生活情報


   EMILIO AGUINALD COLLEGEは、医学、薬学、看護・介護士など医学系の学生を中心に養成しているフィリピンの中堅大学だ。エルミタ、タフト通り沿い、LRT、UN駅の至近距離、いつもNBIクリアランスでお世話になるおなじみのNBIからも近い。  今回、ここで日本語クラスの先生を務める渡部さんから、退職者でボランティア的に日本語を教えてもらえる人はいないかと聞かれ、私のブログで紹介しましょうと、いうことになった。そこで日本語教室のあるエミリオ大学を訪問したのだ。ここでは日本語クラスのみならず、海外から英会話を勉強する留学生も受け入れている。留学生はEIENと同様にこの大学の寮に住むのだが、二人部屋で3食付、月々560ドルと安く、毎日(月~金)6時間、マンツーマンの授業料が月々880ドルだそうだ。中国人、日本人、韓国人など多国籍の学生が寮の中を歩いていたが、話声を聞くまで、全く区別がつかなかった。ちなみに日本語クラスは50時間で8000~9000ペソ程度。  タフト通りはUP、ラサール、フィリピン女子大、アダムソンなど多数の大学が並ぶ学生街だ。エルミタにあるので、多少ごみごみしているが、いたるところ学生であふれている。特に昼時のマクドナルドやジョルビーは学生で埋って席がとれないくらいだ。        エミリオ大学の周りは白い制服の女の子が圧倒的に多い。彼女達はきっと看護士の卵なのだろう。フィリピンでは看護士は天使の職業として人気があり、大量の看護士を世界に送り出す。アメリカの病院はフィリピン人医師と看護し無しでなりたたないと言われるほどだ。 エミリオ大学に隣接して大学病院がある。さらに近傍には大学のスポーツ施設があり、かなり大きいプールがあった。これらは日本語教室や英会話教室に通う生徒も使えるそうだ。 通りは制服姿の女子大生が闊歩する。  さらに、大学に隣接してホテルも経営しているので、日本から英会話の勉強にやってきて、寮に住むのは今一と言うような退職者には向いている。 さらにエミリオ大学ではインターナショナルスクールを経営しており、幼稚園から小中高(12年)、全体で200名ほどの子供が学んでいる。一クラスは 15名ほどで、それこそ先生の目の届く理想の教育をしているそう。学費は年間1600ドルで、新たにフィリピンにやって来て英語が不得意な子供には英語の補習授業もある。 英会話の授業は1平米程度の小部屋でマンツーマンで英会話の特訓を毎日6時間やるわけだが、3ヶ月から6ヶ月程度でものになるという(もちろん個人差や年齢の差はあろうが)。諸外国から生徒が来ているが、英会話学校の多くはセブやバギオの観光地にあり、エルミタの下町に位置するエメリオは苦戦していると言う。たしかにここでは土日の休みに遊ぶところがない。  しかし、逆にマニラ在住の日本人が通うとしたら、かえってこの立地が有利になるのではないだろうか。退職ビザを取る方々の半数近くが英会話を学びたいと思っているので、通学という形を受け入れたらいいのではないかと思う。その場合、1日2時間程度、月水金などいうフレキシブルな時間割が必要となろう。 […]

