提言・提案


キアンのレゴへの執心と息子のアドバイス、さらにヤフーメールのニュースで、レゴの組みたてが子供ばかりではなくて、コロナ禍のおり、自宅で遊べる大人の趣味として、ブームになっているとの記事を読んだ。そこではランボルギーニ「シアン」が紹介されており、ブロック数が3691個、対象年齢が18歳以上、ただし価格は5万円程度とまさに大人向けだ。毎日挑戦しても一週間、ゆっくりやったら一月程度はかかるだろうか。まさに、暇つぶしと脳の活性化にはうってつけだ。参照ブログ 待望のレゴが到着した 2020年9月2日 そんなわけで、まずは、ニッサンGTR、2000ペソ(純正品、ブロック数298個)をオンライン・ショッピングのShopeeに注文した。2~3日で配達されたが、キアンとの共同作業で、たったの2時間で終わってしまった。レゴ・マスターを自認するキアンの役割は私の指導員ということなのだが、私の隣で、口や手を出して、うるさくて仕方が無い。よほど私がのろまにうつるのだろう。それで、交代に組み立てることにしたら、そのスピードに舌をまいた。一体、考えているのだろうかと思うくらい、ブロック探しと、組み立てが、解説書を見ながら、同時並行して進んで、瞬く間に組みあがる。私の数倍の早さだ。 この原因は、どうもピアノのレッスンにあるようだ。楽譜を見ながら、鍵盤をたたいて、音をきいて補正するという作業を、連続かつ高速で脳をフル回転させなければならないピアノのレッスンの賜物なのだ。いわゆる頭の回転の速い子に育ってきているということなのだが、これはまさに思惑とおりだと、一人ほくそ笑んだ。 次にオーダーしたのが、Compatible(相当)と書いてある中国製の模造品だ。模造品は純正品に比べてとにかく価格が安い。三分の一から五分の一程度、しかもほとんどのレゴ製品のコピーがある。見てくれは同じだが、キアンは部品が足りないなど質がおちるので、きらいだと言って、興味を示さない。しかし、金を出す私に身になってみれば、この価格は魅力で、多少のことなら我慢できる。とにかく試してみて、だめなら純正品で行くということで決めた。 そういうことで、少しグレードの高いスポーツカー、ブロック数728個、価格1383ペソの模造品を注文した。しかし、中国から取り寄せるということで、2週間以上かかってしまい、その間の場がもてない。そのため、キアンの勧めで純正品も試しに買うことにした。たまたまハーレーダビッドソン(ブロック数1023個)が通常、1万ペソが6400ペソ(40%引き)で出ていたので、飛びついた。こちらはマニラに在庫があるので、2~3日で到着する。さらに、パパ・カーネルの愛車、Toyota FJ クルーザー(1631ペソ、ブロック数999個)の模造品を見つけたので、合わせて注文したが、これも2週間かかる。どうも模造品は、マニラにおいておくと当局に根こそぎ没収される恐れがあるので、マニラには置いていないのだろう。 模造品のスポーツカーと純正品のハーレーダビッドソンがほぼ同時に配達されたのだが、キアンのたっての願いで純正品のハーレーダビッドソンから組み立てを開始した。ステップごとに私とキアンで交代で組み立てたのだが、対象年齢は16歳となってはいるが、10歳のキアンはやる気満々で、待っている間もすぐに口と手を出してくる。ちょっと別件の仕事が入ったので、その間、キアンにやらせておくと、瞬く間に進んでしまい、私というよりほとんどキアンが組み立てたと言えるほどだ。途中、3回ほどつまづいたが、私と共同でなんとか克服して、一日2~3時間、3日ほどで組み立てが完成し、キアンは大満足だ。 次に挑戦したのが模造品のスポーツカーだ。これについては、キアンは、はなから全く興味を示さず、応援を頼んでもそっぽを向いている。まず、ブロックが組み立ての順序に小分けしていないで、ごそっとまとまっている。そのため、ブロックを探すのに手間がかかるので、ブロックを、形、大きさ、色等で仕分けして、プラスティックのトレイに分類した。この作業が、面倒だとキアンは参加しない。こうしておけば、組み立て中にブロック探しに時間が節約できると言っても、組み立てに直接寄与しないせいか、やる意義を見出すことができないようだ。 先日の「チコちゃんは知っている」でやっていたのが、何故学校で数学を習うのか、という興味深い話をしていた。四則演算、分数、小数点等の小学校で習う算数は生活に必要な計算能力を養うものだ。しかし、中学校からの数学、方程式、因数分解、微分積分、、、が社会に出て役立つのは一部の専門家でしかない。しかし、チコちゃんは、論理的な思考や行動を養うのに大いに役立っているのだと言う。このレゴ・ブロックを同じ種類ごとに分類するという作業は、チコちゃんによると因数分解の応用で、数学を通じて得た論理思考だというのだ。 多くのフィリピン人は、小学校の四則演算、分数・小数点でつまずいて、ハイスクール卒業までのあいだ、数学には目を閉じてそっぽを向いてすごす。現代社会では四則演算は計算機がやってくれるし、数学なんぞ労力をそぐ必要ないと思っているらしい、というか、数学などはちんぷんかんぷんで手に負えないのだ。しかし、これこそが、フィリピン人と付き合っていて、その発想になにか違和感を感じる原因ではないか。数学を避けて生きているために、論理的思考が未熟なのに違いない。要は、井戸端会議的発想でことを進めようとする人が多いのだろう。 レゴに話題を戻すと、模造品のスポーツカーはキアンがそっぽを向いているために単独で挑んだ。キアンのようにレゴ・マスターでない私は、じっくりと、ありあまる時間をかけながら進めて、それなりに楽しかった。まず、出くわしたのが、足りないブロックがあったことだ。これは、ダンボールに一箱も溜まっているブロック群から探して事なきをえた。 次の問題は、ドアやフロントグリルなどのパーツを組み立て終わって、本体に取り付けるときに、強く押すと、他の部分が外れてしまったり、組み立てたパーツからブロックが外れたりして、後戻りが頻発し始めたことだ。順番に組み立てきて、それが壊れると、元からやり直さないと訳がわからない。そのため、一つの作業を10回以上繰りかえさなければならない羽目に陥った。インターネットで調べてみると、この辺がレゴがレゴであるゆえんであって、純正品はこういう見えない部分に金をかけているから高いのだそうだ。 そうなると、楽しいというより、苦痛であって、なんとか最後までたどり着いたものの、ぼろぼろとブロックがこぼれ落ちる始末で、苛立つことこの上ない。キアンにもダダのいらつき具合は尋常でないと評された。脳の活性化、認知症予防、暇つぶし、キアンへのプレゼントなど、一石3鳥、4鳥を目論んで始めたものの、このいらつきで脳が損傷され、キアンとの関係にも傷が入るのではないかという気がしてきた。 […]

