6月18日追記:被害にあった退職者の方は、このような被害は多発しているに違いないが、事件を公にする気配がないと腹を立てていたが、6月17日のマニラ新聞にようやくBDOという名前入りで事件が公表された。表現としては複数とだけなっているが、相当の数に上っており、苦情の多さに耐え切れなくなったのだろう。手口の詳細はあきらかではないが、6月始にはBPIで口座残高がかってに変更されるなどのシステムの不具合により、全国のATMが使用停止になるなどの事件がおきたばっかりだ。いよいよ箪笥預金復活の日がくるのだろうか。箪笥預金なら相続税がかかる心配もないし、せいぜい火事で燃えてしまわないように耐火性の金庫を備えておく必要があるだけだ。それとも、宵越しの金は持たないというフィリピン流の生活態度が一番だろうか。 先日、退職者の方から、銀行カードから不正にお金が引き出されるという被害にあったと連絡があった。SMデパートでBDOの銀行カードを使って買い物をした後、知らぬ間に3万ペソが引き出されていた。早速、BDOに被害届をしたところ、引き出しはイタリアで行われており、間違いなくスキミング詐欺で、60日後に損害を補填すると告げられた。手口は、カードの読取機械にスキミング装置を取り付け、カードの情報をコピーし、さらに何らかの方法で暗証番号を盗んで、引き出すというもので、日本でも頻繁におきている詐欺だ。特にスーパー等のレジにに設置してある読取機械は店員の意図でなんとでもできる。 街のいたるところにはATM機械が設置されており、庶民の生活にはなくてはならないもになっている  そのため、ATMの機械には注意が喚起され、暗証番号の入力ボタンにはカバーがされて、機械の上部にカメラなどにより入力する暗証番号を盗まれないようにしてある。それでもカードの情報をスキミングして暗証番号を盗んで不正に引き出すことが頻繁におきているということは、スーパー等の店員がグルになっている可能性が大きい。SMデパートでは詐欺が行われたことがアナウンスされておらず、評判になるのを恐れて、そのことを隠している様子がある。  カーネルに聞いてみると、デパートや銀行は、詐欺が発行されたことを公表したがらず、被害を弁償することにより、内々に済ましてしまう傾向にある。詐欺が発生したことが、評判になって客足が途絶えるということを危惧しているためだそうで、このことが詐欺集団を野放しにしている公算が強い。 暗証番号の入力ボタンにはカバーがかけられて入力番号を盗まれないようになっているのだが  BDO、メトロバンク、BPIなどのユニバーサル銀行では、銀行の発行するカード(国際カード)で、海外でもお金を下ろすことができ、これが売りになっている一方、海外で不正に下ろされた場合は、捜査が難しい。しかし、Bank of Commerceなどのカードは、海外で下ろすことができず、詐欺集団としては国内で引き出す必要があり、CCTVなどで引き出し現場を押さえられて、足がつきやすい。海外でも下ろせるか国際カードはそれが利点である一方、リスクをかかえており、そうでないカードは利便性に欠ける一方、それが利点にもなっている。 カードのうらにCirrusやPLUSのマークがあるのが国際カードだが、磁気カードは簡単にスキミングできるが、ICチップの入っているものはスキミングが難しいらしい。だから、銀行はICカードに変更するよう促している。そのためか、先日、メトロバンクでは頼みもしないのにICカードに交換させられた。 すべてのATM機械にはこのような警告が表示されているが、レジの店員詐欺集団の仲間だったら、どうしようもない  私は、たいした預貯金もないので被害にあったとしても知れているが、少なからず、客から預かったお金が口座に入っている。特に、日本の口座に振り込んでもらったSRRVの年会費などをフィリピンでおろして支払いに充てているが、一回10万円以上で、これを盗まれたらやばい、かといってこれをやめるわけにはいかない。したがって入金したら、即座に下ろして現金で保有するというのがリスクを最小限にする方法のようだ。 新生銀行に新しい口座を開いて、フィリピンでお金を下ろそうとしたら、限度額を超えているという表示が出ておろせない。ためしに500ペソを下ろそうとしたのにだ。問い合わせてみると、新規の口座のカードについては、海外で引出限度額が0円に設定されており、海外で利用する時は、限度額を最高10万円までに引き上げることができるあった。これは、スキミング詐欺で海外で引き出すことを防止する目的で、海外旅行から帰ってきたら、即座に限度額を0円にするようにとの警告があった。要は使うときだけ、インターネットで使えるようにすることができるのだが、まとまったお金が入っている時は限度額を0円にするなどの処置を取れば、スキミング詐欺を防止することができるということを知った。 一方、買い物はいちいち銀行カードを使ったりしないで現金で決済するべきだ。スーパーの買い物したとき、レジで前の人がカードを使っていると、時間がかかるので、やきもきして、これぽっちの買い物に一々カードを使うなと、いつも心の中でつぶやいているが、私の主張は正しかったようだ。 相棒のジェーンにその話をしたら、預かり金は、すべて通帳だけの口座か定期預金にしているそうで、それがカーネルのアドバイスだと、したり顔に話していた。便利なはずのものが詐欺集団のねらいめになるという、時代の動きに相反する事態だ。カードや携帯で何でも決済できる便利さは時代の趨勢だがそれなりのリスクを併せ持っていることを肝に銘じなければならない。ただし、ジェーンはほとんどすべての買い物はクレジットカードを使っている。フィリピンのクレジットカードは、後から請求書が来るので、その時チェックして支払わないという選択肢があるので、日本のように自動引き落としと違って不便なだけに安全のようだ。 […]