エミリオ・アギナルド・カレッジの紹介 2012年8月4日


  6月9日(土)、所要で日本に出張したが、最近、マニラー成田間に就航したジェットスターを利用した。ジェットスターはオーストラリアのカンタス航空の子会社だが、片道の航空運賃が基本的に160ドルで既存の航空会社に比べて半値に近い。荷物の預け入れや食事、飲み物などすべてのサービスは別途料金だが、4時間程度の旅行には不要だ。しかも片道だけでも同じ値段で買えるし、従来の航空券に比べて格段に使い勝手が良い。クレジットカードさえあれば、インターネットで簡単に予約と発券ができる。ただ、水曜と木曜の便がないので、ちょっと予定が立てにくいのが難点だ。  マニラ発の航空券を買う場合は、日本の格安航空券のように往復がFIXではなくて、変更の効く普通航空券を買うのだが、価格は6ヶ月有効のもので日本の格安航空券並みの600ドル程度だ。ジェットスターの航空券はマニラで買っても日本で買っても同程度の価格で、しかも若干の手数料で日程の変更が効く。しかも意外と満員ではなくて、多少価格は高くなるが、前日でも予約できるようだ。  飛行機はセブパシフィックのローカル便に使われているエアバスの小型のものだ。しかし、乗るほうにとってみれば、飛行機の大きさなど関係がない。しかし、朝の6時55分発というのは少々早すぎ、おまけにターミナル1なので家を4時半に出なければならないのが、ちょっと欠点だ。 今回、チェックインする荷物は無しとしたが、急遽、ノニジュース(糖尿病などの健康食品)をおみやげに買ってきて欲しいと頼まれた。気軽に OKしたのだが、考えてみると液体は飛行機に持ち込めない。そこでチェックインカウンターで荷物を預けたいと申し出たら、機械の故障とやらで、アップグレードの扱いになって160ドルかかるという。本来ならば28ドルの追加でよいはずだ。それでは一人分の運賃になってしまうと抗議したら、とりあえず、ノニを別途カウンターに預けて、ボーディングゲートで返すから、そこで荷物を預けて欲しいと告げられた。何のことやら良くわからないでOKしたが、ボーディングの時にノニを返してもらい、バッグに入れなおして、預け入れの荷物とした。もちろん無料で、なかなか洒落た取り扱いをするものだ。  朝もやに煙るルソン島、なかなかの景色だ。一眠りしようと思ったが、背もたれがあまり動かず、ちょっと寝るにはかったるい。  機内は国際線にしては少々お粗末。DVDは携帯型のタブレットを頼めば楽しめるが、現金は使えず、すべてクレジットカードで処理しなければならない。軽食や飲み物を空港で買っていくことが必須だが、ペットボトルの水を持ち込むことは禁止されていた。 無事に成田に到着。昼過ぎには到着するので、余裕がある。帰りも夕方の6時発なので、横浜の自宅を昼食後に出発すれ場十分。マニラには夜の10時ごろ到着するが、初めてマニラに来る方にはちょっと不安があるだろう。  成田エクスプレスのチケット売り場に行ったら、総武線の船橋駅近くで人身事故があったとかで、横浜直通の電車が動いていない。ちょっとあわてたが、すぐ隣のカウンターでリムジンバスが20分おきぐらいに出ているということなので、問題なし。YCATからなら、たとえタクシーで帰っても知れている。しかも YCATは横浜駅の東口に移動しており、あるいて横浜駅までいけるそうだ。  しかも、シニア割引で(65歳以上)、3500円が2000円、特急の成田エクスプレスの半額、エアポート成田の普通とほとんど同じ値段というのがうれしかった。しかも土曜だったので、YCATまで1時間半で到着、成田エクスプレス並みのスピードだった。久しぶりに訪れたYCATもきれいに整備されていた。次回からはリムジンバスを利用しようと心に決めた。 16日の帰りは息子も同行したが、当初仕事の都合で19日に予約した。しかし、仕事がキャンセルになり、急遽16日に変更した。変更手数料3000円と運賃の差額1万円ほど払って変更できたそうだ。しかも私の隣の席までとれた。ジェットスター(格安航空)万歳だ。

