住居情報


本ゲストハウスはオーナーの意向により、2014年7月を持って閉鎖することになりました。長い間ご愛顧いただいてありがとうございました。 タガイタイといえば、マニラ近郊随一の別荘地帯で、マニラッ子のあこがれのリゾートだ。先日、美人女子学生を案内して訪問した折、UKさんから自分の家をパスコ専用のゲストハウスと利用してはどうかとの提案があった。 タアル湖の眺望とマホガニーマーケットはタガイタイの顔だ UKさんの家はタガイタイのメインロードからアギナルドハイウエイにちょっと入ったところのビレッジにある。タアル湖を望むというわけには行かないが、 閑静な住宅街で、ほとんど冷房もいらない涼しさだ。4LDKの大きな新築の家だが、お一人で住むにはちょっともったいない。そこで、ビザを申請して待機中 の退職者に、しばし体験ステイとして利用してもらってはどうかというのが趣旨だ。 UKさんのお宅の外観とダイニング 広めの庭には野菜畑もある 2階のベランダ付の部屋がゲストの利用には適している。大き目のワンルームだが専用のトイレもあり、大人二人と子供二人程度の家族で利用できる。もちろ んお一人でもOKだ。朝夕の食事の提供とタガイタイの案内もかって出てくれている。期間的には一日でもOKだが、長くて1週間程度。 2階の客室のベランダ 寝室とタガイタイ名物のパイナップル 料金としては朝夕の2食とタガイタイの案内込みで一泊3000ペソ。同伴者がいる場合は食事代として一人500ペソ追加。空港あるいはマニラまでの送迎については、送り、迎え、それぞれにつきガソリン・高速代として1000ペソ追加。  ご予約はパスコ・志賀にお願いします。kazutamishiga@yahoo.co.jp ファースト・カム・ファースト・サービスで対応します。

タガイタイで体験ステイ‐パスコ専用ゲストハウスの開設 2011年9月24日


 あの、SMデパートチェーンの子会社のSMDC(SM Development Corporation)がマニラ一体に手がけているコンドミニアム・プロジェクトのひとつ、タガイタイーWINDの現場を訪問した、というよりゲストをタガイタイに案内するついでに建設工事が開始されたWINDのモデルルームを訪問した。ちなみにタガイタイは風が強く、そのため、WINDと命名されたものと思うが、この風が住み易いのか住みにくいのか、見極める必要があるだろう。    かつてSMデパートがメトロマニラにじゅうたん爆撃のように出店したのと同様、マニラの主要地域に大型のコンドミニアムの建設に取り組んでいる。総戸数は数万戸に達するものと推定され、MakatiのJAZZをはじめ、SMモール・オブ・エイシアの脇のSEA、スーカットのFIELD、マンダルヨン・ボニーのLIGHT、などなど10箇所以上が売り出されている。  タガイタイのWINDは、メイン通りのタアル湖とは反対側に広大な敷地を準備し、長いこと造成中だった。今回覗いてみたら、すでに第1棟が2階まで出来ていて、モデルルームがオープンしていた。SMDCのプロジェクトは25m2程度をユニットとして、それ二つつないで50M2程度のユニットにするなど、きわめてシンプルな設計だ。価格はプレ・セール(未完成のものを先行して購入するもの)で250万ペソ程度、平米10万ペソだが、中間層が何とか手が届く範囲に価格を設定しており、昨今の超高額コンドミニアムとは一線を画しているようだ。しかし、このような小型の住まいに住むようになると、核家族化が加速され、フィリピンのよさである強い家族の絆が壊れ、日本が歩んでいるような方向に進むのではないかと危惧される。 WINDの視察の後は、定番のタアル・ビスタ・ホテルの展望台へ向かった。この日、タアル湖はかすんでいてよく見えなかったが、右奥に何か店がたくさん出ているので覗いてみると、そこには家庭で作ったと見える手作りのお土産がたくさんおいてあった。手作り石鹸も色々あって、ひとつ50ペソくらいで買い求めた。そろそろランチタイムだったが、ホテルのビュッフェの豪華な食事は遠慮して、ローカルのレストランに行くことにした。しかし、ここのレストランも観光ブームのせいかほとんど満員だった。     次も定番のマホガニー・マーケット。地元の果物や野菜、それに牛肉が名物だ。特にパイナップルの収穫のシーズンとあって、山のように積まれていた。大が3個、中が4個、小が5個でで100ペソとマニラの半分程度の値段だ。それに完熟もぎたてのパイナップルは格別の味がする。この日、私は小5個100ペソを、6個にまけさせ、300ペソで18個買い求めた。それに大根が1kg、35ペソを3kgで100ペソで買った。パイナップルはバナナ、マンゴと並ぶ三大熱帯果実で血液さらさら効果など注目の果物だ。一方の大根はフィリピンでもシネガンなど大変役に立つ野菜で、フィリピンの大根は小さいので、20本程度あった。  次が今回のもうひとつの目玉、トロトロ・レストランでの食事だ。ローカルを味わいたいとのゲストの希望で、マホガニー・マーケット内のレストラン街を覗いてみた。レストランといっても出来合いの料理を屋外の席で食べるもので、料理の種類はあまりない。しかし、これがフィリピン庶民の食べ方だ。  しかし、ここはある程度観光地化していて、客はほとんどマニラから来たフィリピン人だ。だから若干高くて、3人でビールなども入れて、700ペソほどだった。タガイタイのフィリピン料理の名物はブラルーという牛の骨と筋肉を煮込んだスープで、クリスピー・パタやチキンのから揚げと並んでフィリピーノの大好物だ。確かにおいしいそうだが、糖尿病の私には食べすぎが怖い。しかし、案外野菜もたくさん入っていてゲストには好評だった。    最後に、マホガニーマーケットのすぐ近く、ロビンソンが手がけるコンドミニアム(ウエリントン・コートヤード)に寄ってみた。ここは即入居可能なユニットもあるが、少々中に入っていて、タアル湖の景色も見えず、SMのWINDと比べて、食指が動きにくい。価格は平米6~7万ペソで、割安だが、設備や間取りはいかにも一昔前のつくりで見劣りする。しかし、実を取るという人にはお買い得なコンドミニアムといえるだろう。  