銀行カードのスキミング詐欺にご注意 2017年4月30日掲載 6月18日追記


マニラ新聞が発行している「よるナビ」5月号に興味深い記事が載っていた。ほとんどがマニラのナイトスポットの宣伝と紹介なのだが、さすがマニラ新聞が編集するだけあって、読み物も興味深いものが多い。米経済誌フォーブスによる2017年度版、世界の資産10億ドル(One Billion 約1100億円)以上の長者番付だが、世界で2043人、フィリピンでは14人が番付に入っている。フィリピン人トップはSMデパートを率いるヘンリー・シー(94歳)で、資産は127億ドルで一兆円を優に越え、世界ランクは94位。フィリピン人では唯一100位以内に入った。 第1位.ヘンリー・シー 94位、127億ドル(一兆4千億円) 一介の靴の修理屋から身を起こし、一代にして、一兆円をこえる資産を手にした中華系フィリピン人。フィリピン全土に巨大なSMモールを展開し、小売業界の王様だ。最近ではコンドミニアム・ブームに便乗し、傘下のSMDCが巨大なコンドミニアムを、これまた、マニラ中に建設した。さらに、バンコ・デ・オロとエクイッタブルPCIの二つの傘下の銀行を合併させて、メトロバンクを抜いてフィリピン最大の銀行を誕生させた。街にはやたらとBDOの看板が建ち並び、支店数は1128とメトロバンクの959を凌駕する。さらに最近では中国本土にも再上陸して、デパートチェーンを展開しているようだ。さらにマカオのカジノ王、スタンレー・ホーと提携して、シティ・オブ・ドリームスを開業している。 巨大モールの総仕上げともいえるマニラ湾のMall of Asia、世界で3番目、中国を除くと、世界一という巨大なモールだ 巨大という文字が好きなのか、SMDCが開発するコンドミニアムは軽く1000ユニットを越える、マカティのJAZZ 全国に1000軒を越える支店網を誇る マニラ湾の埋立地に開発が進んでいるエンターティメント・シティに出現した巨大カジノシティ・オブ・ドリームス 第2位. ジョン・ゴコンウエイ 250位 58億ドル(6400億円) 第一位のヘンリー・シーと同じく中華系フィリピン人、全国に巨大なロビンソン・モールを展開し、コンドミニアム開発も手がけるが、SMの後塵を拝している。しかし、格安航空のセブパシフィックはナショナル・フラッグであるフィリピン航空をしのぐ勢いで、NAIA(マニラ空港)のターミナル3をほぼ独占的に使用している。日本の主な空港にも乗り入れていて、日本でもおなじみになっている。 NAIAターミナル3の前にはセブパシフィックの機体が並んでいる 第3位. ルシオ・タン 501位 37億ドル(4070億円) タバコ王、あるいは脱税王とも呼ばれ、評判は今一の感がある。ナショナル・フラッグのフィリピン航空を率いるが、従業員のストライキなどで世間をにぎわしている間にゴコンウエイのセブパシフィックに第一位の座を奪われた。最近、傘下のPNB銀行とアライド銀行を合併させて、商業銀行としてはフィリピン第4位の銀行を誕生させた。 […]