格安航空ジェットスターに初搭乗 2012年6月24日



 重量級のKIANの抱っこの要求に答えるために、右肩と左の肘の痛みが慢性化していたが、最近、にわかに腰痛が加わり、寝返りをうつのもはばかれるほどになってしまった。寝ている間は腰痛は収まるものの、肩の方はちょっと腕の置き方がまずいと、寝ている間も痛み続いて安眠できない。そのため、昼間もなんとなく疲れ気味で仕事にも身が入らなくなっていた。  椅子やベッドから立ち上がるにも腰に負担を与えないように何かにつかまって立ち上がる有様だ。歩き方もなんとなく腰が曲がっているようで、いよいよロロ(おじいさん)の様相を呈してきた。マッサージに毎日の様にに通い、テラピストと格好いい名前で呼ばれているマッサージ嬢に、肩や腰の痛みを訴えても、一向に相手にされない。彼女達は癒しを与えるのが専門で痛みをとる治療を行う医師ではないのだ。だから、中には正直な子もいて、盛んに医師に相談するよう勧める有様だった。  こんな調子では引退も間近と気が弱くなっていた。件の農場に引っ込んで年金で暮らそうか、しかしそうするとビジネスの相棒や、私を頼りにしている退職者に大いなる迷惑をかけるなどと真剣に考え始めていた。  そして、昨夜、古いフィリピン人の友人に、この話をした。そうしたら、彼もしばらく前に背中の筋肉の痛みに悩まされ数週間どうしようもない状況に陥ったとのことだった。それで薬局に相談したら、何とか言う薬を勧められ、三日ほどで完治してしまったそうだ。その後も、痛みが再発することは決してないという。  そこで、食事のあと、一緒に近くのマーキュリー・ドラッグ・ストアを覗いてみた。彼は、あれこれと薬の説明をしてようやく件の薬が現れた。ARCOXIA AC 120mg、一錠が76.75ペソと割と高い薬で、とりあえず4錠を買い求めた。       その夜もマッサージ嬢を呼んでいたので、とりあえずマッサージを受けた。肩と腰の痛みを訴えても馬耳東風のようで、何もしてくれなかった。しかもうつむきで腕を開いていると肩が痛くて、途中でマッサージをギブアップするほどだった。腰の痛みもマッサージの後、返って倍増したような気がした。  そこで、件の薬を一錠飲んで眠りについたが、翌朝、なんと、この痛みの80%位が消えていたのだ。腰はほとんどなんともないし、右腕を上げてまわしてみてもほとんど違和感がない。さらに左肘の骨の痛みも感じない。これなら三日もすれば完治するはずだ。ためしにKIANを抱っこしてみたが大丈夫。まさに感激の一瞬だった。  その昔、同僚の人で、肩の痛みがひどく、マッサージ、針、整骨、電気治療、何をやってもどうしようもない、と出張中の新幹線の中で訴えていた人がいた。そこで母からもらってしまっておいた「百歩蛇神経丸」という台湾製のわけのわからぬカプセルを、だめもとで試したら、と差し上げた。そうしたら、良くなったから是非一瓶手に入れて欲しいと頼まれた。他にも、この薬を上げた翌日に腰の痛みが劇的になおってしまった、という人もいた。  当時は腰痛も何もなくてその薬のお世話になる機会はなかったが、今回は「百歩蛇神経丸」ならず、ARCOXIA ACで同じ経験をさせてもらうことになった。  

肩や腰の痛みに特効薬ARCOXIA AC錠 2012年6月5日


 従来フィリピンの教育制度は小学校が6年、ハイスクールが4年、そして大学が4年(文系)、5年(工科系)で、合計が日本等の諸外国に比べて2年短かった。したがって、フィリピンンでハイスクールを卒業しても日本の大学進学の資格がないなど海外への大学進学に不都合があった。したがって、外国人の子女の教育はインターナショナル・スクールに進学しなければならず、高額の授業料を支払わなければならないなど、外国人にとってフィリピンに在住する上での頭痛の種だった。  今回の教育制度の改革で、現行の小学校6年とハイスクール4年の終了後シニア・ハイスクール2年を創設し、合計12年間の教育とともに、幼稚園1年を義務教育とし、合計13年間の教育を大学進学前に受けることになる。これらの教育について公立学校では授業料は無料で、幼稚園と小学校は義務教育となる。 本制度は本年度ハイスクールに進学する生徒から適用され、4年後の2016年からシニア・ハイスクールが開始され、2018年から新制度の卒業生(18歳)が出る。  シニア・ハイスクールはすべてのハイスクールに併設されるが、大学進学の学生が2年間いなくなることになり、大学に付属のシニア・ハイスクールを併設することも検討されている。 ちなみに、フィリピンでは18歳未満のアンダーエイジ/マイナーの雇用が禁止されている。これは何も花街の話に限ったことではなく、ウエイトレスなどの一般的な職業にも適用されていて、ハイスクールを卒業しても法的に2年間は働く術がないのだ。しかし、大学に進学できない貧しい家庭の子供達が学校を出ても働くことができず、親のすねかじりを続けるなどということなどは実際にはありえず、何らかの形で働いてはいるのだが、法の庇護下になく、低賃金を余儀なくされるという矛盾を包含している。今回の措置で、これら16歳から~18歳までの青少年が無料で就学する機会が与えられるということは大いに歓迎すべきことだ。