タガイタイのSMDCプロジェクト視察 2011年3月20日



アンヘレスに行くたびに常宿としているのがアメリカ・ホテルだ。歓楽街で有名なフィールド・アベニュー沿い、マッカーサー通りと韓国街の中間、SMクラークの対面に位置する。歓楽街まで歩いて10分程度と立地も良い。すぐ隣に、良く目立つABCホテルがあるので、それを目当てに探すと良い。ここの宿泊代は税込みで1150ペソ~1570ペソと他に比べて500ペソほど安い。それでも予約無しでいつ行っても泊まれるという私にとってはすこぶる都合の良いホテルだ(ただし、バレンタインの前々日はさすがに満員だった)。このアメリカ・ホテルの宿泊代の差は部屋に冷蔵庫があるか、ベッドがキング・サイズかクイーン・サイズかの差ぐらいで、一番安い部屋に泊まってもほとんど変わりない。ちなみに宿泊代は二人で泊まった場合の料金で3人以上の場合は追加をとられる。また、一人で泊まったとしても値引きはない。 ホテルの中庭には大きなプールがあって、レセプションも広い。しゃれたレストランも洋食、中華、フィリピン食とメニューが豊富で安い。一番下の写真の食べかけのクラブ・サンドイッチも100ペソ程度だ(比日米の旗もしゃれている)。部屋の写真は無いが、古いホテルのせいか通常のホテルの2倍近い広さでとてもくつろげる。しかも充分清潔だ。ただし、4階建てでエレベーターはなし、朝食はつかず、インターネットはレセプションで使えるだけだ。一方、レセプションやレストランの従業員はとても可愛くて親切だ。 何故、こんなホテルが安くてしかもいつも空いているのだろうか。それには秘密がある。お化けが出るといううわさがまかり通っているのだ。だから、ここいらのバーで働いている子はこのホテルに泊まるのを嫌がる。昔、女の子がこのホテルで殺されたことがあるというのだ。例えそうでないとしても、一般にフィリピン人はこのホテルの陰気な感じ(当方にはクラッシックと移るが)を嫌う。それに大きな部屋も不安に感じるようだ。彼らは狭い部屋に皆で寄り添いあって寝るのが安心なのだ。 ここに泊まるとき一つ注意しなければならないのは、道路側の部屋は取らないことだ。24時間営業の歓楽街に近いとあって一晩中、ジープやトライシクルの騒音で眠れないだろう。  