フィリピンのビリオンネヤー 2017年6月13日



マニラ湾の埋立地、エンターテイメント・シティに金色に輝くOKADA Manilaが開業したというので、是非、見学に行きたいと思っていた。総額、4200億円という途方もない資金を投入し、近い将来、世界一のカジノ・リゾートが出現するというのだから、一目見ないわけには行かない。幸い、空港ターミナルをつなぐスカイウエイがここ、OKADA Manila があるエンターテイメント・シティにもつながっていて、マカティから15分程度の至近距離となっているから、ほんの一走りだ。 エンターテイメント・シティには、ここ数年の間に2軒の大型カジノ、ソレアとシティ・オブ・ドリームスが開業し、そこそこ繁盛していて、いずれも2017年度は黒字化が見込まれている。そして、OKADA Manilaが3軒目で、さらに先日襲撃放火事件のあったリゾートワールドの二軒目のカジノが建設中で、合計4軒のカジノリゾートが開業する。政府は供給過剰を危惧して、カジノライセンスの新規発給は5年間停止されるそうだ。 フィリピンのカジノはいよいよ本格的な勃興期を迎え、フィリピン経済の牽引役と期待されているが、そんな矢先に起きたリゾートワールド襲撃・放火事件は、ドテルト政権を転覆しかねない大事件だった。エンターテイメント・シティの3つの巨大カジノに対しても大きな負の影響をもたらすことだろう。 OKADA Manilaは日本のパチンコ王岡田和生氏によって開発中で、カジノとホテルは、すでに開業していて、今後、40万平方メートルの土地にショッピングモールと住宅、それにレジャー施設までも建設されていく予定だという。ドリーム・プレイのようなテーマパークも建設されるそうなので、キアンを連れて訪問したいと思う。その頃は妹のクッキーも一緒だろう。 空港からエンターテイメントシティに向かうスカイウエイに設置されたOKADA Manilaの大きな看板 近くまで来ると窓の無いピラミッドを髣髴させる建物に圧倒される 入り口に停まっていた送迎用の車はなんとロールスロイスだ。OKADA Manilaのシンボルカラー紅紫色に塗られている シティ・オブ・ドリームスでもそうだったが入り口には長身の女性が客を迎えている […]

巨大カジノリゾート、OKADA Manila オープン 2017年6月12日


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ここ数年、快食快便を続けていたのだが、今年2月、日本の名古屋に出張したときから異変が起きた。フィリピンを発ってから4日目の朝、ようやくもよおして旅館の共用トイレに駆け込んだ。しかし、いくらきばってもうんともすんとも出てきそうに無いのだ。出産の思いはこんなものなのかなどと思ったりもしたが、要は赤ちゃんの頭が見えても出てこない状態だ。助けを呼ぶわけにも行かないし、時間だけが経過していく。恐る恐る手でふれてみると、そこには湿り気がほとんどない粘土のような、がちがちの物質があった。どうやってこの難局を乗り越えたかは想像にお任せするが、その時は、コンビニやファミレスの食事が原因で、フィリピンに帰って元の食生活にもどれば解消するものと軽く考えていた。   しかし、その後も多かれ少なかれ、同じ状態が続いている。2~3日に一回試練の時は来るが、硬いだけで出るべきものは、奥の手を使ってなんとか出せたのでいずれ回復するだろうとほっておいた。ところが最近、事態はとんでもない方向に発展した。家のメンテをやってくれる大工さんが田舎からやってきて、私の部屋のトイレの便器を直すのだという。何のことやらわからないが2日ほどトイレが使えなくなった。直ったというので、早速使ってみると、早速、例の硬い物質で便器が詰まってしまった。   相棒のジェーンに報告すると、そのために大工を田舎から呼んで便器を直したのだという。私のトイレの便器が詰まってしまうのは家中、有名な話で、メイド泣かせになっていたのだそうだ。メイドが何とかして欲しいとジェーンに訴え、だから大工を呼んだのだと、ジェーンが種明かしをしてくれた。正面から私に文句を言うわけにも行かず、密かに行動をおこしたらしい。それでもだめなら、便器を取り替えるしかないと、ジェーンはDIYのウイルコムに新しい便器を買いに行ったが、見た目ではどれがよいかわからない。しかも中のパイプの太さはどれも一緒で、特に大きい、硬い便用のものはないそうだ。それでは大枚(5000~15000ペソ)をはたいて便器を買う意味もないので、あきらめたのだが、大工が出来ることはタンクの水位をあげてより多くの水が出るようにすることぐらいだった。   ジェーンは話が話だけに、便のことを幼児語のポポと表現していたが、マティガス(硬い)ポポをどうしたらよいか、かつて見たことが無いようなマラケ(大きな)ポポだったというメイドの話に、キアンも大笑いだった(本人としてはちゃんと流したつもりだったがメイドは知っていたのだ)。ジェーンも顔を真っ赤にして噴出しそうになるのをこらえながら議論は続いた。結論として私が、ポポをマランボ(柔らかい)、マリイット(小さい)にするしかないということになって、インターネットで検索して方法を探ることにした。ジェーンの薦める便秘薬だけは飲みたくないというのが本音で、食べるものの工夫でなんとかなるというのが目論見だった。   インターネットを検索してみると、同じ悩みを持っている人がたくさんいると見え、たくさんの記事があり、主な解決策として下記が書かれてあった。 1.水をたくさん飲む 2.繊維質を多く摂る 3.温水シャワーを局部にあてて便を水分で柔らかくする 4.バージン・オリーブ・オイルを摂り、さらに局部に塗る 1と2は当たり前のことで、十分やっているつもりだ。3は設備的にどこでもというわけには行かないし抜本的解決法とは思えない。そして、4.の解決策が心に響くものがあった。バージン・オリーブ・オイルは今でも食卓においてあるし(しばらくほこりをかぶっているが)、バージン・ココナッツ・オイルは毎晩、足や手、それに顔に塗って肌の潤いを保つようにしている。参考ブログ「奇跡の食用油、ココナッツオイル2015年7月13日」。ただ、ココナッツ・オイルを局部に塗るのは、かつて、すべりが良くなりすぎて意思に反して漏れ出しそうになったので、控えていたが、今の状況においては望むところだ。   […]