フィリピンの教育制度が国際標準に改革 2012年6月3日



以前ブログで紹介した美人女子大生など、若い方がインターネットで見つけ出して利用しているのが、AMAX INN MAKATIだ。単なる普通の民家にも見えるが、いわゆるバックパッカー用の安宿で、この手の宿はフィリピンではめったにめったに見かけることがない。 場所はパソンタモ通りを一歩入ったSantillan通りとDela Rosa通りの角の近く、マカティスクエアの日本レストラン街にも近く便利な場所だ。見てくれは決してホテルやペンションには程遠いが、民家を改造して宿として使っている感じだ。     それでも、小さめの庭やロビーがあってくつろげる。45ペソ均一の格安のカフェもあってありがたい。 部屋は、大き目のスツジオ(ダブルベッドが2つ)が2000ペソ/泊。 普通サイズのスツジオ(シングルベッドが2つ)が1600ペソ、ここまでは値段も部屋も普通のコンドテルとかわらない。  しかし、ここにはさらに、一泊550ペソの個室がある。部屋といってもベッドの広さしかないが、大きな部屋を壁で区切ったもので、一応プライバシーがある。そこには共通スペースがあって、テレビもおいてある。さらに、ベッドスペースが、月極めで4200ペソで借りることができる。エアコンも効いているので、何とか過ごすことはできそうだ。  贅沢さえ言わなければ、十分ステイできそうなので、長期滞在で、しかも予算に限りがある方には向いている。 一応食事と言えるメニューがほとんど45ペソと格安だ。この値段は道路沿いのトロトロよりも安いかもしれない。

格安ペンションAMAX INN MAKATI の紹介 2012年5月26日


シティ・ランドと言えば、老舗の大手デベロッパーで、比較的安価なコンドミニアムをマカティ中心に提供している。現在もブエンディアとサウス・スーパー・ウエイの交差点近く(デラロサ)、パソンタモとパサイロードの交差点近く等に高層のコンドミニアムを建設中だ。  今回、退職者の方が、月々15000ペソ前後でワン・ルーム(スツジオタイプ)の家具付コンドミニアムを借りたいと言うので、シティ・ランド-デラロサを訪問して、希望の物件を見つけることができた。   シティ・ランドと言えば、安かろう、悪かろうの印象が強く、敬遠していたが、不動産屋さんに頼んでも、そんな予算ではマカティにコンドミニアムは借りられないと敬遠され、色々知恵を絞った挙句、ここにたどり着いた。サウス・スーパー・ハイウエイとブエンディアの交差点にあって、いかにもうるさそうだが、逆に目の前にハイパーマートやキャッシュ・アンド・キャリーなどの大型スーパーがあって、便利な立地だ。また、4棟のコンドミニアムが一緒に立っているために、一階にはサリサリやロンドリー、床屋など生活に必要なものはほとんどコンドミニアムの中で賄えそうだ。 屋上からマニラを望む。シティランド-デラロサはマカティの中心街からちょっと外れているため、360度の眺望がすばらしい。西側はマニラ市街地だ。  屋上のプールやジムに案内してもらったが、一流コンドミニアムと比較したら、少々施設の規模は落ちる。しかし、15000ペソで借りられるコンドミニアムでは、普通ならジムやプールは期待できない、ここはかなり充実していると言える。  東側のマカティ方面は上の写真が北側で下の写真が南側だ。横に並べてみれば判りやすいのだが、南側半分はほとんどが新築の高層コンドミニアムだ。サウス・スーパー・ハイウエイの2階、スカイ・ウエイはここから始まる。前方に見えるコンドミニアムもシティランドの物件だ。 この方は、地震をずいぶん心配していた。フィリピンの構造物は中国のように地震でくずれないだろうか。だから高層ビルはいやだ。また、他の安いコンドミニアムではゴキブリの攻撃にさらされて往生したそう。幸い、ここは清潔でゴキブリの影は見えなかった。地震については、 ①フィリピンは火山国でフィリピン海溝など日本に地形は似ているものの、私の20年の経験では、地震らしい地震は2回しかなかったこと(バギオ地震と、最近のネグロスの地震)。 ②マカティは地盤が非常にしっかりしていて、たとえ地震があっても、関東地方のようにゆるい地盤で地震が増幅されることが少ないこと。 ③フィリピンの耐震設計は昔の日本のように構造物の重量の0.2倍の水平力を考慮することになっており(1990年ごろの耐震設計基準)、日本の従来の建物に比べて、地震が少ないだけ安全であること。 などなど説明して納得してもらった。 ちなみにフィリピンで建設中の高層ビルはすべて鉄筋コンクリート製で日本のように鉄骨製のビルはない。これは、下記の理由によるもので、日本に比べて建設費は数分の一ではないかと推定される。そのため、日本の建設会社による、工事は全く見ることができない。 ① 地盤がしっかりしていて、重量の大きい鉄筋コンクリート構造物を容易に支えることができること。 ② 地震が少ないので、設計上顧慮すべき水平力が小さく、重量がかさんでも設計が成り立つ。 ③ 鉄筋コンクリートの材料は、セメント、砂と砂利、鉄筋でいずれもフィリピン国内で調達が可能、すなわち材料費が安い […]