レゴの組み立てに挑戦 2020年9月27日


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マニラで発刊されているPLECOMMという無料週刊誌に毎週「グローバル時代の子育て」という題で、子育てについてのノウハウが連載されている。「習い事が人生を決定付けるほど重要な理由」「やる気を延ばす家庭教育とは」「本気で習い事をしている子は、勉強も本気でやる」「子供を暇にしてはいけない理由」「子供がよい習慣を身につけるには」「コミュニケーション能力を高める方法」等々、目にうろこの記事が続く。元ねたの「全ての子供は天才になれる、親(あなた)の行動で。」(ダイヤモンド社刊)を是非一読したいところだ。 中でも習い事の重要性については、まさにこれだと、唸らされた。曰く、習い事は、何もそれで身を立てる技術を身につけるということよりも、習い事によって培われる「やり通す気力と忍耐」、「達成感と喜び」そして「自分が優れているという自信」が重要で、机に向って勉強しているだけでは決して培われないものである。これは学業にも寄与するばかりか、そしてこの力が将来社会に出たときに発揮され、いわゆる「出来る」人間になるのだ。欧米の世界有数の大学では学科試験のほか、スポーツあるいは芸術の腕前、さらにボランティア活動の実績などが問われ、文武両道が要求される。 キアンが4歳のころ、私がイニシアティブを取って、公文、空手そしてピアノと習い事のオンパレードが始まった。私の狙いは、①公文:数字に滅法弱いのが当たり前のフィリピン人に育ってほしくない。②空手:自分自身に自信と誇りを持つとともに自己防衛力を見につけて欲しい。③ピアノ:音楽は頭の回転を早め賢い子になる、音楽で人生が豊かになる、人に自慢できて自信がつく、そして女の子にもてる、という多目的で、自分がなしえなかったことへのリベンジでもある。 ①公文は やたら宿題が多くて キアンにとって苦悶でしかなく、DNAのなせる業か、挫折した。現在は家庭教師にまかせきりだ。②空手は時期尚早だったのか、キアンの抵抗でギブアップ。代わりに水泳に路線変更をして本人も喜んでチャレンジしているが、いずれ何らかの武道への再挑戦の機会をねらっている。③ピアノは大成功、キアンも毎年一回開かれるリサイタルを楽しみにしている。現在は「エリーゼのために」を聴衆の前で演奏できるようになるのが目標だ。④さらに最近は週一で日本語のレッスンに通わせており、これはおまけだが、先生に言われて日本語のアニメをユーチューブ(英語の字幕付き)で楽しんでいる。 そして最近出会ったのが「グローバル時代の子育て」で、習い事が学校の授業よりも優先される、ないし重要度が高いという情報だ。ママ・ジェーンは学校の試験前や家族の外出などと重なると平気でピアノや水泳を休ませる。不満顔をすると「学校の試験とピアノとどっちが大事なの?」とありきたりの言葉を発する。ピアノのお稽古を単なる私のお遊び相手と思っているらしい。しかし、「グローバル時代の子育て」の教えによると、学業よりも大事なのだと、自信を持って言い返すことができるようになった。「キアンのために今日の試験が何点などということは、どうでも良い、キアンの成長、将来のために必須なんだ」と。 実はキアンにとっては、口うるさいママ・ジェーンと離れて、私と一緒に出かけたり食事をする時間がこの上ない安らぎなのだが、それは決して口に出すわけにはいかない。何故そうなのかはこのブログの後半に述べる。 さらに「グローバル時代の子育て」では「何をなすべきか、具体的な指示はしない」「自主的なやる気が原動力となる」「干渉が多すぎると自信が育たない」「小言や尋問は厳禁」「何でも話せる家庭環境づくりが重要」「親が子供と真剣に向き合うことが基本」などなどと説く。学校や塾で勉強さえして、良い成績さえとっていれば、いい大学に行って一流会社に入って人生の目標が達成できる、と信じている教育ママにとっては耳の痛い話ばかりが続く。会話の無い家庭環境や親の過度な干渉が、子供を木偶(デク)に育ててしまい、社会に出たとき、いわゆる「出来ない」人間になってしまう。 フィリピンの子育てを見ていると、まさに、その真逆を行っている気がする。何しろ子供の一挙一動に口を挟んで思い通りに動かそうとする。言うことを聞かないと罵声と張りピンタが飛ぶ。子供が話しかけても耳を貸そうとしない。子供を枠にはめて、しつけと称して伸びようとする枝を全て切り取ってしまう。その結果、フィリピンの子供達は自分で何も決めることができず、周囲の流れに身を任すだけの自主性の無い大人に育ってしまう。これはパキキサマと呼ばれるフィリピン人独自の習性だ。ただ、工場等で使うにはすこぶる都合の良い性格だが、いったん歯車が狂うと過激な労働組合運動に集団で走るマイナス面もある。 このしつけにキアンは日夜苦しんでいる。ママジェーンの気持ちもわからないではないが、キアンにはほとんど自由がない。やりたいことはすべて悪いことというレッテルをはられて、やらせてもらえない。親の判断基準からすればそうなのかも知れないが、そこには自主性、自信、判断力の醸成などいうお題目が入り込む余地はない。私が口を挟んでも「親のしつけに口をだすな、そんな考えはフィリピン人として通用しない、キアンの将来のためにならない」ときっぱりと釘を刺されてしまう。 だから、キアンは親の前ではとてもいい子で、親の命令や小言に決して反発せず、素直なのだが、私に対してはわがまま放題だ。こんな二面性も社会に出たら必要なのかとも思うが、キアンは「親と一緒にいると緊張して疲れるので、私と一緒にいたい、私と一緒なら安らげる」としみじみと語る。そんなキアンのコメントに、キアンもそろそろ子供時代を脱却して少年になったのだとつくづく思う。

