生活情報


 ビコール地方の台風のおかげで、5月の2日、3日のフライトがキャンセルされ、出発を1週間延ばして、8日としたのだが、農場に緊急事態が発生して、再度4日に変更して出かける羽目になった。セブパシフィックは満員なので、PALで行くことになった。セブパシフィックの切符はキャンセルすることになるが、格航空券なので、戻りはほとんどない。結局2回分のチケットを買ってしまったが、いたしかたない。そこで久しぶりにフィリピン航空専用のターミナル2 から飛び立つことになった。  開業間もないターミナル2は左ウイングが国際線、右ウイングが国内線のPAL専用だ。ターミナルビルは真ん中で鋭角に折れているが、アクセスウエイの日よけの屋根は美しいカーブを描いている。   ターミナルビルの待合所及び出発ロビーは明るく清潔だ。大きさも手ごろで迷うこともなく、とても使いやすい空港ターミナルだ。  到着ターミナルの荷物の受け取り上も広々としていて、わかりやすい。ターミナルビルを出ると、クーポンタクシーの乗り場があり、国際線の方に進むと空港メーター・タクシーが待っている。これが最近良く見かける、空港専用のイェロー・タクシーだ。料金は普通のタクシーの倍位するが、清潔でマナーがよいので外国人に評判がいい。 ちなみに初乗りは70ペソで500mまで、以降300mごとに4ペソ増して行く。空港からマカティまでは200ペソ程度だ。一方、一般のタクシーは初乗りは30ペソ、以降300mごとに2.5ペソ増しだから、概ね半分の値段だ。これらのタクシーはマニラの街でも拾えるが、空港へ戻らなければならないので、空港方面に向い場合のみ載せてくれる。もちろんメーターの料金を取られるが、もともと料金が高いためにチップを強要したり、値段を吹っかけてくることもない。そもそも初乗りが30ペソ(60円)などと驚異的に安いのだから、倍位しても気持ちよく載れるほうが外国人にはありがたい。 イエロータクシーのナンバープレートを見ると黄色いタクシーのものとは異なっている。このプレートはレンタカーのものだ。一般のタクシーとは異なった料金体系になっているので、レンタカーという分類になっているのだろう。

フィリピン航空専用のNAIAターミナル2 2009年5月14日


 5月のゴールデンウイークはチケットが高くなるので、時間が自由な退職者はあえてこの時期にビザの件でフィリピンを訪れることはまずまれだ。そのため、その間に恒例のタバコの農場詣でをしようと企んだ。しかし、敵もさるもので、台風でレガスピ空港が使えず、2日(土)、3日(日)とフライトがキャンセルされた。しかも明日は飛ぶかどうかもわからないが一応満席で、結局5日(火)にしか行けないとのこと。しかも、7日(木)の連休明けにはある退職者が来比するので、6日 (水)には必ず返ってこなければならない。しかし、再び帰りのフライトがキャンセルされるかもしれないし、例えバスで帰るにしても、この大雨で土砂崩れで道がふさがっているというリスクもある。結局、今回の農場行きはあきらめて、1週間ほど予定を延ばすことにした。  1週間以内の予定の変更は無料で行なえるが、それを超えるとペナルティが課せられ、キャンセルするとリファンドされないという。3日も4日も飛行機が飛べないから旅行をキャンセルするのに、チケット代がリファンドされないとかペナルティが課せられるなんてなんとも納得がいかない。しかし、窓口の担当を責めても仕方がないので、あきらめて、1週間延期して今度の土日に行くことにしたのだ。   ところで、チケットの変更でがたがたしている間にいつもは素通りするターミナルビルをくまなく見て回った。まだ、半分くらいしか使われていないが、大変きれいで気分が良い。柱の幾何学的配置も美しい。3階には簡単な食事が取れるところがオープンしていた。早く国際線で本格的に使われることを期待したい。   ところで、空港へ向うタクシーの中で気がついたのだが、ターミナル3の前は、まさに建設ラッシュだ。左前方にはマカティのビル群、中央にちょっとセンスの悪いモスク風の教会が見えるが、その外は全部が建設中のホテルやコンドミニアムあるいはコールセンターなどのオフィスビルだ。近いうちに近代的な街並みがここに登場するのは間違いないだろう。(なお、下のマカティの遠景を除く5枚の写真はターミナルから撮影した連続写真で、つながっているものです)