硬いウンチで便器が詰まってしまった 2017年6月11日



最近、テロ事件などで防犯カメラが犯人逮捕に活躍している。先日のリゾートワールドの襲撃事件でも防犯カメラに犯人の行動の一部始終が捉えられていた。また、車の全面にアクションカメラあるいはドライブレコーダーを取り付けて、事故などが発生したときの状況把握に使うことが広まっている。6月10日の東名高速道の事故では反対車線から空中を舞って乗用車がバスに突っ込んでくるという強烈な映像が流れた。これらのカメラは中国製のものが数千ペソで手に入ると聞いておおいに興味を持っていた。しかしながら使い道がみつからず、無駄に5000ペソを使うのももったいないと思い、そのままになっていた。 たったの1000ペソということなので遊び心でアクションカメラを買ってみた ところが先日、マカティスクエアの地下の雑貨店で、なんと1000ペソの車載カメラを見つけたのだ。店の人が使っているのを見ると、何とかいけそうで、捨て銭になってもいいと衝動買いをしてしまった。家に持って帰って、マニュアルを見るとなんと中国語で、皆目使い方がわからない。そして店に持って行って聞いてみると、その場では分かったような気になるが、いざ自分で使ってみるとさっぱりだ。そこでインターネットにアクセスしてみると、同じ悩みを持つ方が多いようで、懇切丁寧に説明してあった。機種は違ってもおおむね使い方は同じで、結局、使い方をマスターするまでに2週間かかってしまった。壊れかけた自分のカメラの代用使ってみようかと思ったが、バッテリーのキャパが小さくて、普通のカメラ代わりとは行かないようだ。そこで、本来の使い方である、車に取り付けてみたが、調子は上々だ。 車外の様子をビデオで取り続けるので思いがけない傑作写真が取れるのではないかと期待したが そして、取り付けた、その日の内に相棒のジェーンから小言があった。先週から、この手のものをダッシュボードに取り付けることが条例で禁止になった。警官に捕まるから、取り外せというのだ。確かに、翌日のマニラ新聞に陸運事業認可調整委員会(LTFRB)という長ったらしい名前の政府機関が「ダッシュボードの小物などの設置を取り締まる」との記事が載っていた。まさに、このアクションカメラはたった一日の命だった。新聞によると、運転手の視界をさえぎるような小物、人形、携帯の車載スタンドなどが規制の対象となっている。車内での携帯の使用は、もちろん以前から禁止されているが、最近流行のカーナビなどの設置も不可で、ちょっと不便だ。 これに対して異論を唱えたのがカトリック司教協議会(CBCP)で、フィリピンではダッシュボードなどにキリスト像やマリア像を飾って信仰の対象としているので、それを阻害するものだといって反対した。そして、問題は、運転手の無知や不注意、粗暴な振る舞いが問題であると指摘した。しかし、こんなくだらない規制をするくらいならば、私が規制して欲しいと思うのは、オートバイや自転車のすり抜け、割り込み、はみ出し運転だ。最近は100mごとにヒヤッとさせられる。まさに暴虐無人の運転で、それをカメラに収めたいと思っているのに、それがあかんというのだが、つるんでいるのかと疑いたくなる。参考ブログ「路上バトルの新参者、オートバイと自転車 2017年5月10日」 私の友人が目の前を着陸寸前の飛行機の撮影の成功した 6月16日追記 6月15日の新聞によると、カトリック司教協議会(CBCP)の抗議に応えて、ダッシュボードの上、10cmの範囲(セーフゾーン)に車載スタンドやキリスト像などの小物を置くことなどはOKとなり、運転中の携帯の使用などを含めて(ただしイヤホンを使用する場合はOK)、違反者は初回、5千ペソ、最大で2万ペソの罰金が課され、7月第一週から施行すると発表した。私の主張するオートバイのすり抜け、割り込み、はみ出し運転については音沙汰はない。