グローバル時代の子育て(キアンのお稽古事)2019年4月22日



肺炎を患って入院して以来半年を経過して、体力もおおかた元へ戻った。そして、去年古希を迎えた今、いつまでも現役でいたいという願いをかなえるために良いものを選んで口にするうちにたどりついた自己流精進料理を紹介したい。 毎朝の食事は体に良いものを求めている間にかなりボリュームのあるものになってしまった 上段左から順に 1.味噌汁:発酵食品の味噌は日本食材の傑作で欠かすわけにはいかない。味噌はなるべく高い本物志向のものを買うようにしている。具はわかめと椎茸で日本食材店で乾燥したものを買いだめしているが、椎茸やわかめが癌予防になるのではないかと期待している。 2.ご飯:ライスは極めて少量で生卵と納豆をかけて食べるが、卵は日本食材店で通常の倍の値段のものを買っている。フィリピン人は卵は生で食べないので、スーパーで売っているものは衛生管理が行き届いていない恐れがある。出来れば自家製の地鶏の卵を食べたいが、それは引退して農場で暮らすようになってからの楽しみにとってある。卵は完全食品の優れものだが、一昔前はコレステロールが多いから一日一個までなどという濡れ衣を着せられていた。ライスは生卵と納豆を食べるためのおかずのような位置づけだ。 3.ダランダン生ジュース:一年中飲めるわけではないが、すっぱいみかんの原種ようなダランダンはフィリピン産で農薬の心配もない。認知症予防に効果があるのではないかと期待して飲んでいる。 みかんの原種のようなダランダンはフィリピン産。そのまま食べるには今一だが、ジュースはすっぱみがあっておいしい 4.豆乳:しばらく忘れかけていたがふと思いついて飲み始めた。ローカル製もあるが甘みや味がついていて飲む気になれず、わざわざ日本製を買っている。いずれは大豆を買ってきて自家製の豆乳を飲もうと思っているが、農場では残念ながら大豆ができない。豆乳を飲み始めてから便通が劇的に改善して、毎朝、欠かさず大量の便が出るようになった。三食欠かさず飲んでいたら、少し腹が出てきたので朝食に限って飲むようにした。 5.日本茶:水代わりにいつも飲んでいるのが日本茶だ。テーブルにはポットにいれていつでも飲めるようにしている。 外で食事を取る時は、定食を取って、数人分の野菜や味噌汁、漬物を一手に引き受ける 下段左から順に 6.粉末ウコン:知り合いから自家製のウコンをいただいて小さじ一杯程度飲んでいるが、今のところこれといった効果は出ていない。個人差があるようで、息子は数日で劇的な効果が出たが、末期癌まで治してしまうというので根気よく飲み続けている。 農場で育ち始めた春ウコンと紫ウコン、約400坪の家庭菜園はウコンで埋め尽くすつもりだ 7.漬物:梅干とたくあん、それに最近はキムチも加えた。日本食の原点の発酵食品で胃腸を整えるという算段だが、梅干とたくあんは日本食材店でも欠かせない人気商品のようだ。梅干のすっぱさに顔をしかめるたびにクエン酸の効果を実感する。 8.納豆:いわずもがなの日本食の傑作だ。納豆の効果を記述すると1ページにもなってしまうが、日本食びいきのフィリピン人も納豆だけは手が出ない。納豆が大好きだったキアンも最近は手が出なくなった。問題は、日本食材店でよく品切れを起こすことだが、それだけ納豆は日本人の食卓には欠かせないということだ。 […]