マニラ国際空港(NAIA)第3ターミナル開港(その3)2009年5月3日



 世界的な不況が騒がれる中で、フィリピンの中心であるマカティ市、特にパサイ通り沿いは大型マンションの建設ラッシュで沸いている。もともとパサイ通り沿いはマカティの中でも古いビルが並ぶちょっと取り残された感のある通りでもあった。この通りは和食レストランやカラオケが並んでおり、日本人には大変なじみのある通りだが、1990年以降開発されたグロリエッタやグリーンベルトのモダンな街並みに比べて、いかにも見劣りがする。ところが最近、様相が一変しつつあるのだ。下の写真は名門デベロッパーであるアヤラ・ランドが開発中のザ・レジデンス・グリーンベルトのコンドミニアム群だ。パサイ通りとグリーンベルトの間に建設中で、1、2棟目はすでに完成し、3棟目が建設中だが、すでにすべて売れ切れているという。マカティでも超高級のコンドミニアムなのに建設開始と同時にすべて売れてしまったそうだ。  いわゆるパサイ通りの繁華街はマニラ側(西)はパソンタモ通りから始まる。その角に建設中なのがビーコンだ。ここも3棟のコンドミニアムがまとめて建設される予定で、都会の中のリゾートというふれこみで販売が行なわれている。  パソンタモ通りから通り1本東へ向ったアモーソロ通りのとの角に建設中なのがザ・カラムス。すでに2棟のビルが立ち上がり始めている。同名のザ・カラムスはブエンディア通りとアヤラ通りの角にやはりアヤラ・ランドの開発で大型のコンドミニアム群が建設されている  冒頭のザ・レジデンス・グリーンベルトはパサイ通りとパセオ・デ・ロハス通りの角、もともとボーリング場やレストラン「さいさき」があったアンソン・アーケードのあった場所にあるが、さらに東へ向ってマカティ・アベニューに至ると、かつてアンソン・デパートとジープニーの停車場があったところにラッフルズ・レジデンスの開発が始まっている。ここも第1期工事は完売とという景気の良い話だ。 右下の写真の遠くに見えるのがドーシット・ホテル、かなりの規模の開発であることがうかがえる。   ついでにマカティ中心街の最近の開発事業を紹介する。グリーンベルトはモダンな若者の街としてにぎわっているが、このほどグリーンベルト5がオープンした。中はブランド店が建ち並ぶハイセンスなモールとなっている。  次にインターコンチネンタル・ホテルとルスタン・デパートの間に建設されていたグロリエッタ5がオープンした。まだすべての店はオープンしていないが、先の爆発事故で閉鎖中のグロリエッタのブリムス家具店などが移転する予定だ。  マカティアベニュー沿いのランドマークデパートのとなりにはアンソン電化のデパートが新装開店した。パサイ通りから移ったものでモダンな本格的電化専門デパートだ。

マカティ市パサイ通りの発展2009年2月22日


 メトロマニラには3本の高架鉄道(LRT1、LRT2、MRT)が走っているが、エドサ通り北側の部分、ノース・アベニュー駅~マニラの北、モニュメント駅の間が未着工で、慢性的な道路渋滞が庶民を苦しめている。ところが昨年の後半から橋脚工事が急ピッチで進められ、環状線が完成するのもそう遠い将来ではないだろう。環状線が完成するとメトロマニラの足が格段に便利になるものと期待される。 この高架鉄道は一本の足に梁を置き、その間を桁でつなぐという極オーソドックスなものだが、障害物をよけ、平面を維持するために橋脚の高さは大きく変化する。  下の写真は運行中の3本の高架鉄道の路線図で、MRT(Mass Railway Transit、青い線 )は、現状では終点のタフト駅からノースアベニュー駅までエドサ通り沿い、メトロマニラの東側を走っている。   LRT1(Light Railway Transit、黄色い線)は一番古い線でマニラの西側、バクララン駅からモニュメント駅までタフト通り沿いを走る。このノースアベニュー駅ととモニュメント駅がつながるというわけだ。さらにもう一本運行されているのがLRT2(紫色の線)でメトロマニラを横断する線でMRTとはクバオ駅/アラネタ駅、 LRT1 とはレクト駅/ドレテオ・ホセ駅で乗り換えることができる。  下の写真はLRT1の終点のバクララン駅とモニュメント駅だ。両駅とも庶民の買い物どころとなっており、いつも人でごった返している。  下の写真はMRTの終点のノースアベニュー駅。左はLRT2のレクト駅からLRT1のドレテオ・ホセ駅への乗り換え通路だ。  下の写真はMRTとLRT2の交差する部分でかなりの高さとなっている。右はMRTとサウス・スーパー・ハイウエイが交差するマガリアネス駅付近で、エドサ通りとハイウエイの交差点でもあり、4重の複雑な立体構造となっている。   […]