シティランド(デラロサ)からの眺望 2012年5月12日



  このほど、MAさんのフィリピン人との結婚の手続きをお手伝いする機会があった。結婚式はアンヘレスの近くのマガランというところで、そのため、相棒のジェーンとともに立会い人として出席した。マガランはアンヘレスから20分くらいのところだが、典型的な田舎町だ。  MAさんは私と一緒の昭和22年生まれの64歳だ。先妻とも別れて、今は一人ぼっち、まだ現役で働いてはいるものの、将来一人暮らしでは介護などの状況に陥ったとき、面倒をみてもらう人もいないという憂いから、まだ30歳のフィリピーナを再婚の相手として選んだ。彼女の実家には今回初めての訪問だが、2週間の滞在がまるで島流しのようでかなりストレスがあったとのこと。この経験を活かして将来の住処など間違いのないように計画したいと言っている。 妻となったフィリピーナは10歳前後の子供を二人持つシングルマザー、日本に働きに行った経験もあり、片言の日本語を話す。彼女としては結婚してしばらくは日本に行って、家の資金を貯めたいという目論見がある。いわば双方とも典型的な結婚の動機をもっている。 式はマガラン市長が執り行ったが、なかなか厳粛なもので、この間約20分、新郎のMAさんは感激で涙が出そうになり、初婚の妻はMAさんが震えていたと笑っていた。単なる立会人として出席した私は、急遽通訳もやらされてちょっとあせった。 新郎新婦による恒例のキスの場面ではMAさんの照れは尋常ではなかった。しかし生まれも育ちも思惑も違う二人が、これから夫婦として一緒に暮らしていくことは容易な事ではないだろう。妻の執拗な金銭的要求をいかにはねつけていくか、もちろんできるだけのことはするにしても、ないものはないと、きっぱりはねつける固い意志も重要だ。よく話しあって納得づくで進めることが大事で、決して短気を起こしてはいけない。3周りも上の人間を生涯一度しかできない結婚の相手に選んでくれただから、その覚悟を汲んでやらなければならない。 ところで、フィリピンでの婚姻の手順は下記となる。 ① 結婚要件具備証明書の日本大使館での取得(戸籍謄本を準備、離婚歴がある場合はその記述があるものも用意する) ② 婚姻許可証を妻の住まいのある市役所で取得。10日間の掲示を経て発行される(具備証明のほかに、妻の出生証明、未婚証明(CINOMA)などが必要) ③ 挙式(牧師、判事、市長などが式を執り行う資格を持っている) ④ 市役所での婚姻証明書の取得 ⑤ 日本大使館あるいは日本の最寄の市役所あるいは日本大使館に婚姻の事実を届け(①から④までの手順で作成・取得したすべての書類を翻訳して提出する)、戸籍に反映させて手続きは完了する なお、手続きを簡単に済ますためには①から④間での手続きを市役所の登録事務所に一括して任してしまうことだ。いくばくかの金で約2週間でやってくれる。したがって、①から⑤まで、約3週間の滞在で完了できる。 式を終え、婚姻許可証の発行にも目処がついて、MAさんはほっとした様子。さすがに新婦と寄り添って幸せそうだ。新婦の二人の子供も加わって、市長室で記念撮影を行った。  この後、身内の人が集まって披露パーティを行うそうだが、そのときの姻戚一同の騒ぎっぷりは想像に難くない。

