ。おやっと思ったが、苦節一年、ついにパスワードを見つけた瞬間だったのだ。しかも普段使っている別の自分のパスワードという、おでこにつけたメガネを探していたようなものだ。いずれにせよ、声を張り上げたいくらいにうれしかった。 […]

マニラの大晦日 2018年1月2日