アンヘレス、アメリカ・ホテルの紹介 2011年2月17日


熱気気球見物にアンヘレスに入った際、常宿のアメリカホテルは満員で、いくつか当たった他のホテルも満員、仕方なくDAUバスターミナルのすぐ隣の SOGOに泊まった。しかし、ここも30分ほど待ってようやく泊まることが出来たが、12時間で819ペソと他のホテルに比べて格安だ。  この日はバレンタインデイの前々日の土曜と会って、昼間から満員の盛況だったそうだ。ガレージ付の部屋と一般の部屋があって、1階がガレージ付、4階建てで全部で125室もあるそうだ。入り口は駐車場に入るようで、一般のホテルに比べていかにもわびしいが、レセプションは普通の3流ホテルよりましだ。ただ、大きな待合室がいかにもモーテルらしい。バレンタインデイが近いとあってバラで作ったハートがいかにもと言った感じだ。 部屋は小ぶりだが、清潔でこじんまりしていて、寝るだけの目的には充分だ。ルームサービスも充実していて、格安のアメリカホテルが、1150ペソ、普通のホテルは1500ペソが相場だから、ここはその半額程度で一晩寝れるのだから超格安といえる。 料金表は金~日曜の価格だが、平日はもっと安いそうだ。予約は全く受け付けず、First Come First Serviceだが、少し待てば泊まれるので、問題ない。この日は旅行者風の韓国人も空きを待っていた。SOGOは首都圏を制圧し、パンパンガやセブに進出し、さらにバギオ、ダバオと全校制覇に野望を抱く、すでに23ヶ所のホテルを経営し、最も成功した日本人の一人と言えるだろう

ホテル・モーテルチェーンSOGOの大躍進(その2)2011年2月16日



2014年2月1日追記 3年前、コンドミニアムの建設ラッシュについて報告した。これらは投資マネーの流入によるもので、実需を伴わないバブルの兆候ではないかと警鐘をならした。そして3年たった今、それらのプロジェクトが完成し、入居開始となっているが、賃貸用の空室が大半を占めているようだ。一方、コンドミニアム建設の槌音は相変わらず衰えないが、空き地のまま着工を見合わせているプロジェクトも目立ってきている。かつて隆盛をほこった販売エージェントも売れ行きが鈍化し苦戦しているようだ。 2014年1月11日のマニラ新聞の一面では、「不動産投資評価で躍進」と題し、アジア太平洋域内23都市の不動産投資・開発の見通しに関する報告で、マ ニラ首都圏は東京、上海、ジャカルタに続く4位となり、前年の12位から大きく順位を上げた、と報じていた。さらに、コンドミニアムや商業用施設では域内一 位、オフィス物件では2位にランクされたそうだ。一方では小見出しで「バブル予兆裏付け」とも位置づけていた。 今は、こんな風にはやし立てられているが、皆が皆、儲かるといい始めたらもはやピークで、あとは下るしかないのが、バブルというやつだ。販売エージェントは相変わらず、いいことだけを並べ立てているが、尻に火がつき始めていることは、百も承知の上だろう。フィリピンあるいはマニラに暮らしているものにとって、現在のコンドミニアムの相場がいかにきちがいじみているか、火も見るよりもあきらかなのだから。 完成間近のSMDC開発の巨大プロジェクトJAZZ、マカティ最大の商業、コンドの複合プロジェクトだ 以下、2011年1月28日記載 今マニラは、まさにコンドミニアムの建設ラッシュだ。マカティだけでも数えられるだけで20件、計画中のものまで入れれば30件はくだらないだろう。したがって、マニラ全体では100件を下らないだろうと予測される。作るからには売れる見込みがあるわけで、この旺盛な需要は一体どこから来るのだろうか。一昨年の9月のマニラの北、マリキナを中心とした洪水に懲りて、冠水の心配の無いコンドミニアムに需要が集中しているという理由だけでは説明がつかない。海外出稼ぎフィリピーノ(OFW)が買っているというが、それにしても限度があるだろう。 (高層化から取り残された感のあったパサイロード付近は今、高層コンドミニアムの建設ラッシュ。写真に写っている高層ビルのすべてが建設中のコンドミニアムだ) (スカイ・ウエイから眺めたマカティ市。ここ十数年の間に見違えるように高層化したが、右側にとりわけ目だっているのがアヤラが開発した最高級コンドミニアム、ザ・レジデンス・グリーンベルトだ) (マカティの北の新興都市、ボニファシオ・グローバルシティは、かつての国軍の基地が民間に払い下げられ、ここ10年で出来上がった近代都市だ。右の写真はボニファシオの中心街マーケットマーケットの前にアヤラが開発中のコンドミニアム群のセレンデラで、数十棟のコンドミニアムが建ち並ぶ) アヤラ、フィル・インベスト、メガ・ワールド、シティ・ランド、フェデラル・ランドなど老舗のデベロッパー以外に、デパート・チェーンのSMやロビンソン、建設会社最大手のDMCI、果ては食品業界の巨人サンミゲルなどもこのコンドミニアムの開発に乗り出している。まさに作れば売れる、売れるから作るの様相を呈しており、儲かりそうだというので、猫も杓子もコンドミニアムの開発に乗り出しているようだ。   (パソンタモとパサイロードの交差点近くに開発中のBEACONのユニットは25~50平米と小型で、価格は10万ペソ/m2程度。一棟目の骨組みが完成した時点で、すべて売れきれ、現在は2棟目を販売中だ) […]