MAさんの結婚 2012年5月2日


  JALなどほとんどの外国航空会社が発着するターミナル1での出迎えの難しさについては何度か報告してきた、特に拙著「金無し、コネなし、フィリピン暮らし」の136~141で詳しく解説しているが、ターミナルビルを出てから、道路を横断し、左右の斜路を下ってやっと待合所に到着する。そしてさらに道路の反対側で待っている群集の中から出迎え人を探し出さなければならないという、世界最悪と揶揄されるほどのややこしさなのだ。 出迎えの人は到着客が待つ場所とは道路を挟んで向かい側で待たなければならない。かなり離れているので顔見知りでない限り見つけることは不可能だ。  私自身が出迎えるのならばまだしも(自家用車で行って、待合所で降りて到着客を待つこともできるが、タクシーできたり、運転手のみではそうはいかない)。フィリピン人に任せたとしたら、果たして出会うことができるのか、神頼みといえる。だから出迎えを頼まれたとしても、タクシーあるいはホテルリムジンで市街地へ向かうのが間違いないと、ほとんどの場合、断っている。私に断られたので、別途出迎えを手配したら、出会うまで3時間かかったという話もあった位だ。 到着客が待つ場所には出迎え人は入ることはできないが、運転手付の自家用車でやってきて、ここで降りて客を待ってもとがめられることはない。これは外国人だけに許される特権かもしれないが。  最近、女性の一人旅で、初めてのフィリピン訪問、さらに夜中に到着し、しかも当社のゲストハウスを利用するということで、出迎えを送らざるを得ないことがあった。あらかじめ詳細を連絡し、柱番号1で待つようお願いした。お互いの顔も知らずに、見つけることなど不可能に近いから、出迎えの運転手に写真を渡し、本人は指定された場所で待って見つけてもらうという段取りだ。もちろん運転手の写真も送ってはいるが、フィリピン人は皆、同じに顔に見えるし、道路越しでは発見は不可能だ。よく名前を書いて掲げているのを見かけるが、これもちょっと当てにならない(他の人が真似をして名前を掲げて、どっかへ連れて行かれてしまう、という話を聞いたこともあり、ちょっとはばかれる所だ)。 しばらく前にアルファベットだったものが、番号に変わっていて、大慌てしたことがあった。そうしたら、評判が悪かったのか、またアルファベットに戻ってしまった。  この日、当社のスタッフのボボイを出迎えにやったが、彼から柱番号1などという表示はない、その代わりにアルファベットの看板が下がっているという連絡が入った。だから本人のイニシャルの下で待っているよう伝えて欲しいという。しかし、もはや手遅れで連絡のしようがない。だからボボイには一箇所で待たず、待合所の端から端までの往復を繰り返して探すよう指示した。それから小一時間して無事に出会ったとの連絡を受け取り、ほっとして寝たが、すでに夜中の1時を回っていた。  他の方の話だが、私の勧めで、空港タクシーでマカティにやってきた。料金はいかがでしたかと聞くと、1000ぺそ支払ったという。本人も高いと思ったので、問いただしたが正規料金ということで支払ったとそうだ。これはタクシーではなくてレンタカーだったのだ。そのため、空港から市街地へ向かう方法について触れる。空港から乗れる公共交通手段は4種類あって、値段は2倍、4倍、8倍と異なるので要注意だ。しかし、一番高いものでマカティまで2000円程度なので大勢に影響はないが。  一番安いのが一般の乗り合いタクシー。ターミナル2なら階段を上にあがって出発客が降りたところをつかまえればよいが、ターミナル1では難しいが、ターミナル3は乗りあいタクシー用の乗り場があって、いつも長蛇の列だ。これなら100ペソちょっとでマカティまで行ける。  次はイエロータクシーで黄色い車が並んでいるところで待てばよい。値段は初乗りが70ペソ(一般のタクシーは40ペソ)でほぼ倍の料金、マカティまでは200ペソ代。しかし、一桁上の料金(2000ペソ)を請求されたり、ドル建て料金(200ドル)だと吹っかけるけしからんドライバーもいるので要注意。  次にちょっと高いが一番安心できるのがクーポンタクシー、バンタイプの車が多いので荷物が多くても大丈夫だ。料金は固定性でマカティまで440ペソ。もちろん運転手はチップを要求するが20~50ペソも渡せば十分だろう。クラークやスービックなどの遠距離サービスもある。 クーポンタクシーはこの看板のあるところで申し込む。行き先を告げると料金の書いてある紙(クーポン)を渡される。料金は下りるときに運転手に支払う。 最後に空港職員にタクシーはと聞くと、必ずといっていいほど、連れて行かれるのがレンタカーのブースだ。空港職員だから間違いないと思うのが大間違いで、規定料金なのではあろうが間違いなくコミッションが入るのだろう。しかも、事情を知らない外国人は、マカティまで1000ペソ(2000円)という料金は安いとさえ感じて、はいそうですか、と法外な料金を支払ってしまうのだ。仮に空港の誰かに聞くとしたら、単にタクシーではなくて、イエロータクシーあるいはクーポンタクシーはどこかとはっきり告げることだ。下右の写真にあるようなTransport Serviceなどとなんだかはっきりしないのはやめておいたほうが良い。 […]