メトロマニラ高架鉄道の建設状況2009年2月6日



 本年度のクリスマス、正月休みは見事につながってしまい、12連休という最長の大型連休となってしまった。ちなみに、それぞれの休みの理由は下記のとおりだ。 12月24日(水):クリスマスイブで官庁は半日、個人的に休む人が半数以上で実質的に休み 12月25日(木):クリスマスの祝日 12月26日(金):クリスマスと土曜にはさまれたブリッジ休みで大統領令による特別休日 12月27日(土):休日 12月28日(日):休日 12月29日(月):日曜と祝日にはさまれたブリッジ休み 12月30日(火):リザール・デイの祝日 12月31日(水):年末特別休日 1月1日(木):正月の祝日 1月2日(金):正月と土曜にはさまれたブリッジ休み 1月3日(土):休日 1月4日(日):休日  24日のクリスマスイブは官庁は実質的に休みとなってしまうので、23日までに官庁手続きを終えないと、来年の1月5日まで12日間も待たされることになる。幸い、2名の退職者のPRA関連の手続きはぎりぎり23日で終了し、ほっとした気持ちで連休を迎えることができた。  一方、街の混雑は23日までで、地方へ向かうバスステーションや道路、そして最後の稼ぎをもくろむ行商人などで繁華街は人や車ででごった返した。また、普段は見かけない物乞いがやたらと目に付いた。これらの人々は明らかに装いを異にしており、普段山奥に住んでいる人たちが里に下りてきたといった雰囲気だ。下町のエルミタで人と会う約束があったが、タクシーを拾うのはまったく不可能。仕方なくジープニーでLRTブエンディア駅に向かい、それからLRTでペドロヒル駅でおり、目的地まで歩いた。おかげでちょっとした冒険をしてしまった。 […]

フィリピンの超大型12連休2008年12月28日


 モーターバイクといえば商業用のトライシクルの需要がほとんどだったが、昨今はバイクを通勤やレジャーに乗り回す人が急増している。地方のモールや闘鶏場にはバイクで乗りつける人が多数を占めるようになってきている。街の道路でもジープやトライシクルに混ざって小型バイクで疾走するする人が目立つようになっている。  車優先のフィリピンでは歩行者は車の間をすり抜けて歩かなければならないが、さらに車の陰にバイクが走ってくるのでますます道路横断が難しくなっている。その点トライシクルのお世話になっていれば安全なのだが、マカティなどの中心街ではトライシクルの乗り入れが禁止されているのでそうも行かない。  最近の新聞に「ホンダXRM-RSの新型車が56900ペソで発売になった」との記事が載っていた。8代目で街乗りを楽しむバイクと銘打っての発売だそうだ。それだけ個人の需要が増えているということだろう。エンジンは100cc程度で、ホンダ、ヤマハ、カワサキなど日本のメーカーが現地生産によりほとんどの需要を賄っている。また、まるでハーレーダビッドソンのようなスタイルに小さなエンジンを載せた中国製のバイクもたまに走っている。  一方、若者には250cc以上の中~大型バイクがあこがれの的となっている。フィリピンでは生産されていないから日本などからの中古車の輸入となるが、ホンダCBR400などが人気の的で2000年前後に生産されたもので30万円前後で取引されているという。  そのため、中古大型バイクの輸入販売ビジネスが盛んで、買い手はいくらでもいるという。まず日本の中古バイク市場で仕入れて、それも分解して運ぶ。運賃と税金を安くするためだ。完成車は車と同じ100%以上の税金がかかるそうだ。それをフィリピンで組み立てて売りさばくそうで、400ccの手ごろなものから1000cc級のものまで、日本でもあまり見かけない超大型バイクを目にすることもある。また、ヨーロッパブランドやあるいはアメリカのハーレーダビッドソンまでもある。  エンジンのない自転車もブームになってきており、郊外に出かけると本格的なコスチュームで走っているのを見かける。案外とお年の人も多いようだが、自転車は健康に大変良いので老化防止のために乗っているのだろう。私も昔取った杵柄で引退したらマヨン火山の麓を走り回ってみたいと思っている(実は学生時代サイクリング部に所属していたので)。

