農場の農産物と言えば、まともなものは米だけだが、最近、息子が滞在して、色々な農産物に挑戦している。ゆくゆくは自給自足を目指しているが、目標としては有機無農薬の一歩先を行く、無肥料無農薬(自然農法)だ。虫も食べないような野菜は人間に良いわけがない。また、自然の植物の堆肥以外の鶏糞や牛糞などもなにが混ざっているかわからないし、有機というだけで安全というわけにも行かない。だから、自然の草木以外の肥料さえもやらないというのがポリシーだ。 ちなみに、農場で出来るバナナやパパイヤなどの果物は、幸か不幸か、植えただけでほったらかしだから、期せずして自然農法となっている。 安価で栄養価の高いパパイヤ。いつでもどこでも幾らでもなる。しかも青い実は野菜、熟したものはみずみずしい、マンゴ、バナナ、パイナップルと並んで熱帯果物の王様だ。 糖尿病などにも効くというグアバ、甘みもなくて、果物と呼ぶのがふさわしいかどうか疑問がある。 チョコレートは大好きでも、その原料を知る人は少ないだろう。木の幹から直接なっているカカオがそれだ。 白い果実に包まれた茶色の実、これがカカオだが苦くて口にする気にはなれない。 白い部分を食べて、残った種を乾かして発酵させ、すりつぶしたものがチョコレートの原料となる。さらに砂糖と油こねて食べるのだが、市販のチョコレートのまろやかさには遠く及ばない。 いよいよバナナだ。一生に一回しか実をつけないが、その量には圧倒される。自然農法のバナナはほの甘くておいしい。 このえたいのしれないバナナも立派なバナナで、案外おいしい。まさにバナナの原種を思わせる。 一見、ただの草のようだが、レモングラスという立派なハーブだ。ハーブティーやチキンのおなかに入れて香りを出すのに使われる。農場の道沿いには大量に生えている。 日本から持ってきた種でつくった貝割れ大根。息子の味噌汁の具として重宝している。 地上最大の果物として有名なランカ(ジャックフルーツ)。果物の王様あるいは悪魔といわれるドリアンに似ているが、はるかに食べやすい。これも若いうちは野菜として、熟すと甘い果物として重宝されている。 今回、初めて見かけたが、なにやらおいしそうだ。塀を覆っているポインズンアイビーが育ちすぎて実をつけたものだが、その名の通り毒がある。 農場の主な産物は米だが、これは、農夫に任せっきりで、無肥料、無農薬にはまだ程遠い。いずれ、私が引退して農場に常駐するようになったら挑戦するつもりだ。