ダッシュボードの小物の取り締り 2017年6月11日


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この話題は、3年ほど前にも取り上げたが(3人寄れば二人はおでぶちゃん 2014年1月26日)、フィリピンの女性は相変わらずおでぶちゃんのオンパレードで、街を歩いていて、細身というだけで振り向いてしまうほどだ。原因は、もちろんフィリピンの食生活。甘いものが大好きで、ライスをやたらと食べる、スパゲッティやピザもおやつ代わりにバクバク食べる、しかも歩くのが大嫌いだ、と来ているから当たり前だろう。 しかしながら最近のマニラ新聞の記事によると、世界190ヶ国の成人の肥満率ランキングによると、フィリピンの肥満率は6.3%で、世界147位。トップはサモアの74.6%で、東南アジアではマレーシアが最高で、14%(122位)、ついでタイが8.8%(134位)、そしてブルネイ、シンガポール、フィリピン、インドネシアと続く。ちなみに日本は5%で155位。すなわち、日本も含めて東南アジアの肥満率は大差がなくて、しかも世界的に見ると、決して肥満大国ではないことになる。しかし、印象的には、フィリピンの巷の女性は、ほとんどが肥満と感じる一方、日本で肥満女性を見ることはまれだ。 キアンの水泳教室を見守るお母さん方も、のきなみ肥満体だ  この印象と統計の違いはどこから来るのだろうか。多分、肥満の定義そのものにからくりがあるのではなかろうか。サモアの映像を見ると、女性も男性も皆、肥満を通り越して、小錦なみの巨漢だ(サモア出身の相撲取りで大相撲史上最重量の巨体、275kgを誇った、現在も芸能人として活躍中)。肥満度をはかるものとしてBMI値というものがあって、BMI値=体重(cm)/身長(m)の二乗が25以上を肥満と定義するのが一般的た。その場合、150cmの身長ならば56.25kg、170cmならば72.25kg以上が肥満ということになり、イメージに合致する。ちなみに小錦は187cm、275kgだからBMI値は78.64というとてつもない数値になる。私自身は176cm、65kgだからBMI=20.98で理想的だ。一方、キアンは118cmの29kgでBMI値が20.83でこれまた理想的。大分背が伸びて肥満体のそしりはまぬがれたようだ。 先日リサイタルがあった音楽教室でも肥満女性が闊歩している  この肥満の定義をBMI値=50程度に設定したとすると、150cmの女性で、112.5kgとなり、170cmの男性で144.5kgとなり、こんな巨漢はフィリピンでもそうめったに見かけない。したがって、日本でもフィリピンでも統計的な肥満のパーセントは大差ないことになるだろう。この統計を肥満の定義としてBMI値=25にしたとしたら、フィリピンでは肥満率50%以上(特に成人女性に限った場合)、日本ならやはり5%程度となるのではなかろうか。この辺は統計と数字のマジックのなせる業だろう。 キアンのBMI値は20.8で理想的だ

フィリピン人の肥満率は日本並み?2017年6月11日



 今年もキアンのピアノリサイタルがやってきた。6月4日の日曜日、両親は、普段、ほとんど興味を見せないで私にまかせっきりだが、この日ばかりはおめかしをして家族一同で出かけていった。リサイタルの2ヶ月ほど前、先生から週一回を2回に増やせないかという提案があった。キアンの張り切りようを見て、2回どころか、週3回を提案した。週3回、一時間のレッスンに張り付かなければならないのは時間的に少々きついものはあるが、キアンのやる気を感じて決断した。ちなみに月当たり(12回)の授業料は4500ペソになるが、それも少々きつい。その結果、今まで曲を弾いているというには程遠かったものが、両手の5本指を駆使して、去年に比べてはるかに高度な3曲を、見事、そらで弾けるようになっていた。リサイタルという目標をおいて、それをやりこなすことにより、達成感を感じて、人は成長するものなのだ。写真番号をクリックして動画を見てください。口を開いている時はキアンが集中している証拠だ。「CIMG0015」 譜面を見ながら右手と左手の指を別々に動かすことが出来るということは、私にとってはもはや神業に映る  リサイタル直前になって、2000ペソの参加料を教室から請求された。てっきり只だと思っていたのが甘かった。教室も商売だから、この際、一儲けしようという魂胆だろう。会場は、アルファランドのモールの一角で、只みたいなお金で借りているはずだ。そんな愚痴をママ・ジェーンに話すと、ママ・ジェーンは「止めたら」と一言。傍らで聞いていたキアンは泣きそうな顔をして、「参加したい」となきついてきた。そうなるとNOとも言えず、財布の紐を緩めざるを得ない。 受付で登録して番号札をもらうキアン、少々緊張気味だ リサイタル会場全体。リサイタルは2部制で到着した時は第一部の演奏中だった 第二部の開始に先立って恒例の記念撮影、キアンは緊張で紅潮している 両親も記念撮影に参加、キアンというより両親の方が熱心に被写体になりたがる 出番を待つキアン、番号札は25人中7番でまだまだ新米の内だ エキジビジョンでボーカルギターを演奏したのは、普段から教室でうろちょろしているおじさんで、まさかこの人がミュージッシャンとは!この日一番のサプライズ 番号札3番のフルート演奏は、全くの初心者で、キアンの演奏とは比べ物にならない いよいよキアンの出番だ、あがることもなく曲目を難なくこなした 。私はこのとき譜面を忘れてきたと焦ったが、キアンには不要だったようだ      キアンの演奏が終わると、さっさと先生との記念撮影を終えて帰宅、先生からはおおげさな表彰状をもらった この夏(4月~5月)はキアンの水泳教室(月~金、午前7時半~8時半)、ピアノ(水、金、午後一時から一時間、土、午前10時)、さらに、公文(火、木、午後2時から一時間)と毎日2回、朝と午後はキアンの送迎とアテンドで明け暮れてしまい、その合間に仕事をするといって按配だった。元々、アティ・キムや従姉妹のアリアやアレクサの仕事のはずだったが、彼らは田舎に帰ってしまい、私だけの役割になってしまった。キアンは相変わらず私のベストフレンドなので、決してやぶさかではないのだが、おかげで忙しい日々をすごした。私にとってもキアンにとっても二人でいるときがもっともリラックスできて、癒しのひと時でもあるのだ。 […]