マニラではコンドミニアム・プロジェクトが目白押し 2011年1月28日(2014年2月1日改定)


7月29日から31日まで開催されたPhilippine Real Estate Festival 2010を見学した。場所はモール・オブ・エイシアのあるマニラ湾の埋立地で、大きな会場には数え切れない住宅のデベロッパーが集合していた。しかし、業 界大手のアヤラコーポレーション、メガワールド、フェデラルランド、シティランド、SMDCなどが見当たらなかったので、メトロマニラ周辺の開発案件の半数程度が出展されているものと推定される。        入り口にはサンミゲルの名前をかぶせたジオラマが飾られていた。あの食品業界の巨人、San Miguelよ、お前もかといったところだ。なぜなら、最近目に付くのが異業種からの住宅開発への参入だ。SMシューマートはマカティを初めタガイタイ、 オルティガスなどに大型の開発を進めている。建設業界の雄、DMCIも他人の儲けのために建設工事を請け負って必死に頑張るよりも自らが販売まで手がけて 大きな利益を手にしようという魂胆だ。  かなり広い会場だったが、平日のせいか人出は少なく、各ブースの係りの人の方がはるかに多かった。ブースに飾られた物件は、ほとんどが高層のコンドミニア ムで、メトロマニラのあちらこちらに建設中のコンドミニアムを売り込もうというだろう。しかし、これだけの数のコンドミニアムを建設していて、果たして勝 算はあるのだろうか。入居者が集まらず、ゴーストタウンになってしまうことはないのだろうか。  たしかにメトロマニラには数百万人もの人々が住居とも呼べない、狭い、汚い、危険なところに住んでいる。名物のスコーターには一人一畳もないところで […]

フィリピン不動産フェアを見学 2010年7月30日



私の住まいはマカティのはずれ、パソンタモから少し入ったサン・アントニオ・ビレッジの一角のマカティ・プライム・シティ・コンドミニアムで、パーム・ タワー・コンドミニアムと隣接し、高層、低層そしてタウンハウスの建物が10数棟建ち並ぶマカティでも有数の集合住宅街だ。このほどわけあってこの住宅街 にある3階建て延べ床面積200平米のタウンハウスの取引に関わることになった。  一階は駐車場とリビング、2階がダイニングとキッチンそしてマスターベッドルーム 、3階にはベッドルームが3室、さらにバス・トイレが全部で4つあり、ちょっと古いタイプの大型の住居だ。現在建築中のコンドミニアムは、ほとんどが25 平米あるいは50平米、大きくても100平米を超えることはない。それは新築コンドミニアムの平米単価が10万ペソ近くになり、100平米なら1千万ペソ (2千万円)となってしまい、とても庶民の手が出る範囲ではなくなってしまった。25平米~50平米の小さなスツジオあるいは1ベッドルームなら250 万~500万ペソで、なんとか住宅ローンが組める範囲なのだ。  マカティの中心街を外れるこの付近の中古コンドミニアムは平米単価が5万ペソ程度で、50平米程度のものが200~250万ペソで手に入る。したがって、 新築にこだわらなければ半値以下のお買い得で、人気がある。一方、200平米となると、そのままの単価を適用すると、1千万ペソとなってしまい、買う人は いない。そのため、平米単価はぐっとさがり、今回ハードなネゴにより、400万ペソで取引が成立した。平米単価は2万ペソでかなり有利な取引となった。し かし問題はこの取引に関わる税金だ。 ちなみに不動産の取引には下記の税金がかかる。 1.  キャピタルゲインタックス(Capital […]