自己流精進料理(朝食)の紹介 2018年9月2日


ブログへの登場はしばらくなりを潜めているが、相変わらずいつも私と行動をともにしているキアンだ。そのキアンに大いなる試練がやってきた。 今年は新学期が7月から始まったが、キアンもいよいよ3年生だ  先日、親しくしている札幌の退職者の誘いがあり、冬の北海道家族旅行が現実化しつつある。はじめはキアンと二人だけの日本行きのはずだったが、パパ・ママに加えてクッキーまでが付き添うことになって、総勢5人の大旅行となってしまった。パパカーネルの長期休暇取得とキアンの学校休みの都合で、年末クリスマスをはさんで一週間の旅程を組んだ。年末はさぞ航空チケットが高いだろうと検索してみるとエクスペディアでマニラー札幌、往復5万円/人・程度で買えることがわかった。格安とまでは行かないが年末にしてはオンの字だ。しかし、9月10日から運行されるはずのPALの直行便は見当たらず、乗り換え時間を含んで14時間とはいかにも辛い。しかし、2日がかりでゆっくりいけば、乗り換え時間を利用して、韓国、台湾、あるいは東京も見物できるという息子のアドバイスで、結局東京経由で行くことにした。それでも同じ5万円少々だから返って得な気がした。日本に行ったことがないカーネルのたっての願いで往復は早足で東京見物も組み入れることになった。ママ・ジェーンの念願のママ・のぶ子さんとの夕食会も実現するかもしれない。 7月6日PRAの創立記念パーティ、18歳未満お断りのはずだったが、PRAのユニフォームに身を包んだキアンは当然のごとく参加した  一方の私の肺炎での入院をきっかけに家族全員の肺のレントゲン検査を行った折、キアンが結核に感染しているという疑いがあって、予防のために薬を3ヶ月飲むように医者からアドバイスされていた。しかし、キアンは錠剤を飲み込むことが出来ず、液体の薬にしたが、それも血液を飲んでいるようで気持ちが悪いとどうしても薬が飲めないでいる。一見、まったく健康で、そんな心配はないと思うのだが、医者は執拗に繰り返して、鉾をおさめない。そんな心配を抱え続けるのもいやなので、「このままでは、日本の入管に入国を許可されないから、なんとしてでも薬を飲んで憂いを取り去ろう」という提案をした。キアンもそれには納得しているようだった。 7月20日札幌の客の農場視察に同行してレガスピ空港に降り立ったキアン、客先接待係の面目躍如といったところだ 金曜の夜、遅く帰ってきたママジェーンとパパカーネルの特訓が始まった。私は、寝てしまっていたので、その様子を聞いたのは翌日、ピアノにキアンを連れて行ったときのことだった。早朝寝起きに携帯を見ると「キアンの罰として私との食事、パソコンを禁止する」というメッセージがママ・ジェーンから入っていたので、キアンは薬を飲むことができなかったのだと予測された。10時過ぎキアンを起こしてピアノ練習に行く準備をさせると腫れ目のキアンはなんとなく元気がない。夕べはこっぴどく叱られて泣き寝入りしたらしい。 農場からの帰還の飛行機の中でくつろぐキアン。私と一緒にいるときがキアンの最もくつろげる瞬間だ。出発前、ジェーンが同行すると言ったら、キアンのがっかりした様子に笑ってしまった  すったもんだの挙句に果てに結局キアンとのランチの許可が下りて恒例の樹海での食事となった。キアンに夕べのことを聞くと、やはり錠剤を飲み込むことができず、パパ・カーネルに壁に向かって立っていろ命じられたとのこと。また、「ママが怖い(I’m scared of mommy)」としみじみつぶやいていた。同席したジェーンの兄、アランもあまりにキアンが可哀想なので止めに入って、ようやくキアンへの折檻が収まったとのこと。キアンは、私にしがみついて甘えていたが、自分が愛され守られているという実感を感じようとしていたのに違いない。 7月22日デュシットホテル、パントリーのビュッフェに招待されて、大盛りの料理におどけるキアン、食べ放題のアイスクリームも無常の喜びだ  問題は、キアンが大きめの錠剤をどうしても飲み込めない、という単純なものだ。これは物理的に飲み込めないのであって、単なる物理現象であり、子供の責任ではない。だったら飲めるように工夫してやるのが親の責任であろう。それをあたかも悪さをした子供を叱るように折檻するというのは全くの見当違いだ。マット運動や鉄棒ができないからといって先生が子供を張ったおしたり壁に立たせたりするだろうか。何故出来ないのか、できるようにするにはどうしたらよいのか教えるのが先生の役割だ。その辺は、日本的発想かも知れないから、ジェーンに兄としてじっくり話して欲しいとアランに頼んだら、横で聞いていたキアンが「僕はわかる、I understand」とすかさず口を挟んできた。彼の側に立っている人がいると言うことを認識して心がめげてしまわないよう祈るばかりだ。 […]