キアンのピアノリサイタル 2017年6月11日


6月2日(金)、早朝、キアンの水泳教室にアテンドしているとき、ジェーンからテキスト・メッセージがはいり、「リゾート・ワールド(マニラ空港第3ターミナルの目の前のホテル街にある大型カジノ)でテロ事件が発生し、37人の死者が出た。だから、キアンをモールなどの人の集まるところに連れて行かないように」との指示があった。事務所に戻ってみると、フィリピン在住の方や日本から問い合わせやお見舞いのメールが入っていた。IS(イスラム国)から犯行声明が出され、最近、観光地といて名高いパラワンにイスラム過激派が潜入したというニュースもあり、テロに間違いないと誰しも思った。イギリスでも矢継ぎ早にテロが発生し、アフガニスタンでも大量の死者が出ている矢先だ。しかも、ドテルテ大統領はミンダナオ地方に戒厳令を発令し、マラウィ市では国軍と過激派の戦闘が続いているさなかだ。 カジノの老舗として安定した収益を上げているリゾートワールド  そうでなくても、保険金目当ての2名の日本人のパラワンでの殺害事件が新聞をにぎわせ、フィリピンのイメージを「危険」の一文字で片付けてしまう風潮が根強い。このテロ事件で、フィリピンはイギリスやフランスのテロ先進国の仲間入りをしたのか、あるいは、アフガニスタンやシリアのように劣悪な治安国家と同列とみなされてしまうのか、などなど、色々な思いが頭をよぎった。一方、キアンはそんなことは関係なく、水泳のレッスンに励んでおり、ここは平和そのものだった。 夏休み最後の日々を水泳教室で練習に励む子供達   事務所に戻ってからは、ちょっとした書類の作成にとりかかって、時間を忘れていたが、ふと時計を見ると午後1時近い。そうだ、キアンのピアノのレッスンの時間をうっかり忘れていた。そこでキアンに声をかけたら、「キャンセル」と声を張り上げた。そこで、テロ騒ぎに乗じて、ピアノ教室の先生に、「パパ・カーネルの命令により、キアンは外出できない、しかし、連絡が遅れたので、今日のレッスンは参加したものとみなして、レッスン料は支払う」と連絡を入れた。実は、翌々日のリサイタルを控えてこの日のレッスンはキアンのピアノ演奏の仕上げをするために大事な日だったのだ。 リゾートワールドのカジノの入り口  翌日の新聞を見ると、犯人は銃を発砲し、一億ペソ相当のチップを盗んで、放火し、5階のホテルの一室で自殺した。37人の死者は逃げ遅れた従業員が大半のようで外国人の死者は数名だった。大統領府、そしてデラロサ国家警察長官は犯人も特定できないうちから「テロではない」と否定して、単なる発砲・放火事件として扱っていた。 カジノの周囲は豪華なモールで日々とが集う  翌々日の新聞では犯人は白人と見られ、防犯カメラが一部始終をたらえていた。犯人は人に向けて発砲はしなかったが、放火により多数の死者をだした。リゾート・ワールドは遺族に100万ペソの見舞金を支払うと発表した。さらに3日後の新聞では、犯人は下財務省職員のフィリピン人男性(42歳)と特定され、容疑者の家族が会見して侘びを入れ、ドテルテ大統領も犠牲者の葬儀に出席し、遺族を弔問し、誠意をしめした。 中庭はヨーロッパの街並みを再現している。この日はハロウィンの催し物が行われていた  これで一件落着、いかにも単なる事件として扱い、容疑者の背後を云々しようという動きもなく、蓋をしてしまったといった感がぬぐえない。事件は、テロとして世界中を駆け巡り、ミンダナオのイスラム過激派との戦闘とあいまってフィリピンのイメージを地に落とし、さらに勃興しつつあるカジノビジネス大打撃を与え、ドテルテ政権そのものを転覆しかねない出来事だった。単なる発砲・放火事件として蓋をしてしまったドテルテ政権に対して、彼が一芝居をうったと、とらえる人も少なくないようだ。  