モーターバイクがブームに2008年12月19日 



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 フレンドシップ・クラブはクラークのフレンドシップ・ゲートを出て5分くらい走ったところにあるフレンドシップ・プラザという高級ビレッジ内に建設された根本さんが経営する会員制リゾートだ。フレンドシップだらけの名の通り、フレンドリーを売り物にしている家族的な宿だ。会員でなくても一泊から泊まれるので、アンヘレスに行く機会があったら試してみると良い。http://www.tecb.co.jp/friendship/    昨年の8月にオープンしたのだが、そのオープニングセレモニーに参加したとき、インド人というちょっと珍しい牧師さんが式を執り行ったのが印象に残っている。間取りはかなり大き目のキッチン付のワンルームと普通のホテル部屋の2種類。ベランダが広くて気持ちよい。   開業から一年たち、アンヘレスに行く度に立ち寄るのだが、必ずしも宿泊客は多くないようだ。知名度が低いためかと思うが、とても良いところのなのでおおいに利用して欲しいと思う。ホームページでも取り上げているが再度紹介したい。  庭にはプールが半分2階の床下になっていて強い日差しや雨を避けることができる。カラオケシアタールームやジャグジもある。庭がゆったりとして開放感がある。造園もとてもセンスがあって美しい。    根本さんは少し離れたところにテラピアの養殖場をもっており、そこでバーべキューなどができるよう計画している。是非訪問して釣りなどを楽しんで欲しい。  クラークの中にはミモザやフォンタナなどの大型の住宅兼レジャーパークがあり、ゴルフやプール遊びを楽しむことができる。  クラークの入り口近くにオープンしたSMは巨大だ。まるでアンヘレス中の市民を飲み込んでしまうようで、買い物には不自由しない。ゆったりとした中央の広場はここが屋内であることを忘れさせる。  クラークに沿って走るフィールドアベニューは有名な歓楽街で、その規模に圧倒される。またその延長、フレンドシップゲートに通じる道路には、また多数の韓国レストランが並んでいる。和食レストランも数軒ある。  クラークから車で5分くらいのところには大型のカジノがあり一攫千金を夢見る外国人で一杯だ。また、北に15分くり走るとアンヘレスの中心街に出るが、そこはフィリピン特有の混沌と雑踏に出会うこともできる。  アンヘレスだけでもなかなか楽しめるが、根本さんはここをハブにしてスービック、バギオ、ハンドレッドアイランドあるいはピナツボ火山などに足を伸ばすことを勧めている。ここでは味わえない冷涼な気候や美しい海そしてダイナミックな自然を手軽に味わえることができるだろう。  