薬が飲めないからといって何故折檻されなければならないのか 2018年8月5日



最近、皆が大声で会話するようになって、うるさくて仕方が無い。タガログ語かビコラノ語で話しているので何をしゃべっているのか皆目検討もつかないが、原因は新しく雇ったメイドが、耳が遠くて、後ろから声をかけると知らん顔をしているくらいなのだ。おまけに英語を全く理解しないので、色々指示をしても(したつもりでも)、同じことを繰り返す。つい、私も大声を出してしまいそうになるが、メイドが緊張して怖がるといけないので、下手なタガログを駆使してやさしく話すように務めているが、効果は薄い。したがって、ヤヤかジェーン経由で伝えてもらっている。一方、メイドは歩きながら鼻歌を大きな声で歌っているので、これまたうるさくてたまらない。 私自身が難聴になってもおかしくない年なのだが、話し声がうるさいと思うくらいだから、絶対に難聴ではないと思っていた。しかし、私が、難聴ではないかと周囲が疑うのには訳がある。それは、遠くから大声で声をかけられても、何を言われているのか聞き取れないのだ。しかし、大きな声だけはうるさいくらいに聞こえるので、そもそも遠くから話しかけるのは礼儀知らずだ、近くまで来て、きちんと話をしろと文句をいう。挙句の果てにはキアンまで一階の事務所で執務をしていると階段の上から、声をかけてくる。キアンは流暢な英語を話すが、これは発音が良すぎるためか、やはり意味がよく把握できない。 こんな無邪気なクッキーに対しても周囲は、何故かがなり散らしているように聞こえるが、クッキーは負けずに大声で泣き叫ぶ また、ママ・ジェーンから、少しややこしい話をされると意味がつかめず、ついしかめ面になる。ジェーンはしかめ面をするなと文句を言うが、私は、わけのわからないことを言わないで、順序だてて話をしろと言い返す。ジェーンは、耳垢を掃除しろとか、補聴器をつけろとか譲らない。私自身、彼らの言うことが理解し難くなっているのは、まぎれもない事実だ。音は、うるさいくらいに聞こえるのだから、補聴器をつけて音量をあげても何の役にも立たないはずだと主張するのだが、補聴器=年寄り、というイメージがあってそう簡単には譲れないところでもある。 さらにテレビを見ていると、ドラマなどの会話が聞き取れない。音を大きくすると聞きやすくなるが、うるさくてたまらない。一方、アナウンサーの話は良く聞き取れるで、さすがと思う一方、聞き取れないのは役者の発音が悪いのだと相手のせいにしたくなる。息子に聞いたら「俺もわからん」というので安心したが、どうも慰めらしい。 話は少しずれるが、一昨日の早朝六時前、キアンが私の部屋にやってきて、今日は、コミュニオン(Communion)だから一緒に学校に来て欲しいと起こしにきた。キアンは代表に選ばれて、神へのスピーチ役をおおせつかっており、数日前から長文の暗記に躍起だった。たしかに良くまあ、暗記したのものだと思う反面、何でたかが7x8=56とか8x9=72とかが暗記できないのかと、いやみを言ったくらいだ。 バロンタガログで、おめかししてコミュニオンにのぞむキアン このコミュニオンが一体何なのか聞いても、これまた理解できない。調べてみるとカソリックの7つのサクラメント(秘跡、Sacrament:洗礼、堅信、聖体、告解、終油、叙階、婚姻の7つ)の一つで、先日の堅信に続く、第3弾、聖体だそうなのだが、これは難聴というよりカソリックの知識不足により理解できないのだろう。この日は両親をともなって、牧師から与えられたウエハース状の物(ホスチア)を食べるのだが、これは、体の中でイエス・キリストの実体に変化するそうで、だから聖体と呼ぶらしい。そういえば、教会では、信者が列になって牧師からこのウエハースを口に入れてもらっているのをよく目にする。キアンは、両親がこのウエハースを不潔に感じて口に入れようとしなかったら、キアンが両親を叱ったそうだ。さらに牧師とすれ違うとき、思わず二人はアピアー(手のひら同士をぶつける仕草)をしたそうで、牧師のキアンに対する友情とも言うべき思いが計り知れるところだ。キアンのCONFESSION-堅信式に参加 2017年11月14日 私自身は、いつ始まるかわからない儀式は割愛してPRAに向かったので、キアンの晴れ姿は目撃できなかった。それに、儀式は撮影禁止なので、いずれにしろ、ブログで紹介することもできなかった。 ようやく歯が生え始めて歯茎が痒いのかしきりに舌なめずりをするクッキー、この年頃、キアンはすでに7本の歯が生えていた。比べてみるとキアンのほうがはるかにお兄さんだった。 こんな矢先、NHKの「ためしてガッテン」で難聴をとりあげていた。 1.難聴とは加齢にともなう耳の機能の低下により(耳の中の音を感じ取る毛のようなものが血流の不足により壊死する現象)、選択的に音が聞き取れなくなるもので、子音が聞こえなくなったりして、音は聞こえても会話として聞き取ることができなくなる。逆に大きな音が耳のなかで響いてうるさいと感じることもある。 2.例え初期の難聴になったとしても、脳が聞こえない音を補完するので、会話は不自由なくできる。そのため多くの人が難聴であることを認識できないままでいる。一方、不意に横から声をかけられると意味が把握できないことがあるが、それは脳がとっさの状況に対応できず補完作用が働かないためだ。 3.難聴が進むと、周囲の会話に交わることができなくなって、人との付き合いが億劫となり、生活が消極的になる。さらに会話による脳への刺激が減ると、脳の一部が壊死して、認知症にも罹患しやすくなる。 4.現在の補聴器は、ただ音量を上げるのではなくて、ひとりひとりの症状にあわせて、聞こえにくい音のみを増幅するので会話として理解しやすくなる。一方、この調整が適切でないと、かえってうるさく聞こえるだけで何の役にもたたない。 […]

難聴の話題 2017年12月7日


志賀様 今週金曜にフィリピンに帰ります。 こちらは寒くて…2ヶ月間アルバイトですが外に出て仕事をしておりましたので5年ぶりの日本の冬をしっかり再認識させられました。来年早々出産予定なので、入国したら早速、彼女のお腹の子の胎児認知に行くつもりです。 相棒のジェーンの娘クッキーと息子の子供リオ、フィリピンでは生命の息吹が感じられる さて、変な話ですいませんが…。 今日、ED(勃起不全)の薬を処方してもらいに近所のクリニックに行ってきました。皮膚科が兼用しているクリニックが多いようです。どこも自分が欲しいED薬を意外と簡単に処方してもらえるので驚きました。 ただし、バイアグラはジェネリックでも買えますが、価格はフィリピンのジェネリッ クの倍くらいです。フィリピンで販売されているジェネリックの会社は日本での許可は無いようですね。また、シアリス、レトビラは更に高いのですが、まだジェネリックの販売は無いそうです。 ちなみに欲しいだけ、お金さえ払えば何錠でも処方してくれます。診察もとてもお気軽な感じでした。取り敢えず販売されているED薬全種類セットになったお試しセットを買って来たので、フィリピンに戻ったらそれぞれ試してみて、効果の程をまたご報告しますね。 14ヶ月目に入って、何とかつかまり立ちをするものの歩くには程遠いクッキー、周囲は二人目の子供とあって、気にも留めない フィリピンでは、シアリス、レトビラについては販売していないのか、在庫が無いのかわかりませんが、相変わらず何処にも売ってませんよね?今度、彼女の定期健診の時にEDの診察ができないのか聞いてみようと思っています。 実は、現在は必要なことは無いので、どうしても…ということでは無いのですが、ED薬を持っている安心感は、先生曰く精神的にも良いようで、持っているだけで治っちゃった…なんて話もあるそうです。自分もそんな感じなのかもしれませんね。 でも私のEDは、志賀さんの考え方に触れて治していただいたようなものです。前の彼女とズルズル付き合っていたら本当にダメになったかもしれません。別れに踏み切れたのも志賀さんのアドバイスによって作成された彼女名義の不動産関係の書類のお陰ですからね。このご恩は一生忘れません。フィリピン生活の全てに於いて背中を押してもらえたと思ってます。ちょっと大袈裟ですが…本当にそう感じてます。 PRAのクリスマス・パーティの招待状を食い入るように見つめるクッキー、いよいよ外の世界に興味を持ち始めた ところで、日本に3ヶ月居ましたが、日本の物価が相変わらず安いのには驚きでした。日本でちょっと仕事をしたら収入はフィリピンの10倍、フィリピンの物価は日本の半分程度…。輸入品に至っては日本よりも粗悪品が日本よりも高いのです。このギャップにフィリピン人の貧しさを変な意味で痛感しました。 それに加えて、日本のデパートやスーパーに行って改めて思いましたが、フィリピンの中華系デパートチェーンはフィリピンで本当にあくどい商売をしていると感じます。デパートで扱っている商品は、ほぼ中国製。それもかなり品質の悪いものを平気で扱ってます。スーパーマーケットの生鮮食料品も地元のウェットマーケットよりも品質の悪いものを平気で扱い、腐る寸前や消費期限切れでも平気で陳列してます。その点、デパートによっては高いですが高級品を扱い、も良い品が多く見られます。 […]