速報 リゾートワールド襲撃事件 2017年6月5日



3月末からKIANが通うドンボスコは夏休みに突入した。KIANは4月早々から2週間、田舎のビコール、農場で過ごしたが、4月17日から水泳教室がはじまった。月~金、毎日一時間、二週間ずつ3回のセッションがあって、それぞれ3800ペソと案外高額だ。水泳のほかにも、バスケットボール、サッカー、卓球、バレーボール、バドミントン、さらには空手、合気道、テコンドーなどがある。空手にも行かせたかったが、体力的負担が大きすぎるということで来年にまわしとなった。ちなみに、こちらは週3回、2ヶ月間で2900ペソと大分安い。 農場のプールでは水が汚れないように裸で遊ばせている  KIANは水遊びが大好きで、農場には子供用のプールまで作ってやったくらいだ。休暇中、KIANはそこで、ほとんど一日中遊んでいるが、太目のKIANには、好ましい運動で、この間ばかりは携帯でゲームにいそしむことは忘れている。今回の2週間の滞在で、ビーチやプールリゾートにほとんど毎日連れて行ってやったが、その時ばかりは、KIANは一日中ご機嫌だ。ただ、泳ぐという段階には程遠く、あくまでも水遊びレベルだ。 バカカイのビーチでいとこ達と戯れるKIAN  何もしないで家にいたら携帯に食らいついてゲームをしているだけなので、大枚3800x3=11400ペソもはたいたわけだ。このほかにKIANは午後から公文とピアノのレッスンが週2回づつあるので、勉強嫌いのKIANには十分なタスクだろう。水泳教室の月謝を工面するために、英語の家庭教師は夏休み中は休みとした。公文も中断しようとしたのだが、公文の先生の巧みな交渉により、続ける羽目になってしまった。 準備運動のメニューは半世紀を経ても同じだ  水泳教室は朝の7時半から8時半、これには誰か付き添っていなければならないので、少々きつい。パパカーネルは朝の5時ごろ出かけていくし、ママ・ジェーンはクッキーの育児で難しい。そうなると私がついていくしかないのだが、毎日と言うわけにはいかない。したがって夏休み中、田舎からいとこのアレクサを呼び寄せて、その任務に当たらせた(本来ならばアティ・キムがその任務に当たるはずなのだが、訳あって現在、彼女は家にいない。一方、アレクサの双子の片割れアリアはハイスクールは田舎で通うことになり、母親の実家に戻った)。私としては時間が許す限り付き添うことにしたが、生活を規則的にするためもあって、送りだけは毎日することにした。 バタ足は水泳の第一歩  水泳のレッスンは、Tadpole、Basic Freestyle、Advance Freestyle/Breaststroke/Backstroke/Butterfly の三段階になっているが、このTadpoleというのは辞書で調べたら犬かきのことだった。KIANは、もちろん犬かきからはじめるしかない。キックボードを構えていざ出陣 買ってやったゴーグルを一日で無くしてしまって、これは二つ目  準備体操からはじまり、プールの縁をつかんでのバタ足、そして、ボードを使って先生に向かってバタ足などを経て、犬かき。そういえば子供の頃、そんなレッスンを受けたことがある。ただ違うのは、子供達が皆、長袖のスイミングシャツを身につけ、さらにゴーグルをつけていることだ。確かにフィリピンの日射しは強すぎるし、目を感染症から守るためには必要なことだろう。それから、父兄がレッスンの間中、見守っていることだ。立派に泳いでいるKIANはいかにもうれしそうだ 先生に抱きかかえられたKIANはいかにも気合が入っている。  水泳のレッスンを見守る父兄たち […]