フレンドシップ・クラブの紹介2008年12月15日


 所用でマニラの南約20kmのアラバンにあるエイシアンホスピタルを見学する機会があった(日本読みではアジアンホスピタルとなるが、当地ではこのように発音している)。21世紀初頭にタイなどの資本で開設されたこの病院はフィリピン最新鋭と謳われフィリピンを代表する病院の一つだ。  フィリピンの雑踏とは無縁の病院入り口はチリ一つ落ちていない。もちろん院内外はすべて禁煙。日本でもこれだけ清潔感のある病院は数少ないのではないかと思う。病院というよりもホテルにいるような面持ちだ。   今回撮影が許されたのは外観と受付ロビーのみ。院内の施設は一切撮影禁止とのこと。診断や治療を行なう施設には患者と医者以外は立ち入り禁止。入院したことのある日本人によるとその最新のシステムにびっくりさせれらたとのこと。最新鋭の設備が整っているのとのことだが、お値段もなかなかのようだ。プレジデントスイートは五つ星ホテルのスイート並みのデラックスなもので一泊18000ペソだそう。しかし滅多に利用する人はいないようで、その他は個室で一泊 2750~4000ペソ。2人部屋や4人部屋もあり、一番安くて1泊600ペソとリーゾナブルな価格だ。詳細はhttp://www.asianhospital.com/にアクセス。  また、医師の診察料は800ペソと必ずしも高額ではない。ご承知思うが、フィリピンでは医師は病院に雇われているのではなく、一室を借りてそこで診察を行い、病院の施設を使って治療を行なうという病院から独立した存在なのだ。したがって、入院すると病院、薬、医者それぞれ別々の請求書が来ることになる。  地下のキオスクや食堂も病院というよりオフィスやデパートの食堂の雰囲気で、明るくて清潔だ。看護士さんもカラフルな制服を着ていて病院らしさを感じさせない。  出来合いの料理を選ぶセルフサービスの食堂だが(トロトロ)だが、メニューは豊富でおいしいという。同行した日本人女性はここでお産をして入院したそうだが、食事がおいしくて、見舞いに来たフィリピーノのご主人も必ずここで食事を取って行ったそうだ。

最新鋭ASIAN HOSPITALの紹介2008年12月15日



 1990年代、DVDがビデオ(VHSやβ)にとって代わって以来、フィリピンではレンタルビデオ店が姿を消した。フィリピンでは香港などで製造された海賊版のDVDが格安で出回っているので、レンタルというビジネスモデルが成り立たなくなったのだ。  マカティスクエア、グリーンヒルなどのモールあるいはデビソリア、バクラランなど庶民の買い物どころでは60ペソ程度で最新の映画やアニメのDVDを買い求めることができる。ちなみに無修正の日本製アダルト系のDVDも100ペソ程度で買える。ただしこれらは店頭には置いていないのでそれらしき人に告げて奥から出してもらわなければならない。ビデオと違ってDVDはプレスするだけだから、ソフトと機械さえあれば只みたいなお金で製作できるのだろう。  これらDVDは基本的に日本語の字幕はないから、日本人が観て楽しむにはかなりの英語力を必要とする。アダルト系のように見るだけならばいいのだが、普通の映画やアニメでは言葉がわからないとちんぷんかんぷんだ。しかし、これが意外な使い道があるのだ。   最近のDVDはアメリカ映画でも英語の字幕がついているが、日本では日本語と英語の字幕、フィリピンで買ったものは英語と中国語などの字幕がついている。私の息子がこのDVDの字幕を利用して英会話の勉強をしているという話を耳にした。要は英語の字幕を見ながら映画を見ていると、何度か繰り返しているうちに英語を聞き取れるようになるというのだ。そもそも俳優が映画のなかで話している言葉などは簡単な会話であって、書いてありさえすれば大方意味が理解できる。初めはちんぷんかんぷんでも、段々耳が慣れてきて字幕も見なくても理解できるようになるというわけだ。もちろん一朝一夕では無理だろうが、映画を楽しんでいるうちにヒアリング能力が飛躍的に向上するそうだ。しばらくやっていたら、商売上出合った外国人が早口の英語で話しかけてきても自然に返事ができるようになったという。  アメリカ映画を観ていて日本語の字幕に頼っていると俳優が話している英語は全く聞いていないから、何度観てもヒアリング能力の向上には役立たない。 頭の中を英語モードにして映画を観ることが重要なのだ。そのためには日本語の字幕は邪魔者なのだ。  ご承知の通りフィリピンではアメリカ映画でも字幕がない。それでも映画館では多くのフィリピン人が楽しそうに映画を鑑賞している。フィリピン人はたとえ英語が喋れなくても聞きとることはできるのだ。それは子供のころからディズニーなどのアニメを字幕無しで観ているからで、もともと言葉などよくわからない子供のうちから英語になじんでいるうちに自然に理解できるようになってしまうのだ。私はかつてデズニーの「ライオンキング」を観にいって、周りの子供たちが大笑いしているのに、何がおかしいか理解できなくてとても恥ずかしい思いをしたことがある。それ以来、フィリピンでは映画館を訪れないまま10年以上が経過してしまった。  しかしここで一念発起して、一枚60ペソのDVDを駆使してアメリカ映画を字幕無しでエンジョイできるようにしたいと思っている。そうすればフィリピンでも最新のアメリカ映画を安く早く楽しむことができる。現在、映画館の入場料は100~150ペソ程度と従来に比べてかなり高くなっているが、それでも日本に比べればはるかに安い。また字幕を作成する必要ががないためかフィリピンの方が日本より封切りが数ヶ月早いようだ。   DVDを鑑賞するためには当然のことながら、DVDプレイヤーが必要になる。もちろんパソコンに付属したDVDプレーヤーでも観ることができるが、パソコン嫌いの人でも専用のプレーヤーが昨今2000~3000ペソという格安で買えるのだ。デビソリアやバクラランに行くと中国製や韓国製のDVDプレーヤーを大量に積み上げて叩き売り(?)をしている。  