NAIA ターミナル1の出迎え 2012年3月31日



  PRAの集いがあり、マッサージなどが只でやってもらえるというので、暇をもてあましていたので、出かけて行った。確かにPRAの職員が10人ほど来ていたが、どう見ても単なるコンドミニアムの商談会だ。しかし、せっかく来てしまったのだから、それもよろしかろうと、しっかり只のランチとマッサージを楽しんで帰った。 受付で笑っているのは、PRAの退職者サービス・グループのマネージャーのピットさん。 KIANに顔を寄せているのはPRAの営業部長のノエルさんだ。ジェーンと友人のマルーはまじめな顔をして販売担当の話に耳を傾けている。 プロジェクトの名前は、Arya Residence、ボニファシオ・グローバル・シティのマッキンリー・パーク・ウエイに建設中の高級コンドミニアムだ。モデル・ルームは1LDK- 66m2、2LDK-92m2、2LDKExec-127m2などSMDCのプロジェクトなどに比べて、広めのコンドミニアムだ。しかし、値段を聞いてびっくり、それぞれのユニットが、約10M、14M、19Mペソと平米単価はなんと15万ペソ(30万円)もする。円換算でも2000万、2800万、 3800万円で、もはや日本と大差のない価格帯だ(広さや場所の違いはあるが)。 内装は確かに立派でため息がつくほどの高級感だ。先のワン・サルセドのコンドミニアムの一枚上を行く。これだけ立派な内装と家具、調度品を含んだ値段とすれば、こんな値段もありうるのかと思い、担当者にフル・ファーニッシュ(家具付)かと聞いた。ところが答えはフル・フィニッシュ、要は壁や床天井の仕上げを含んでいるだけで、家具調度など一切含まれていないというのだ。ここからこの贅沢な調度品を除いたら単なる狭苦しい空間が残るだけで、そんな空間に誰が数千万円の金を出すのだろうか。 ちなみに、マカティの我が家は築20年近い中古とはいえ、4LDK-200m2の物件を400万ペソで買って、改装や家具に100万ペソかけ、全部で 500万ペソ、平米単価は2万5千ペソ足らずだ(相場的には平米5万ペソ)。この物件はその6倍の値段でしかもベア(空)だ。フル・ファーニッシュなら7~8倍はするだろう。一体どこまで相場は上がるのか、そんな高値のコンドミニアムがいつまで売れるのか、そして空前のブームとなっているコンドミニアム建設ラッシュはいつまで続くのだろうか。  