KIANの水泳教室 2017年4月30日 5月19日追記


マニラ首都圏における車の増加は顕著なものがあり、いくら道路を作っても、カラー・コーディング(プレートナンバーの末尾の数字により首都圏では週に一度走ることが出来ない制度)で規制しても、万年渋滞は留まるところを知らない。最近はオートバイや自転車まで加わって、毎日、路上バトルが繰り広げられている。だから、マニラの道路を横断できるようになったらフィリピン生活も一人前になったと認められるくらいだ。ちなみに、路上の主は車であって、歩行者は車の隙を狙って、横断するしかなくて、歩行者優先などという言葉はフィリピンでは通用しない。 そんな状況でも車を売りまくっているのがトヨタだ。5月3日付のマニラ新聞によると昨年の新車総販売台数は40万台を越え、中国の2400万台には遠く及ばないものの一億足らずの人口からすれば、かなりの台数だ。そのうち、40%の16万台弱はトヨタ車で占められ、しかも、その半分以上をマニラ首都圏売りさばいている。第2位は三菱(15.2%)、3位が韓国の現代自動車(8.3%)、4位がフォード(8.3%)、5位がいすゞ(6.8%)、6位がホンダ(5.7%)、7位が日産で(4.2%)、以下、韓国のKIA、スズキ、マツダ、スバルなどが続く。雨季になると道路冠水が頻発するフィリピンでは車高のの高いSUVが人気なだけに、いすゞが気を吐いている。一方、日産とホンダが6位と7位ではちょっとふがいない。 トヨタ(トヨタ・モーターズ・フィリピン)の2016年度の売り上げは1558億ペソ(約3500億円)で営業利益が157億ペソ(約360億円)と、日本でも悠々一部上場会社として認められる実績だ。さらに従業員は2600人に達するというフィリピンでは超優良マンモス企業だ。 車種別に見ると、小型セダンのビオスが36千台で第一位(この一位はトヨタ車に限ったものではなくて、フィリピン全体としての売れ行きの一位だ)。マニラを走っているタクシーはほとんどがビオスではないかというくらい、やたら走っており、しかも、現地生産されてるために、国民車ともいわれている。最近は、スタイルが良くなったために自家用車としてもかなり売れているようだ。かつてはトヨタ・カローラあるいは日産・セントラ(日本名 サニー)が小型車の代名詞だったが、現在はビオスが圧倒している。価格は、タクシー用のMT車が61万ペソ(140万円)からATの上位グレードが92万ペソ(210万円)程度と手ごろ(?)だが、フィリピンでは車は日本よりも高いのだ。 タクシーの100%はビオスと感じるくらい多いが、他には韓国の現代あるいはKIAなどが若干走っている  第2位が、ちょっと以外だが、フォーチュナーで、日本では発売されていない本格的SUVだ。これくらいの車に乗っているとステータスを感じることが出来る。ちなみに値段はミドルクラスのAT車で178万ペソ(410万円)、四駆となると217万ペソ(500万円)もする。こんな車が売れ筋なんて、フィリピン庶民の懐はどうなっているんだろうと首を傾げたくなる。 フォーチュナーは高級SUVで三菱モンテーロなどと人気を二分している  第3位がハイエースバン。UVサービスと呼ばれる中距離コミューターの主役で、10~15人の定員で朝夕の通勤客をマニラ郊外から運ぶ庶民の重要な足となっている。マカティのコマーシャルエリアにある駐車場(パーク・スクエア)には夕方の通勤時間に出動するUVサービスのバンが大量に並んでいる。また、先日、ビコール地方に車で旅した際には、国道にはやたらとハイエースが走っていた。当方もハイエースで旅行したのだが、長距離旅行の定番はハイエースということのようだ。UVサービスのほかにも旅行社など、多人数の客を乗せる車の定番だ。ハイエースは、一番安いもので130万ペソ(300万円)、中程度のAT車で190万ペソ(435万円)と決して安いものではないのだが。 ビコールの旅は500km、12時間近い旅だったが、ゆったりしたハイエースなのであまり疲れなかった  UVサービスとはUtility Vehicle Serviceの略で、かつてはFXと呼ばれていた。それは、AUV(Asian Utility Vehicle)と呼ばれたトヨタのタマラオ(野生の水牛という意味)FXという車が使われていたためだが、そのタマラオFXは大家族一同を乗せることができる大衆車として1990~2000年代一世を風靡していた。そして、現在、その役割をハイエースが担っているというわけだ。同型車として、日産のアーバンがかつては市場を二分していたが、現在はハイエースに水を開けられている。タマラオFXはすでに生産を中止しているが、AUVとしては、いすゞ・クロスウインド、三菱・アドベンチャーなどが100万ペソ以下で手に入れることができて主に商用車として根強い人気を保っている。 マカティ、パークスクエアにはハイエースなどのUVサービスの車が並んで庶民の退勤時間を待っている […]

トヨタの車は何故売れる 2017年5月14日