格安DVD利用術2008年12月4日


 最近、マラテ、エルミタなどの下町では扇で顔を半分隠した浮世絵風の女性の看板がやたらと目に付く。これがホテル/モーテル・チェーンSOGOのシンボルマークだ。名前の由来と日本風のロゴとの関係は定かではないが、日本人を夫に持つフィリピン人の経営らしい。フィリピンの若者に評判のホテル/モーテルということで5~6年前に始めて耳にしたが、それまでは欠けたリンゴのロゴのアニトや人差し指を口に当てた意味ありげのロゴのビクトリア・コートがモーテル市場を席巻していたのだ。 この二つのモーテルチェーンのオーナーはMr. Kingといい、メトロマニラのいたるところにこの看板を掲げるという羽振りのよさで、当時モーテル王として君臨していた。私は1990~1994年の間、マカティのパソンタモ通りのKing’s Courtというビルに事務所を借りていたが、それがこのモーテル王Mr.Kingの持ち物だったのだ。ちょっと交渉事があって彼と話をしたことがあるが、物腰が柔らかくて物分りの良い中華系フィリピン人だった。  そのKingさんがしばらく前にすべてのモーテルを閉鎖してしまったのだ。理由は「モーテルの存在により世の紳士淑女に婚姻外の関係を結ぶ場を提供し、数知れぬ家族を破壊に追いやったのは偏に自分の責任であり、神を冒涜するものだった」という極めて敬虔なクリスチャンの発想によるものだった。確かにシングルマザーなどの増加もこのモーテルの存在に起因しているのかもしれない。しかしKingさんの本音は違うのではないか。だだっ広くて趣味の悪い内装が時代遅れでSOGO等の新興勢力の台頭により採算が合わなくなり、事業閉鎖に追いやられてしまったが、労働争議の発生を抑えるためにもっともらしい理由をつけたものだろう。    それにつけてもSOGOの躍進はすさまじく、第1号店のマラテ店、エドサのエドコンの近くに2店舗、さらにマンダルヨンに1店舗と、あの赤と黄色の派手派手な巨大なビルがいやが上にもその存在感を誇示している。さらに最近はパサイ、マラテ地区を脱出してクバオ、ノースエドサ、アラバンなどメトロマニラ全域に展開している。そしてさらにセブなどにも出店し、パンパンガにも新店舗がオープンしたという、まさにSMデパートチェーンのように全国展開を果たさんが勢いだ。   SOGOの部屋は小ぶりだが使い勝手のよい近代的なレイアウトで、安さと清潔さを売り物にしている。一昔前のモーテルのように変に内装を凝ることもなくシンプルなところが人気の秘密のようだ。モーテルというよりホテルのつくりで、部屋ごとに駐車場をつけるなどという無駄なこともしていない。そもそも車を持っているカップルなどはこの国では少数派だし、車のまま中に入り人知れずことをなすなどという発想はすでに時代遅れで、カップルは堂々と腕を組んでホテルないしモーテルに入るというのが今風なのだろう。さらに空室の多い平日の夜は525ペソで一泊(12時間)できるなど、バックパッカー用の安宿のないフィリピンでは旅行者にとってもありがたい存在だ。なお、SOGOはホテルを併設しており、通常のビジネスホテルとしても機能している。  

ホテル/モーテルチェーンSOGOの大躍進2008年11月26日