コンドミニアムの路線価格の怪 2010年7月27日


メトロマニラの中心であるマカティはここ15年ですっかり高層化され、国際都市の仲間入りをしている。これらほとんどの高層ビルは1990年代後半に建設されたものだが、これら近代的なビル群は鉄筋コンクリート製で、日本のように鉄骨ないし鉄骨鉄筋コンクリート製のビルはほとんどない。  マカティに建てられた最初の高層ビルはマカティ・アベニューとブエンディア通りの角に建っているパシフィック・スタービル(左下写真)で1989年に完成した。これだけは鉄骨製だ。さらに最初の高層コンドミニアムが同じごろアヤラ・アベニューに建設されたパシフィック・プラザ(右下写真、左側)で、このころは海外の設計者のデザインによるものが多く、多分鉄骨製だろう。その後、DMCIなどの大手建設会社が鉄骨製の設計に対して鉄筋コンクリートがはるかに安いと設計変更を施主に提案し、鉄筋コンクリート製の高層ビルが定着していった。 何故鉄筋コンクリートが安いのか。フィリピンに製鉄所はないから鉄骨はすべて輸入される。一方、セメント、砂利、砂はフィリピンで調達できる。それに人件費が安いから現場で手間暇のかかる鉄筋コンクリートの方がはるかに安く上がる。しかも、マカティの地盤は日本の都市のようにふわふわな粘土の沖積層や比較的固い砂利層の洪積層ではなくて、まるで岩盤のような、いわば砂岩のような地層だ。だから地震があってもあまり揺れず、重量の大きい鉄筋コンクリート製のビルでもしっかり支えてくれる。かつて自社ビルを建てた折、たったの数メーターの深さの地盤をバックホーで掘削していたら火花が出たくらいだ。数十メートルの掘削も土留め無しで掘っているし、マカティで杭を打っているのを見たことがない。ほとんどすべてのビルの基礎は直接基礎で基礎工事が極めてシンプルだ。  今、マカティは再びビルの建設ラッシュだが、ほとんどのビルはコンドミニアムだ。私の事務所があるパソンタモ通りを南に下り、パサイ通りを左に折れて、ドーシットホテルに向うビル街の外周コースを歩くと、交差点ごとに高層のコンドミニアムが建設中だ。そのすべてが鉄筋コンクリート製なのだ。   鉄筋コンクリートはご存知の通り、階ごとに柱や梁の鉄筋を組んで、支保工と型枠をつくり、コンクリートを流し込んで出来上がり。それを繰り返し、上へ上へと上がっていく。日本のように一気に鉄骨を組み立てて、あっという間にビルの骨格が出来上がるのと違い、極めてのろい。しかし、上層で骨格を作っている間に、下層階は仕上げに入っているなど、並行して工事が出来るの、建設期間はそんなに差がない。また、さほどの重量物を運ぶ必要が無くて、タワークレーンもちゃちで、いまだにT字型のクレーンが主に使われている。  コンクリートの柱、梁、床の骨格が出来ると、壁はほとんどの場合ブロックで作る。ブロックは安いし、断熱、遮音効果もあって、中々優れた材料だが、重くて手間がかかるのが難点だ。しかし、地盤が良く、手間賃の安いフィリピンにはぴったりだ。それに現場で積み上げていくので、どんな形でも自由自在に作れて、精度の心配もない。だから実石さんの作るブロックが飛ぶように売れわけだ。 マニラの高層ビル群を眺めてみると、ここ15年の様変わりに感心する。写真下の中央がシャングリラホテルで、後方がサルセド・ビレッジ及びレガスピ・ビレッジでマカティの高層ビル群の中心地だ。左隅の低層ビル街はコマーシャルエリアでデパートやモールだ。右の写真はアヤラ通り沿いに立ち並ぶ高層ビル、手前はマカティ・メディカル(病院) マカティの東、かつての軍の基地を払い下げて開発中のフォート・ボニファシオ・グローバル・シティのビル群。2000年代の開発の目玉だが、急ピッチな開発のために空室が目立ち、値下がり傾向にあるそうだ。右の写真の手前は名門マニラゴルフ。マカティとフォートに挟まれ、都会の一等地にあるゴルフ場で、値下がりが目立つゴルフ会員権の中で、ここだけは高値を堅持しているそうだ。 さらにマカティとフォートの間には広大な高級ビレッジのフォルベス・パークとダスマリニャス・ビレッジが広がる。大使公邸や商社の支店長、そしてフィリピンのお金持ちが住む別天地だ。右の写真はマカティに続く高層ビル群のオルティガスだ。ここは、写真手前のアジア開発銀行を囲むように1990年代後半、瞬く間に高層ビルが建ち並んだ。