ある退職者からの便り 2017年12月1日



6月18日追記:被害にあった退職者の方は、このような被害は多発しているに違いないが、事件を公にする気配がないと腹を立てていたが、6月17日のマニラ新聞にようやくBDOという名前入りで事件が公表された。表現としては複数とだけなっているが、相当の数に上っており、苦情の多さに耐え切れなくなったのだろう。手口の詳細はあきらかではないが、6月始にはBPIで口座残高がかってに変更されるなどのシステムの不具合により、全国のATMが使用停止になるなどの事件がおきたばっかりだ。いよいよ箪笥預金復活の日がくるのだろうか。箪笥預金なら相続税がかかる心配もないし、せいぜい火事で燃えてしまわないように耐火性の金庫を備えておく必要があるだけだ。それとも、宵越しの金は持たないというフィリピン流の生活態度が一番だろうか。 先日、退職者の方から、銀行カードから不正にお金が引き出されるという被害にあったと連絡があった。SMデパートでBDOの銀行カードを使って買い物をした後、知らぬ間に3万ペソが引き出されていた。早速、BDOに被害届をしたところ、引き出しはイタリアで行われており、間違いなくスキミング詐欺で、60日後に損害を補填すると告げられた。手口は、カードの読取機械にスキミング装置を取り付け、カードの情報をコピーし、さらに何らかの方法で暗証番号を盗んで、引き出すというもので、日本でも頻繁におきている詐欺だ。特にスーパー等のレジにに設置してある読取機械は店員の意図でなんとでもできる。 街のいたるところにはATM機械が設置されており、庶民の生活にはなくてはならないもになっている  そのため、ATMの機械には注意が喚起され、暗証番号の入力ボタンにはカバーがされて、機械の上部にカメラなどにより入力する暗証番号を盗まれないようにしてある。それでもカードの情報をスキミングして暗証番号を盗んで不正に引き出すことが頻繁におきているということは、スーパー等の店員がグルになっている可能性が大きい。SMデパートでは詐欺が行われたことがアナウンスされておらず、評判になるのを恐れて、そのことを隠している様子がある。  カーネルに聞いてみると、デパートや銀行は、詐欺が発行されたことを公表したがらず、被害を弁償することにより、内々に済ましてしまう傾向にある。詐欺が発生したことが、評判になって客足が途絶えるということを危惧しているためだそうで、このことが詐欺集団を野放しにしている公算が強い。 暗証番号の入力ボタンにはカバーがかけられて入力番号を盗まれないようになっているのだが  BDO、メトロバンク、BPIなどのユニバーサル銀行では、銀行の発行するカード(国際カード)で、海外でもお金を下ろすことができ、これが売りになっている一方、海外で不正に下ろされた場合は、捜査が難しい。しかし、Bank of Commerceなどのカードは、海外で下ろすことができず、詐欺集団としては国内で引き出す必要があり、CCTVなどで引き出し現場を押さえられて、足がつきやすい。海外でも下ろせるか国際カードはそれが利点である一方、リスクをかかえており、そうでないカードは利便性に欠ける一方、それが利点にもなっている。 カードのうらにCirrusやPLUSのマークがあるのが国際カードだが、磁気カードは簡単にスキミングできるが、ICチップの入っているものはスキミングが難しいらしい。だから、銀行はICカードに変更するよう促している。そのためか、先日、メトロバンクでは頼みもしないのにICカードに交換させられた。 すべてのATM機械にはこのような警告が表示されているが、レジの店員詐欺集団の仲間だったら、どうしようもない  私は、たいした預貯金もないので被害にあったとしても知れているが、少なからず、客から預かったお金が口座に入っている。特に、日本の口座に振り込んでもらったSRRVの年会費などをフィリピンでおろして支払いに充てているが、一回10万円以上で、これを盗まれたらやばい、かといってこれをやめるわけにはいかない。したがって入金したら、即座に下ろして現金で保有するというのがリスクを最小限にする方法のようだ。 新生銀行に新しい口座を開いて、フィリピンでお金を下ろそうとしたら、限度額を超えているという表示が出ておろせない。ためしに500ペソを下ろそうとしたのにだ。問い合わせてみると、新規の口座のカードについては、海外で引出限度額が0円に設定されており、海外で利用する時は、限度額を最高10万円までに引き上げることができるあった。これは、スキミング詐欺で海外で引き出すことを防止する目的で、海外旅行から帰ってきたら、即座に限度額を0円にするようにとの警告があった。要は使うときだけ、インターネットで使えるようにすることができるのだが、まとまったお金が入っている時は限度額を0円にするなどの処置を取れば、スキミング詐欺を防止することができるということを知った。 一方、買い物はいちいち銀行カードを使ったりしないで現金で決済するべきだ。スーパーの買い物したとき、レジで前の人がカードを使っていると、時間がかかるので、やきもきして、これぽっちの買い物に一々カードを使うなと、いつも心の中でつぶやいているが、私の主張は正しかったようだ。 相棒のジェーンにその話をしたら、預かり金は、すべて通帳だけの口座か定期預金にしているそうで、それがカーネルのアドバイスだと、したり顔に話していた。便利なはずのものが詐欺集団のねらいめになるという、時代の動きに相反する事態だ。カードや携帯で何でも決済できる便利さは時代の趨勢だがそれなりのリスクを併せ持っていることを肝に銘じなければならない。ただし、ジェーンはほとんどすべての買い物はクレジットカードを使っている。フィリピンのクレジットカードは、後から請求書が来るので、その時チェックして支払わないという選択肢があるので、日本のように自動引き落としと違って不便なだけに安全のようだ。 […]