ボニファシオ・グローバル・シティのコンドミニアム・プロジェクト 2012年3月17日


  2012年4月12日追記。 一昨日若い訪問者を案内して、マカティスクエアで両替をしたら、その両替屋でトラベラーズチェックも扱うという看板を見つけた。本当のそうかと店番のモスリムの女性に聞いたら、確かに扱うという。ただし、通常のドル現金比べて、1ドルにつき 1.15ペソ交換比率が悪くなるとのこと。先日、ある退職者の方が退職ビザの申請料、1400ドルと年会費の360ドルをトラベラーズ・チェック(TC)で用意してきた。そこでびっくりしたのが私だ。TCは、フィリピンではほとんど役に立たないのは常識で、ここ20年以上、目にしたこともなかった。この方は、海外旅行歴の長い方で、まさかフィリピンでTCが使えないなんで考えだにしなかったそうだ。  「地球の歩き方」などでも、よく探すと「使用は困難、銀行での現地通貨への交換手数料が高い」などとは書いてあるものの、実際問題、全く使いもにならないといえる。フィリピンでは一番は円の現金で、旅行はこれで十分。ただし、家を買うとか、大きな買い物をする場合は、当地に口座を開いて、円やドルを銀行送金するほうが無難だ。ちなみに1万ドル以上の現金の持ち込みは申告する必要があり、それに違反した場合は没収されることさえありうる。 まず、TCをお馴染みのバンク・オブ・コマースに持ち込んだが、退職者の口座に振り込むことは可能だが、さらに引出して現金化するには21日間の確認期間がいるという。それでは退職ビザの申請もできないし、旅行中の経費にも使えない。次に、両替所で替えてくれるかもしれないというので、マカティ・アベニューの有名な両替店サンリーズに持ち込んだが、あっさりNO。次に、ブエンディアのAXAビルの前にトマス・クックの事務所があり、そこで替えてくれるというので行ってみたが、すでに事務所はない。同じビルの多少付き合いのあるPSバンクによってみたが、やはりNO。  そこで照会されたのが、BPI本店(Bank of Philippine Island)だ。そこなら替えてくれるという。BPI本店にあった両替所では扱っておらず、なんとか対応してもらえそうな窓口を見つけて話をした。なんとかなりそうだったが、最後にBPIに口座を持っている人だけを対象とします、というつれない返事。一般の旅行者が銀行口座を持っているはずがないではないか。また、その際、TCの一方にサインがしてあることが必要で、両方のサイン欄が空白のものは銀行としては受け付けられないというので、これまた注意が必要だ。  最後に旅行会社に相談したら、誰か個人的に割り引いてやるしかないという。すなわち、手形のように手数料を取って現金を受け取り、TCをその割り引いた人の口座に振り込んで、21日間の時間を稼ぐということだ。ちなみに手数料は5~10%になるそうで、TCの購入代も含めて大変な目減りとなる。だから、フィリピンにTCは絶対にもって来てはいけないのだ。 上の写真はTCの交換のためにマカティを歩き回っているときに目にした風景。パソンタモ通り沿いのキングス・コートとマービン・プラザ(ともにかつて私が事務所を構えていたビル)の間、20年以上空き地となっていた所にいよいよコンドミニアム・ラッシュの波が押し寄せてきたのだ。土地のオーナーは長い間土地の値上がりを待っていたのだろうが、この建設ラッシュで相当な高値で売却したのだろう。この部分はパソンタモ通りのごみためみたいになっていて景観を著しく損なう元凶となっていたのだが、このプロジェクトでかなりパソンタモのイメージがアップするだろう。遠方に見えるのはすべてマカティの中心街に建設中のコンドミニアムだ。  

トラベラーズチェックはフィリピンではご法度 2012年3月16日