マニラの高層建築は鉄筋コンクリート製 2010年3月14日



マニラから約100km北方にあるアンヘレス市/クラーク、そしてオロンガポ市/スービックは、米軍の撤退後、広大な敷地を政府が管理し、特別経済区として発展を続けている。特にスービックとクラークを直結する高速道路(SCTEX)の開通はこの地域の発展を保証するものだともいえる)。   アンヘレス市に隣接するクラーク特別経済区は元空軍基地なので、広大な空港を擁している。韓国などからはすでに直行便が運行されており、近々日本からも直行便が運行される計画があるそうだ。さらに将来、マニラ国際空港がここに移転され、現在のマニラ国際空港はドメスティック専用になるという計画もあるそうで、クラークがフィリピンの入り口になるのも、そう遠くない将来、実現するかもしれない。また、クラークの入り口には広大なSMモールも営業しており、買い物には不便しない。ゴルフ場も3コースもあり、ゴルフ三昧という生活も可能だ。  一方、オロンガポ市に隣接するスービック特別経済区は1990年代初頭から開発が開始され、元海軍基地ということで港湾も整備され、外国資本による工場やリゾートとして発展してきた。ここには、オーシャン・パーク、動物園、海水浴場、ゴルフ場、ヨットハーバー、などの遊び処、ホテル、病院、デューティフリーショップ、空港、港湾など生活に必要なすべてのインフラが整備されており、フィリピンの中の外国ともいわれ注目を浴びている。  今回、一家で移住を計画している44歳の若夫婦と子供、そしてお母さんの4人のご一家を案内して、アンヘレスとスービックを訪問した。そして、将来の生活設計の参考に、私にとってなじみの深い住居を案内したので、その概要を報告する。もし興味がある場合、当方に連絡してもらえれば、訪問等のアレンジをするが、直接コンタクトをする場合は、PASCOのブログを見たと伝えてもらえれば親切に対応してもらえるはずだ。 1. Herencia De Julieta Villas-サンフェルナンド市   アンヘレス市の南境、サンフェルナンド市にある小型のビレッジだが、ここに日本人退職者の方が住宅を建設し、そのお世話をした関係でたびたび訪れた。。土地が200m2程度で少々狭いが、延べ床面積は駐車場も含めて200m2ほどと大型で、これを約1000万円で手に入れることができた。昨年の6月建設に着手し、今年の1月予定通り完成並びに引渡しを行い、何のトラブルもなく、ご夫婦で快適な生活を送っている。  周囲はすでに7~8割の敷地に家が建っており、美しい街並みを形成している。通常、この程度の敷地面積の分譲地では、フィリピンの一般の人が住み、環境が著しく損なわれることが多いのだが、ここはデベロッパーが住居の建設まで行い、一定の販売価格を維持しているために美しい環境を保つことができている。マニラ周辺でも高級ビレッジは多数あるが、敷地が1000~2000m2と広大で、とても手の出るものではない。したがって、ほどほどの価格でかつこのような環境の良いビレッジは希少とも言える。   この退職者の家のはす向かいに、建売の住宅が販売中だ。少々広めで、価格は約1400万円となっている(家具類は別途)。ここ数年の異常な建設資材の値上がり、完成物件であること、などが影響して高くなっているようだ。1階はリビング、ダイニング、台所、そして客間が配置され、2階にはマスタベッドルームと子供用寝室2つ、それにファミリー・リビング・ルームがある。トイレは1階に二つ、2階に二つ、合計4つある。プライバシーを重んじるフィリピンではこれが普通だ。高級ビレッジの床面積が300~400m2もある住宅では、各寝室にバス・トイレがあるのは普通で、メイド部屋まで入れると一軒の家に7~8つのトイレがあるのはざらだ。今回は家具類も設置されモデルルームとして公開されていたので、イメージがつかみやすかった。これが日本だとしたら、1億円出しても手に入れることはできないだろう。ここに住んでいて、日本からお客さんが来たら、ため息をつくことは間違いない。 2.フレンドシップクラブ–アンヘレス市   フレンドシップ・クラブは以前このブログでも紹介したが、タイムシェアリング方式の会員制リゾートクラブだ。 この日はたまたま、退職者の方を伴ってオーナーの根本さんが訪問されていた。根本さんは現在、日本でITの会社を経営する現役で、来年にはフィリピンでの生活を開始しようとしている。奥さんはフィリピン人なのでここに永住されるおつもりだ。    根本さんの話によると、会員でなくても数日~1ヶ月程度の体験ステイを受け付けているので、フィリピンに移住しようと計画していたら、是非ここにしばらく滞在して、フィリピンになれてほしいという。初めからフィリピンで単独で生活しようとしても、何もかも違うフィリピンではまごついてしまい、取り返しのつかない失敗をすることも多い。ここで日本人を含むスタッフに囲まれて、ゆったりとスタートすることが肝心で、そのためにはフレンドシップクラブは最適だということだ(フレンドシップクラブの詳細はhttp://www.tecb.co.jp/friendship/参照) […]