銀行カードのスキミング詐欺にご注意 2017年4月30日掲載 6月18日追記


最近、テロ事件などで防犯カメラが犯人逮捕に活躍している。先日のリゾートワールドの襲撃事件でも防犯カメラに犯人の行動の一部始終が捉えられていた。また、車の全面にアクションカメラあるいはドライブレコーダーを取り付けて、事故などが発生したときの状況把握に使うことが広まっている。6月10日の東名高速道の事故では反対車線から空中を舞って乗用車がバスに突っ込んでくるという強烈な映像が流れた。これらのカメラは中国製のものが数千ペソで手に入ると聞いておおいに興味を持っていた。しかしながら使い道がみつからず、無駄に5000ペソを使うのももったいないと思い、そのままになっていた。 たったの1000ペソということなので遊び心でアクションカメラを買ってみた ところが先日、マカティスクエアの地下の雑貨店で、なんと1000ペソの車載カメラを見つけたのだ。店の人が使っているのを見ると、何とかいけそうで、捨て銭になってもいいと衝動買いをしてしまった。家に持って帰って、マニュアルを見るとなんと中国語で、皆目使い方がわからない。そして店に持って行って聞いてみると、その場では分かったような気になるが、いざ自分で使ってみるとさっぱりだ。そこでインターネットにアクセスしてみると、同じ悩みを持つ方が多いようで、懇切丁寧に説明してあった。機種は違ってもおおむね使い方は同じで、結局、使い方をマスターするまでに2週間かかってしまった。壊れかけた自分のカメラの代用使ってみようかと思ったが、バッテリーのキャパが小さくて、普通のカメラ代わりとは行かないようだ。そこで、本来の使い方である、車に取り付けてみたが、調子は上々だ。 車外の様子をビデオで取り続けるので思いがけない傑作写真が取れるのではないかと期待したが そして、取り付けた、その日の内に相棒のジェーンから小言があった。先週から、この手のものをダッシュボードに取り付けることが条例で禁止になった。警官に捕まるから、取り外せというのだ。確かに、翌日のマニラ新聞に陸運事業認可調整委員会(LTFRB)という長ったらしい名前の政府機関が「ダッシュボードの小物などの設置を取り締まる」との記事が載っていた。まさに、このアクションカメラはたった一日の命だった。新聞によると、運転手の視界をさえぎるような小物、人形、携帯の車載スタンドなどが規制の対象となっている。車内での携帯の使用は、もちろん以前から禁止されているが、最近流行のカーナビなどの設置も不可で、ちょっと不便だ。 これに対して異論を唱えたのがカトリック司教協議会(CBCP)で、フィリピンではダッシュボードなどにキリスト像やマリア像を飾って信仰の対象としているので、それを阻害するものだといって反対した。そして、問題は、運転手の無知や不注意、粗暴な振る舞いが問題であると指摘した。しかし、こんなくだらない規制をするくらいならば、私が規制して欲しいと思うのは、オートバイや自転車のすり抜け、割り込み、はみ出し運転だ。最近は100mごとにヒヤッとさせられる。まさに暴虐無人の運転で、それをカメラに収めたいと思っているのに、それがあかんというのだが、つるんでいるのかと疑いたくなる。参考ブログ「路上バトルの新参者、オートバイと自転車 2017年5月10日」 私の友人が目の前を着陸寸前の飛行機の撮影の成功した 6月16日追記 6月15日の新聞によると、カトリック司教協議会(CBCP)の抗議に応えて、ダッシュボードの上、10cmの範囲(セーフゾーン)に車載スタンドやキリスト像などの小物を置くことなどはOKとなり、運転中の携帯の使用などを含めて(ただしイヤホンを使用する場合はOK)、違反者は初回、5千ペソ、最大で2万ペソの罰金が課され、7月第一週から施行すると発表した。私の主張するオートバイのすり抜け、割り込み、はみ出し運転については音沙汰はない。