アンヘレス、スービックに暮らす(物件紹介)2009年8月31日


  フィリピンでは家のオーナーが材料を調達して、工事を請け負った工務店あるいは直庸の親方に材料を支給して家の建設をすることが多い。あるいはコンクリートなどの躯体工事は材料込みで発注し、設備及び内装などの仕上げ材料はオーナーが支給して、工事だけを請け負わせることもある。このほうがオーナーの好みを反映できて理屈にかなっていると思う。したがって、フィリピンでは日本のDIYなどとは比べものにならないほど設備や建設資材を売る大きなショップが、全国いたるところにあり、業者もそのような店から資材を調達する。  このようなショップをハードウエア・ショップと呼ぶが、オーナーはほとんど中国人で、チャイナ・タウンには建設資材や工具を売る店が軒を連ねる通りがあり(Theodora Alonzo St. 英雄Jose Rizalの母親の名前をとっている)、格安で買うことができる。ハードウエア・ショップで財をなした中国人も多く、地方の都市で目抜き通りに大きな店を構えているのは、ほとんどが中国人が経営するハードウエア・ショップだ。   マカティ市パソンタモ通りのマカティ・スクエアの近く、ウオルター・マートをちょっと南に下ったところにウイルコンというショップがある。間口と奥行きが100m位ある大きな店で、ほとんどありとあらゆる建設資材がおいてある。  入り口付近は床のタイルとトイレ設備が並び、タイルとともに天然石の床材もあるが、60cm角で1000円程度と安い。ほとんどが中国からの輸入品で、タイルもフィリピン産のものより、中国産のものが安いようだ。  最近はフィリピンでもウオシュレットが普及しつつあり、TOTOのウオシュレットも、果たして買う人がいるのかと思うくらいの高価格で売られている(10 万~15万円程度)。ジャグジも多く、こっちは10万円程度からと安いが、これら豪華な浴槽を見るとフィリピンのお金持ちの私生活を伺うことができる。   店の奥に入っていくとドアや壁材、照明等が並ぶ。さらにその奥は蛇口やシャワーなどの水周りの器具、ペイントなども山のように並んでいる。昨今のマンションブームを見ても、これら住宅建設資材の需要は留まることを知らないようだ。

住宅建設資材を買うならウィルコン 2009年8月25日