ダッシュボードの小物の取り締り 2017年6月11日



ピーナッツ(日本語では落花生、古くは南京豆と呼んだ)は枝豆とともにビールのつまみの定番だが、あまり良い印象は持っていなかった。クルミやアーモンドなどと比べて安物の感があり、味も劣る。また、ピーナッツは本来ナッツではなくて豆の一種で、油分が多く健康にもよろしくないされていた。しかし、ここのところ、よろしくないはずだった食品が健康に良いミラクル食品であるとの見直しが盛んに行われている。カカオ(チョコレート)、コーヒー、ココナッツオイルなどなど数え上げればきりがない。一方、食の基本だったはずの米、麦、麺、パン、とうもろこし、あるいは砂糖を代表とする甘いもの、植物油(サラダオイル)などへの風当たりが強い。その間、あまり取り上げられることのなかったピーナッツが、1月11日放映のためしてガッテンで、「長生きしたかったらピーナッツを食べろ」とまで言わせしめた。血管を強くして血糖値を下げ、含まれる各種不飽和脂肪酸はコレステロールを下げ、抗酸化作用があり、さらに肥満防止効果までもがあるという、奇跡の健康食品だというのだ。 はっちんで売っている殻付き落花生。殻付き170g、一袋168ペソ、フィリピン産の5倍以上する。ちなみに落花生の名前の由来は、地上で咲いた花が地面にもぐって実が成長することにちなんでいる 日本製の落花生(ただし中国山東省原産)はフィリピン産の落花生(右)に比べてはるかに大きく、味もよく、フィリピーノがおいしいと目を丸くしていた。フィリピン産のものは食べられたものではない。南京豆というくらいだから原産はきっと中国なのだろう  かつて、夜遊びをしてビールとつまみのピーナッツを散々食べて、帰宅して血糖値を計ってみると、いつも120前後と正常な空腹時血糖値なので不思議に思ったことがある。ピーナッツが血糖値をさげるということの裏づけがとれた。幸いフィリピンでもピーナッツは盛んに栽培されているのでどこでも安価に手に入る。我が農場でも栽培できるので、早速、生活習慣病の元凶であるとされる米の栽培をやめてピーナッツを栽培しろと指示したが、何を血迷っているのかと相手にされなかった。しかし奇跡のオイル、バージンココナッツ・オイルに続いて、身近なところに奇跡の食品が新たに登場したのは朗報だ。 道路沿いで釜でゆでた殻付きピーナッツを売っているが、渋滞で、いらつく運転手を癒してくれる。一カップ20ペソ、地方へ行けば半値以下だ 中身は小粒だが、運転中のおやつとしてはあっさりしていて丁度良い  フィリピンでは殻付きの炒ったピーナッツはほとんど見かけなくて、殻付きでゆでたものか、殻をむいて油で炒めたものが街頭で売っている(ただしマーケットでは殻付きの生のピーナッツが食材として売っている)。ゆでたものはなかな美味で健康的だが、油で炒めたものは何の油を使っているのかわからないので躊躇される。したがって、生のものを買ってきて家でココナッツオイルやオリーブオイルで炒めるのがお金はかかるが安心だ。 市販の油炒めピーナッツ(アドボ・マニ)、100g 30ペソと格安だ ココナッツオイルで炒めたホームメイド・アドボ・ピーナッツ。血糖値を下げるというので、みそ椀一杯食べたらかなり血糖値が上がってしまった。すぐに下がったが、ほどほどにしておいた方がよさそうだ  ピーナッツの加工食品としてピーナッツ・バターがある。ピーナッツを砕いて油と砂糖を混ぜてペースト状にしたものだが、フィリピンでも非常にポピュラーな食品だ。これが意外とうまくて、安価なので庶民の味方だ。しかし、この油と砂糖が問題で、市販のものは何を使っているかわかったものではない。そこで、油はココナッツオイル、砂糖もココナッツ・シュガーなどの自然の甘味料を控えめに使えばダイエット・ピーナッツ・バターの誕生だ。早速、農場で作って送るように指示をしたが、いつありつけるかは神頼みだ。 ピーナッツバターはバターの代用品ではない立派な健康食品だ  ピーナッツが奇跡のナッツなのであれば、農場で栽培しているビコール名物のピリ・ナッツはどうなのかインターネットで調べてみた。そうしたら、これも知る人ぞ知る奇跡のナッツで、日本でも密かなブームになっているらしい。歯ざわりがちょっと柔らかいのが欠点だが、味もまあまあだ。キャラメルを絡めた甘いのが主流だったが、最近は健康ブームのせいか炒っただけのものも出回っている。ビコール地方だけで取れるそうだが、いずれ農場にも植えてある木が育ったら、農場特産のピリ・ナッツを味わうことが出来るだろう。   農場で実ったピリの実。ちなみにピリとはビコール地方のピリ・シティから来ている 周りの実の部分も食べることができるがおいしくない。大きな種の中がピリ・ナッツだ。 […]

ピーナッツはミラクル・ナッツなのだ 2017年1月22日


年末年始はなにかとご馳走づくめで、糖尿病予備軍としては悩ましい時期だ。血糖値のコントロールは、偏に、ご飯、パン、麺などの主食とされてきた糖質は最低限にして、肉、魚、野菜、ナッツ、キノコなどの従来の副食を中心に摂取すること、そして、食後歩くこと、これで、血糖値を下げる薬などは一切無しに、血糖値を十分コントロールすることが出来ると確信している。食後の血糖値は150以内におさめることを目標にしているが、ついKIANの好きなラーメンを相伴したり、ピザ(パン生地)を食べたりすると、血糖値が150を越え、200近くにまで行ってしまう。その場合は、歩くことにしているのだが、これがテキメンの効果がある。 毎晩、食後、一時間~2時間位たつと、KIANから電話がかかってくる。「What is your Blood Sugar?血糖値は?」と大声でがなる。それをきっかけに血糖値を計って報告するのだが、150を越えているとすかさず、電話で「Walk! 歩け?」と命令してくる。 27日、息子が日本から帰ってきて、恒例のピザを振舞った。大き目にカットしたピザ二切れで満腹となったが、それで血糖値を計ってみると188にあがっていた。そこで歩いたのだが、コンドミニアムを周回する道は約250mあって一周すると(400~500歩)、血糖値が約10下がる。それで5周して帰って来て、血糖値を計ると、139に下がっており、まさに計算どおりだった(誤差1)。 息子が日本から帰ってきた時は、ピザで迎えるのが我が家の習慣、ピザは近所のブルックリン・ピザに限られる  今年の年末は日本からの来客が重なり、皆さんからおいしそうな菓子をいただいた。せっかくいただいたお菓子を味見もしないで、子供達に分けてしまっては失礼と、一つずつ、3個も食べてしまった。そして血糖値を計ってみると、なんと238に上がっていた。計算上、90下げる必要があるので、10周歩いた。2.5km、4000~5000歩になるから、これで安心と思いきや、血糖値はまだ、192もあった。KIANからは「Check your Blood Sugar again. 血糖値をもう一度チェックしろ」と指示が来たが、152と嘘をついて、寝床に入った。つくづく甘いものはご法度と肝に銘じたが、食べたとしてもせいぜい半分~一個が限度だ。砂糖の摂取は血糖値削減効果、10低下/周の原則はあてはまらないほど血糖値を上昇する効果があるようだ。まさに甘い誘惑の罠、これこそ命を縮める元凶で、生理学の先生は、甘いものは麻薬の8倍の依存性があると忠告している。 年末も押し迫った29日、日本からおいでになった退職者に夕飯に誘われた。前日のこともあって、刺身とKIANが残した焼き鳥を食べ、ご飯は一切とらなかった。帰ってから血糖値を調べるとなんと128、食後血糖値としては正常値以下だ。さらに1月1日、グリーンベルトの中華料理では、前菜(Cold Cut)の鶏、豚、牛肉とくらげとKIANの好物のスピナッチスープ(野菜とシーフード)を摂り、グリーンベルトの中をしばらく歩いた。そうしたら血糖値はなんと120で、まるで空腹時血糖値だった。 […]

糖尿病体験記(その4) 2017年1月2日